エリザベス 神なき遺伝子 | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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現実に起こりうる悲劇。社会に問う異色のサイエンス・サスペンス。


2016年1月16日公開
監督:ビリー・セニーズ
出演:ジェレミー・チャイルズ
シェリーン・ニューマン 他


【賛否両論チェック】
賛:行きすぎた生命科学への警鐘を、絶妙な角度で問いかける内容に圧倒される。
否:後半はほとんどホラーテイストなので、苦手な人には向かないかも。


ラブシーン・・・基本的にはなし
グロシーン・・・手術のシーンや殺害シーン等があり
アクションシーン・・・基本的にはなし
怖シーン・・・イーサンのシーンはかなり怖いかも



 世界初のクローン人間を誕生させてしまった研究者を描いた、社会派のサスペンスです。


 主人公のヴィクター・リード博士は、
「自身の遺伝子を基に、一部配列を変え、クローンの人間を誕生させた。」
と発表しました。赤ん坊の名前は、“エリザベス”。脳に専用の器具を取りつけられたその赤ん坊は、24時間態勢で管理が行われます。エリザベスの誕生に、世論は紛糾。大半は、
「非人道的で、触れてはならない神の領域だ。」
としてヴィクターを非難しますが、重い病に苦しむ者にとっては、
「これまで治らないとされていた病気に、自身のクローンから臓器等を提供出来るので、まさに夢のような進歩だ。」
と、歓迎されるのでした。


 そんなヴィクターは、自宅に帰れば妻・クレアと2人の幼い子供達がいる、1人の父親でもありました。最近クレアは体調がすぐれず、子供達の世話を同じ敷地に住むお手伝い夫婦、リチャードとメアリーに頼んでいました。そのリチャードとメアリーの間には、“イーサン”という息子がいましたが、彼には重い発達障害があり、常日頃から暴力衝動が押さえられないため、やむなくリチャードとメアリーは、彼を屋根裏部屋に閉じ込めているのでした。


 その後も、エリザベスを巡る報道は加熱の一途を辿ります。そしてある日の夜、ヴィクターはとうとうエリザベスのいる病棟に、不審者がうろついているのを発見します。彼女の身を案じたヴィクターは、警備員の数を増やし、彼女を秘密裡に自宅へと搬送することにするのでした。しかし、普段からエリザベスの扱いに疑問を抱いていた看護師のローラが、その情報をマスコミにリークしたため、すぐにヴィクターの家の前には、多数の市民が抗議に押し掛かけてくるのでした・・・。


 “命の創造”という、まさに神の領域に足を踏み入れてしまった人類の葛藤が、実にリアルに描かれていきます。そして、決してフィクションでは片づけられない現実的な悲劇の顛末にも、行きすぎた生命科学への警鐘を感じます。


 描写は結構不気味で、後半はどちらかというとホラーな印象です。ですので、怖いものが苦手な人には、向かないかもしれません。


 クローン人間の是非を不思議な角度から投げかける、異色のサイエンス・サスペンスです。



【ワンチャン・ポイント】
※今回はお休みです。


オススメジャンル&オススメ度・・・<深く考えたい>