クリムゾン・ピーク | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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「愛は人をケダモノにする。」荘厳で可憐なホラー映画。


2016年1月8日公開
監督:ギレルモ・デル・トロ
出演:ミア・ワシコウスカ
トム・ヒドルストン
ジェシカ・チャステイン 他


【賛否両論チェック】
賛:主人公達を取り巻く様々な愛憎劇が、“ホラー”というジャンルを越えて描かれていくのが魅力的。恐ろしくも荘厳な映像美も、胸に残る。
否:見方によってはかなりグロテスクなシーンや、ラブシーンもあるので、好き嫌いは分かれそう。


ラブシーン・・・あり
グロシーン・・・結構あり
アクションシーン・・・少しあり
怖シーン・・・急に驚かせるシーンがあり



 幽霊が見える主人公が、恐るべき愛憎劇に巻き込まれていくホラー映画です。監督は「パシフィック・リム」のギレルモ・デル・トロ。


 物語は、近代化が進むアメリカから始まります。主人公のイーディスが、生まれて初めて幽霊を見たのは、10歳の時でした。コレラで亡くなった母親の葬儀の夜、部屋で寝ていたイーディスの下に、母親とおぼしき幽霊が現れると、
「クリムゾン・ピークに気をつけなさい。」
と言い残し、忽然と消えてしまうのでした。彼女がその言葉の意味を理解するのは、もっとずっと後のことでした。


 そして時は流れ、14年後。鉄鋼会社を経営する父・カーターの下で、令嬢として育ったイーディス(ミア・ワシコウスカ)。作家を目指している彼女は、父親の会社のタイプライターを借りようとしますが、そこで商談にやって来たイギリス人のトーマス・シャープ(トム・ヒドルストン)と出逢います。姉のルシール(ジェシカ・チャステイン)と共に、開発中の掘削機の融資の提案に来たトーマスでしたが、カーターはあからさまにトーマスを毛嫌いし、融資を断ってしまうのでした。その日の夜、イーディスに好意を抱く医師、アラン・マクマイケル(チャーリー・ハナム)の家で舞踏会が開かれ、カーターも参列しますが、華やかな場が苦手なイーディスは、家で留守番をすることにします。ところがそこへ、再びあの母親の幽霊が現れ、
「クリムゾン・ピークに気をつけなさい。」
というあの言葉を、再び残していくのでした。その直後、トーマスが来訪し、彼女を舞踏会へと連れ出します。舞踏会では、トーマスはワルツの相手にイーディスを選び、2人はお互いに惹かれ合うようになっていくのでした。


 しかし、そんなトーマスの様子に懐疑の念を隠せないカーターは、探偵のバリーを雇い、彼の過去を調べさせます。その後、カーターはトーマスとルシールを呼び出し、トーマスが財産目当てで娘に近づいていると糾弾。金を渡す代わりに、翌日1番の列車でこの地を去ることと、わざとイーディスを深く傷つけるようなことを言うことを、約束させるのでした。それを承諾したトーマスは、イーディスに
「読んで感想をほしい。」
と言われていた彼女の小説を酷評。
「君は本当の愛を知らない。」
と言われたイーディスは、泣きながらトーマスをひっぱたくと、立ち去っていくのでした。


 その翌日、事件が起こります。カーターが洗面所で死んでいるのが発見されたのでした。悲しみに沈むイーディスは、アメリカを去らずに残っていたトーマスと再会し、やがて結婚。その後、トーマスとルシールの生家である、イングランドの古びた古城へと旅立つのでしたが・・・。


 基本的にはホラーではありますが、そこではいくつもの愛憎劇が描かれていきます。子供を想う親の愛や、願えども叶わぬ片想い、そして自分を愛してくれる者への無償の愛。劇中でとある人物が語る、
「愛は人をケダモノにする。」
というセリフが、まさに本作での愛の姿を体現しているような気がします。


 そして、ただのホラー映画とは片づけられないような映像美も、この作品の魅力です。特に後半の古城のシーンの数々は、まるでテーマパークのホラーモノのアトラクションに乗っているかのようで、ハラハラしながらもその優美な世界観に、魅了されてしまいます。


 急に驚かせるシーンや、ラブシーンなんかもありますが、気品溢れる悲しいお話に仕上がっています。



【ワンチャン・ポイント】
※トム・ヒドルストン・・・本作では、主人公のイーディスと恋に落ちるトーマス・シャープ役。この方といえば、何といっても「アベンジャーズ」や「マイティ・ソー」でのロキ役が有名ですね。他にも、現代に生きる高潔なヴァンパイアを描いた「オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ」の主演もされています。ちなみに本作のイーディス役のミア・ワシコウスカは、「オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ」では、主人公の恋人の妹役として、共演していらっしゃいますね。


オススメジャンル&オススメ度・・・<ハラハラしたい>