マンガ肉と僕 | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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愛することってなんだろう。道標をくれる不思議なストーリー。


2016年2月11日公開
監督:杉野希妃
出演:三浦貴大・杉野希妃・徳永えり 他


【賛否両論チェック】
賛:癖のある登場人物達が織り成す、どこか不思議で切ない人間模様に、“誰かを愛する”ということの本質を教えられるよう。
否:お話そのものは淡々としているので、眠くなるかも。ラブシーンも結構あり。


ラブシーン・・・あり
グロシーン・・・おう吐シーンがあり
アクションシーン・・・なし
怖シーン・・・なし



 草食系男子の下に、ひょんなことから“肉食”女子が転がり込んでくる、ヒューマンドラマです。主演は三浦貴大さん。


 物語の始まりは、東日本大震災直後の京都。国立大学に通うワタベ(三浦貴大)は、福島で1人で暮らす母のことを気にかけながらも、弁護士を目指して勉強に勤しんでいました。真面目でおとなしい彼は、他の学生達から出席票の提出や、ノートのコピーを頼まれても断らない、優しい性格でもありました。そんなワタベの大学には、その恰幅のよさと清潔感のない身なりから、多くの学生に敬遠されている女性・熊堀サトミ(杉野希紀)の姿がありました。ある日のこと、授業で座る場所がなかったサトミに、ワタベは隣りの席を譲ります。それをきっかけに、教科書を買っていないサトミに、見せてあげるようになったワタベ。その後2人は、何となく毎回隣りで授業を受けるようになるのでした。


 期末試験の後、川原で飲み明かしたワタベとサトミ。しこたま酔っ払ったワタベが、翌朝自室で目を覚ますと、そこにはソファで爆睡するサトミの姿が。実はサトミは、母親の新しい恋人(徳井義実)から嫌がらせをされており、荷物をまとめて家を飛び出してきたところなのでした。それからというもの、サトミはワタベの家に入り浸ると、
「食い物を買ってきて。」
と、ワタベを使い走りにするようになります。そんなサトミのために、渋々肉を買い続けるワタベでしたが、すぐに貯えが底をついてしまいます。仕方なく肉の領収書をまとめ、サトミに請求しようとしますが、逆に
「私と同棲してること、学校でバラすよ?」
と言い込められ、結局ワタベがバイトをして稼ぐことになってしまうのでした。


 ワタベが始めたのは、京都のとある料亭でのアルバイト。そこで彼は、高校時代にサトミに片想いをしていたという藪野(太賀)と出逢います。彼いわく、
「サトミも、昔は細身で可愛かった。でも今は、男の目を遠ざけようと、わざと太ろうとしている。」
という話を聞かされるのでした。一方、同じバイト先で出逢った菜子(徳永えり)と、ワタベは自然とデートをするようになっていきます。しかし、菜子と遊んで肉を買ってこないワタベに対し、サトミは次第に不満を募らせるようになり、とうとう帰ってきたワタベと衝突。結局サトミは、ワタベの家を飛び出してしまうのでした。その後、ワタベと菜子は急接近し、やがて同棲をするようになるのでしたが・・・。


 一見淡々としたストーリーの中で、突然サトミがワタベの家に転がり込むところから、少し不思議なテイストの物語が始まります。


 優しすぎる草食系男子だったのに、次第にたくましく変わっていくワタベや、男を忌み嫌い、わざと太ろうと偏食を続けていたサトミ、そして猟奇的なまでに恋愛に依存する菜子。それぞれが織り成す物語が、人間の本質を掘り下げていくようです。


 誰かを愛する上で、本当に大切なものは何なのか。そうした普遍的な問いに、ある種の道標のようなものを示してくれる作品だと感じました。


 ラブシーンなんかもありますが、愛や恋に迷った時に、是非観ていただきたいですね。



【ワンチャン・ポイント】
※土居志央梨さん・・・本作では、主人公のバイト先の同僚・萌香役。新進気鋭の女優さんで、最近では奥田瑛二さん主演の「赤い玉、」で、芸術学校の生徒役で出演されています。これからもその凛とした演技に要注目です。


オススメジャンル&オススメ度・・・<深く考えたい>