NINJA THE MONSTER | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

<ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

観たい映画に迷った時は、このムービーナビをご活用下さい。現在公開中の映画の中から、目的や好みに合わせた映画を探せます。

※「声に出して読みたい映画のセリフ in 2018」 4月8日発売♪

「死を恐れん者に、命を懸ける資格はない。」


2016年2月20日公開
監督:落合賢
出演:ディーン・フジオカ
森川葵 他


【賛否両論チェック】
賛:モンスターにすら動じず、困難を生き抜いていこうとする忍びと、そんな忍びとの間で、愛情や友情を育んでいく姫君との人間ドラマが印象に残る。クールでカッコイイ主人公にも要注目。
否:実際にモンスターと戦うシーンは少なく、かつその全貌もなかなか明かされないので、モンスターとの戦いを期待して観ると、拍子抜けしてしまいそう。


ラブシーン・・・なし
グロシーン・・・少しあり
アクションシーン・・・殺陣のシーンがあり
怖シーン・・・急に驚かせるシーンがあり



 姫の護衛の命を受けた忍びが、山中で物の怪に遭遇します。主演はディーン・フジオカさん。


 物語の舞台は、1783年の浅間山。平和な時代が訪れ、忍者が必要とされなくなったため、幕府は「忍者禁止令」を発布。忍者は残らず捕らえられ、処刑されたのでした。そんな時代背景の中、長野藩の藩士・彦十郎は、国元にいる藩主の命を受け、数人の供を連れて、江戸へと向かっていました。浅間山の山中にさしかかった頃には、すっかり日も暮れていましたが、彦十郎達は夜の山道を急ぎます。そんな彼らに、怪しげな影が忍び寄ります。そして次の瞬間、影は一気に彦十郎達に襲いかかると、凄まじい悲鳴が上がるのでした。


 彦十郎からの連絡が途絶えて数か月が過ぎた頃、浅間山の麓に、長野藩主の娘・幸姫(森川葵)の一行がやってきます。折からの飢饉で困窮していた藩を救うため、藩主は幸姫を老中に輿入れさせることで、藩の取り潰しを防ごうとしているのでした。幸姫の一行の中には、藩主の特命で警護の任に就いていた謎の男・伝蔵(ディーン・フジオカ)の姿もありましたが、素性の知れない伝蔵のことを、供の長右衛門(和田聰宏)達は煙たがります。そんな中で、家来の中の1人が、以前通った時にはあったはずの池の水が、すっかり干上がってしまっていることに気がつき、首をかしげているのでした。


 その後一行は、山の麓の村へと到着し、庄屋の家で小休止をします。ところが庄屋は、
「山に入ってはならない。山では物の怪が出ており、これまでにも10人以上が襲われ、誰も帰ってこない。」
と警告します。長右衛門はやむを得ず、庄屋の家で一晩過ごし、翌日に引き返すことを決めるのでした。しかしその日の夜、国元で藩主が急逝したとの知らせが舞い込んできます。藩を守るという亡き父の想いを果たすべく、幸姫は危険を覚悟の上で、山を越えて江戸へ向かうことを決意するのでした。


 翌朝、一行は庄屋達村人の制止を振り切って、山へと入っていきます。その途中で、周囲に不穏な気配を察した伝蔵は、引き返すように忠告しますが、長右衛門はそんな伝蔵を
「臆病者!!」
と罵ると、構わずに進み続けるのでした。一方その頃、幸姫は駕籠の中でジッとしていましたが、突然供の者達の悲鳴が聞こえたかと思うと、駕籠は激しく横転してしまいます。幸姫が恐る恐る外を見てみると、供の者達は跡形もなく消えており、去っていく物の怪の後ろ姿が見えるのでした。その時、動けずに怯えていた幸姫を、伝蔵が助け出します。供の中では、唯一長右衛門だけが難を逃れており、その後は3人で山越えをすることに。事ここに至って、幸姫と長右衛門は、伝蔵が忍びの生き残りであったことに気がつくのでしたが・・・。


 普段は寡黙で不気味な雰囲気すら漂わせている主人公・伝蔵が、〝モンスター”という未曽有の脅威を前にしてもなお動じずに、姫君を守り抜こうとする姿が、メチャメチャカッコイイです。さすがはディーン・フジオカさん、ハマり役です(笑)。


 そして、幸姫がそんな伝蔵に守られていくうち、2人の間で次第に、主君の姫と家来という身分を超えた、愛情にも似た友情が育まれていく様子も、また清々しくてステキです。


 ただ内容としては、モンスターの登場シーンは思いのほか少なくて、基本的にはそうした物の怪が跋扈する山中で、お互いの疑心暗鬼や祈祷師達との争いをかわしながら、いかに江戸まで生き抜いていくかがメインの作品です。ですので、「忍者とモンスターとの激しい戦い」なんてのを想像して観た人は、「これじゃない感」がハンパないかと思います(笑)。


 人間ドラマも垣間見える、異色の時代劇といえそうです。



【ワンチャン・ポイント】
※ディーン・フジオカさん・・・本作の主演。今や押しも押されもしない人気俳優さんですが、映画ではイギリス人女性殺害事件の犯人を描いた「I am ICHIHASHI 逮捕されるまで」の監督&主演や、台湾のアクション大作「ハーバー・クライシス 湾岸危機 Black&White Episode1」での捜査官役、そしてヨガが繋いだ人間ドラマを描いた「シャンティ デイズ 365日、幸せな呼吸」等にも出演されています。


※森川葵さん・・・本作のヒロイン・幸姫役。最近の映画では、「劇場版 零 ~ゼロ~」や「渇き。」、そして延期になってしまった「TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ」等にも出演していらっしゃいます。


オススメジャンル&オススメ度・・・<ハラハラしたい>