残穢【ざんえ】 -住んではいけない部屋- | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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止まらない恐怖。ミステリーとしても楽しめるホラー。


2016年1月30日公開
監督:中村義洋
出演:竹内結子・橋本愛 他


【賛否両論チェック】
賛:1つ1つの謎めいた恐怖体験が、やがて見事につながっていく様子が圧巻。急に驚かせるシーンはそれほどないので、ホラーが苦手でもなんとか観られそう。
否:終わり方が結構唐突なので、ホラーとしてもミステリーとしても中途半端感が否めない。


ラブシーン・・・なし
グロシーン・・・少しだけあり
アクションシーン・・・なし
怖シーン・・・驚かせるシーンが少しだけあり



 ホラー作家の主人公の下へ舞い込んだ投書が、思いもよらぬ恐怖体験へと続いていきます。主演は竹内結子さん。


 主人公は、小説家の“私”(竹内結子)。今は恐怖体験の投書を基にした小説を書いている私。2012年の5月、そんな私の下に、“久保さん”(橋本愛)という女子大生から、投書が寄せられます。彼女は最近、東京の郊外で念願の一人暮らしを始めたばかりでしたが、その彼女は最近、不可解な物音に悩まされているとのことでした。「岡谷マンション」の202号室に暮らす久保さん。建築学科に通う彼女は、リビングで作業をしている際、寝室として使っている隣りの畳の部屋から、何かで掃いているような物音が、聞こえてくるのに気がついていました。その音は、久保さんが視線を向けている時は聞こえず、視線を逸らすとまた、繰り返し聞こえてくるのでした。そんな彼女の投書に、私はどこか興味を引かれます。


 半年後、久保さんから経過報告の投書が届きます。物音はその後も続いており、彼女はたまらず寝室との境の扉を閉めてしまったそうですが、すると今度は、扉を叩く音が聞こえてくるとのこと。そして、恐る恐る扉を開けた彼女は、畳をこする着物の裾を見てしまったとのことでした。私はすぐに、久保さんが「首を吊った着物の女性」の姿をイメージしていることに気がつきます。そこまで考えた私は、過去に似たような投書があったことを思い出すのでした。


 調べ返してみると、なんとそれは同じ岡谷マンションの、405号室の住人だった人物からのもの。その住人もまた、着物の裾がこすれるような音に悩まされており、しかもどうやら幼い娘には、「首を吊った人の形」が見えている様子とのことでした。一方、久保さんも独自に調査を開始。不動産屋に問い合わせたところ、過去に岡谷マンションで死者が出たという記録はないとのこと。事ここに至って、私と久保さんは、
「マンションが経つ前の住人に、何かがあったのではないか?」
と考え、2人でその土地の過去に遡って、調べてみることにします。その調査はやがて、身の毛もよだつ“穢れ”の連鎖へと、つながっていくのでしたが・・・。


 何気ない日常の恐怖体験がきっかけとなり、次第に恐るべき“穢れ”の全貌が明らかになっていく様子が、まるでミステリー小説を読んでいるようで、思わずハラハラさせられます。1つ1つの心霊現象が、思いもよらぬところ同士でつながり合い、やがて1つの線になっていくのが圧巻です。


 反面、ホラーとしての「怖さ」としてはそれほどでもないので、純粋にホラー映画を楽しみたい人にとっては、やや物足りないかもしれません。お話としても、少し急に終わってしまった印象で、消化不良感もありそうです。


 どちらかと言えば、普段はホラー映画を観ないような方に、オススメ出来そうな作品です。



【ワンチャン・ポイント】
※中村義洋監督・・・本作の監督さん。言わずと知れた、「ゴールデンスランバー」や「白ゆき姫殺人事件」で有名な方ですが、他にも「チーム・バチスタの栄光」「映画 怪物くん」「ポテチ」「みなさん、さようなら」「奇跡のリンゴ」「ナゾトキネマ マダム・マーマレードの異常な謎」「予告犯」等々、話題作を多数手がけていらっしゃいます。最新作では、阿部サダヲさん主演の時代劇「殿、利息でござる!」も公開されますので、そちらにも注目です。


オススメジャンル&オススメ度・・・<ハラハラしたい>