傷物語 Ⅰ 鉄血篇 | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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好みが分かれる世界観。不思議な魅力の吸血鬼秘話。


2016年1月8日公開
監督:新房昭之・尾石達也
出演(声):神谷浩史・坂本真綾・堀江由衣 他


【賛否両論チェック】
賛:吸血鬼もどきになってしまった主人公を巡る不思議な世界観が、独特の描写と共に描かれていくのが印象的。
否:小説チックなセリフの言い回しや、文字がパッと出てくる演出等、世界観は好みが分かれそう。グロシーンもあり。


ラブシーン・・・お色気シーンがあり
グロシーン・・・キスショットのシーンはかなりグロい
アクションシーン・・・少しだけあり
怖シーン・・・雰囲気は結構怖いかも



 ライトノベルのアニメ映画化です。吸血鬼もどきになってしまった主人公を描きます。


 とあるビルのエレベーターを上がってきた、1人の青年。どうやら吸血鬼らしきその青年は、階段を屋上へと上っていきます。外へ出てみると、辺り一面はカラス達で埋め尽くされていました。そのまま螺旋階段を下り、広場まで歩いてきた青年でしたが、ふと頭上に見えた太陽に手をかざした次の瞬間、彼の体は炎に包まれてしまいます。青年は悶え苦しみながら、建築資材の置いてある現場へと落下。そのまま力尽きてしまうのでした。


 遡ること2日前。春休みを迎えたその高校生・阿良々木暦(声:神谷浩史)は、同級生の少女・羽川翼(声:堀江由衣)と出逢います。
「友達を作ると、人間として弱くなる。」
というのが持論の阿良々木に対し、
「案外話しやすいんだね。」
という羽川。そんな羽川は、最近町で噂になっているという、“夜中に現れる金髪の美しい吸血鬼”の話をするのでした。その後羽川は、別れ際に阿良々木の携帯電話を借りると、半ば強引に自分の電話番号とメールアドレスを、登録してしまうのでした。


 その日の夜、どうしても羽川のことを考えてしまう阿良々木は、エロ本を買いに本屋へと出かけます。ところがその帰り道、突然町中の灯りが消えてしまうのでした。不審に思う阿良々木でしたが、ふと足下に血だまりが出来ていることに気がつきます。血痕はそのまま地下鉄へと続いており、阿良々木は恐る恐るその跡を辿っていくのでした。改札を通り、ホームへと降り立った阿良々木の目に飛び込んできたのは、血だまりの中に倒れている、手足をもぎ取られた金髪の女性。叫び声をあげる阿良々木に、女性は
「うぬ、お前に私を助けさせてやる。」
と声をかけます。実は彼女こそが、噂となっていた吸血鬼“キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード”(声:坂本真綾)でした。瀕死の重傷を負っている彼女は、阿良々木1人分の血を吸えば、なんとかこの場をしのげるとのこと。しかし当然ながら、阿良々木は恐れをなして逃げ出してしまいます。


 地下鉄の入り口まで逃げ、頭を抱える阿良々木。その耳には、死を目前にして、
「ごめんなさい・・・ごめんなさい!!」
と泣き叫ぶ、キスショットの声が響いていました。やがて阿良々木は覚悟を決め、彼女の下へときびすを返します。
「次に生まれ変わったら、嫌なことは全部他人のせいに出来るような、そんな人間になってやる。だから、俺の血を全部吸って構わない。」
と、阿良々木は自らの命をさし出すのでした・・・。


 ホラーともサスペンスともコメディともとれるような、実に不思議な雰囲気のお話です。ひょんなことから吸血鬼もどきになってしまった主人公が、人間に戻るためにハンターとの戦いに身を投じていくまでの“序章”が、独特の世界観で描かれていきます。


 好みははっきり分かれそうな作品です。物語の全般を通して、登場人物達の行動や感情、名前なんかが文字でパッと出てくる演出や、小説のようなセリフの言い回し等、人によってはあまり好きになれないかも知れません。また、本作を観ると、自動的にあと2本観ることになりますので、その辺りもご留意を(笑)。


 原作をご存じの方や、世界観が好きな方には、是非オススメの作品です。



【ワンチャン・ポイント】
※今回はお休みです。


オススメジャンル&オススメ度・・・<ハラハラしたい>