ブリッジ・オブ・スパイ | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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まさに〝不屈の男”。戦い続ける姿勢が生んだ、感動巨編。


2016年1月8日公開
監督:スティーブン・スピルバーグ
出演:トム・ハンクス
マーク・ライランス 他


【賛否両論チェック】
賛:四面楚歌の状況下にあっても、自分の信じる正義のために戦い続ける主人公の姿勢が印象的。壮大なスケールで描かれる、冷戦下での人間ドラマに圧倒させられる。
否:上映時間は結構長め。実際に交換交渉のストーリーは出てくるのは後半からなので、前半は結構退屈かも。


ラブシーン・・・なし
グロシーン・・・基本的にはなし
アクションシーン・・・基本的にはなし
怖シーン・・・急に大きな音が出るシーンがあり



 冷戦時代、〝スパイの交換”という難題に挑んだ、アメリカの弁護士を描いた実話です。主演はトム・ハンクス。


 1950年代、アメリカとソ連の緊張状態はピークに達しており、核開発競争を巡って、お互いのスパイによる諜報活動も激しさを増していました。アメリカ・ブルックリンの宿で絵を描いている、自称・英国人の画家・アベル(マーク・ライランス)も、ソ連によるスパイと見られており、FBIからマークされている人物でした。ある日のこと、いつものように川辺で絵を描いていたアベルは、椅子の下に貼られていたコインをさりげなく回収し、宿へと持ち帰ります。コインを割ると、中には折り畳まれた指示書が。すぐに解読したアベルでしたが、その後部屋には、駆けつけたFBIが雪崩を打って押し入ってきます。アベルはその場で身柄を確保されますが、隙を見て先ほどの指示書を始末することに成功するのでした。


 一方こちらは、ニューヨークで保険専門の弁護士として辣腕をふるっているジム・ドノヴァン(トム・ハンクス)。そんなジムの下へ、
「アベルの弁護人になってほしい。」
という依頼が舞い込みます。なんでも、被告人がソ連のスパイのため、裁判の行方は決まったも同然。なおかつ、その“裏切り者”を弁護するという、いわば全国民を敵に回す難役に、弁護士会の全会一致でジムが推薦されたとのこと。最初こそ渋っていたジムでしたが、最終的にはアベルの弁護を引き受けることにするのでした。


 ジムの誠実な姿勢に、アベルもすぐに心を開きますが、いかんせん被告人は敵国のスパイ。早速ジムは、町中から“裏切り者”という冷たい視線を浴びせられることになってしまいます。しかも裁判さえも、全てジムを極刑に処するための、形式的なものに過ぎませんでした。そんな状況下にあって、ジムは
「スパイであっても、人権の保障された1人の人間だ。」
という主張を貫き、裁判で全面的に争う姿勢を変えません。ジム側は、アベルが逮捕された際に、家宅捜索令状が発行されていなかったことを根拠に、
「違法収集された証拠は無効だ。」
として無罪を訴えますが、結局有罪判決は覆りませんでした。


 それでも諦めないジムは、刑の確定前に判事と接触すると、
「今後、アメリカのスパイがソ連に捕まった際、交換させることが出来る。」
として、極刑の回避を嘆願するのでした。その結果、アベルに下された判決は、死刑ではなく禁固刑。その後、アベルの裁判は最高裁までもつれましたが、結果は変わりませんでした。一方同じ頃、CIAから極秘任務を受けた米軍のパイロット達が、ソ連の軍事施設を偵察するべく、最新鋭の偵察機に乗る準備を進めていました。その中には、やがて物語の鍵を握ることとなるパイロット、ゲイリー・パワーズ(オースティン・ストウェル)の姿もありました・・・。


 たとえ国中から避難の的になり、時に危険な目に遭いながらも、それでも自身が信じる正義のために戦い続ける主人公の姿は、まさに〝不屈の男”です。そんな彼の精神によって、一見不可能にも思える〝スパイの弁護”と〝スパイの交換”という功績がなされたというのは、感動と共に驚きを覚えます。


 欲を言えば、本作の重要なキーワードとなっている〝スパイ同士の交換”のお話が出てくるのは、いわば映画の後半部分。前半はアベルの裁判のお話がメインなので、観る人によってはやや退屈かも知れません。上映時間も割と長めです。


 1人の心優しい人間によって紡がれた感動のドラマを、是非劇場でご覧になってみて下さい。



【ワンチャン・ポイント】
※今回はお休みです。


オススメジャンル&オススメ度・・・<感動したい>