神なるオオカミ | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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忘れてはいけない自然への畏怖。痛感させる荘厳な存在。


2016年1月12日公開
監督:ジャン=ジャック・アノー
出演:ウィリアム・フォン
ショーン・ドウ 他


【賛否両論チェック】
賛:大自然の中で気高く生きるオオカミ達と、彼らと向き合い続ける主人公達の姿を通して、自然への畏怖の念を改めて抱かせてくれる。
否:どうしても似たようなシーンが続くので、飽きてしまうとつまらないかも。オオカミが獲物を殺すシーンなんかもあり。


ラブシーン・・・なし
グロシーン・・・オオカミが獲物を狩るシーンや、ケガのシーン等あり
アクションシーン・・・基本的にはなし
怖シーン・・・オオカミのシーンは少し怖いかも



 モンゴルへとやって来た青年が、オオカミの子供を育てることになります。


 物語の舞台は中国。文化大革命から2年、1967年から始まります。都会の学生達は、次々と地方へと派遣されていき、学生だったチャンとヤンも、内モンゴルへと派遣されるのでした。2人は、ビリク隊長率いる遊牧民の部族に厄介になることになり、食事や住居を提供してもらう代わりに、読み書きを教えることになります。そんな2人は早速、ビリクに自分達のゲル(住まい)を与えられると、
「奴らが来たら、これで追い払え。」
と、オオカミよけの棒を渡されるのでした。


 それから半年が経ち、なんとか馬も乗りこなせるようになったチェンとヤン。ある時チェンは、かねてからの言いつけを守らず、草原の渓谷を通る近道へと、馬を走らせます。しかしそんなチェンに、不穏な気配が忍び寄ります。次にチェンが気がついた時には、彼は周りをオオカミに取り囲まれているのでした。焦るチェンでしたが、決して取り乱すことはなく、
「オオカミは金属音を嫌がる。」
というビリクの教えを思い出し、あぶみを打ち鳴らし始めます。するとオオカミ達は、静かにその場を離れていくのでした。この日のことがきっかけとなり、チェンはオオカミの荘厳さに魅せられ、
「子供のオオカミを飼って、研究をしたい。」
とまで言い出すようになるのでした。


 冬が近くなった頃、ビリクはチェンを連れて、オオカミの狩りの観察に出かけます。集まっていたガゼルの群れに、音もなく忍び寄ったオオカミ達は、見事な連携でガゼルを追いつめていきます。やがて冬が来て、草原が雪景色に染まった頃、そこにはオオカミが食べ残し、自然に凍ったおびただしい数のガゼルの肉が、残されていました。ビリク達はその肉を回収して行きますが、
「オオカミ達のために、いくらかは残しておく。」
という習わしに沿って、しっかりとガゼルを残していきます。ところがその後、町へガゼルを売りに行った際、部族の1人が飢饉に悩む東の部族に、うっかりガゼルの場所を漏らしてしまったため、彼らによってガゼルは根こそぎ持っていかれてしまうのでした。


 やがて春が近づき、東からやって来たバオ班長は、慣例となっている、オオカミの子供の狩りを指示します。これに対しビリクは、
「ガゼルのこともあるので、これ以上手を出すと、オオカミの怒りに触れることになる。」
と難色を示しますが、バオは
「これは命令だ。」
と言って聞きません。結局例年通り、オオカミの子供の収穫は行われ、チェンとヤンも手伝うことになりますが、チェンはそこで出逢った1匹の赤ちゃんオオカミを、密かに育てることにするのでした・・・。


 まるでネイチャードキュメンタリーを観ているような、オオカミ達の自然かつ荘厳な雰囲気に、思わず魅了されてしまいます。決して何者にもなびかず、誇りを持って生きているその姿が、改めて大自然に対する畏怖の念を感じさせます。


 一方、慣れない大自然の中での生活に戸惑いながらも、オオカミの魅力にとりつかれ、その存在と最前線で向き合おうとする主人公の姿も、熱いものを感じさせてくれます。


 命の尊さや、生きることの厳しさなんかも、併せて考えさせてくれるような、そんな奥深い作品となっています。



【ワンチャン・ポイント】
※今回はお休みです。


オススメジャンル&オススメ度・・・<深く考えたい>