バンド・コールド・デス | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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ファンのみならずとも興味深い。音楽一家の様々な人間模様。


2016年1月16日公開
監督:ジェフ・ハウレット
マーク・コビノ 他
出演:アリス・クーパー
イライジャ・ウッド 他


【賛否両論チェック】
賛:1つの音楽一家の姿を通して、様々な人間模様を感じ取ることが出来る。音楽好きにはオススメ。
否:やはりドキュメンタリーなので、全く興味がないと退屈すること必至。


ラブシーン・・・基本的にはなし
グロシーン・・・なし
アクションシーン・・・なし
怖シーン・・・なし



 1970年代に活動をしていた、伝説のロックバンド「Death」を追ったドキュメンタリーです。


 黒人の3兄弟、デイヴィッド・デニス・ボブ。彼らはデトロイトで生まれ育ちました。小さい頃から、食卓にはラジオから流れる音楽があった彼らの周りには、常に音楽が溢れていました。その後、幸か不幸か、母親が交通事故に遭い、慰謝料が入ることに。3人はそのお金で、楽器を買わせてもらうことになります。早速彼らは、自宅の2階で毎日演奏を開始。近所から何度も通報されながらも、演奏を続けます。そんな彼らを母親は、
「好きな音楽をやりなさい。」
と、温かく見守るのでした。


 しばらくして、彼らの父親が亡くなります。電気技師をしていた父親は、研修生が転落事故に遭い、病院へ連れていく途中に、飲酒運転の車にはねられ、即死したのでした。それからというもの、長男のデイヴィッドは、次第にスピリチュアルな世界観へと陶酔していくようになるのでした。そんな彼は、3人のバンド名を「Death」と名付けます。活動を続けた彼らは、ついに地元の音楽会社との契約に成功します。しかしそこでネックとされたのは、やはりバンドの名前。プロデューサーが奔走したものの、取り合ってくれるレコード会社やテレビ局はありません。改名さえすればチャンスはあったにも関わらず、デイヴィッドは絶対に改名を受け入れませんでした。やむなく彼らは、自分達でレコードを作り、販売することになります。


 しかし、「Death」の活動は長くは続かず、彼らはデトロイトから転居することを余儀なくされてしまいます。この頃から、デニスとボブは別のレゲエバンドを組むようになり、デイヴィッドとは次第に距離が出来てしまいます。デトロイトに戻ったデイヴィッドは孤独に苛まれ、やがてヘビースモーキングによる肺がんで、この世を去ってしまうのでした。その後長きに渡り、「Death」の存在は忘れ去られていましたが、30年余りの歳月を経て、彼らは再び脚光を浴びることになります。その再ブームに一役買ったのは、デニスやボブの息子達でした・・・。


 1つのバンドの盛衰を追ったドキュメンタリーではありますが、そこには家族の様々な人間模様が映し出されています。苦楽を共にしてきたにも関わらず、最後にはたもとを分かつしかなかった兄弟や、父や叔父の若かりし頃の音楽を知り、それを世間に伝えようと奔走する息子達、そしてそんな息子や孫の活躍を、温かく見守り続けた母。多彩な角度からの人と人との絆に、ファンのみならずとも興味深い作品に仕上がっています。


 ただやはり、いかんせんドキュメンタリーなので、全く興味がないと、正直厳しいものはあるかと思います。


 音楽に少しでも関心がある方は、観ておいて損はない作品です。



【ワンチャン・ポイント】
※イライジャ・ウッド・・・本作では後半のインタビューで、「Death」の魅力を語っていらっしゃいます。言わずと知れた「ロード・オブ・ザ・リング」の主役の方で、最近では「マニアック」や「スティーラーズ」、「グランドピアノ 狙われた黒鍵」や「ブラック・ハッカー」等にも出演されています。どうしてインタビューされているのかと思ったら、2012年にご自身のレーベルを立ち上げたそうですね。


オススメジャンル&オススメ度・・・<深く考えたい>