完全なるチェックメイト | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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理解はしがたい?天才すぎるがゆえの、苦悩と葛藤。


2015年12月25日公開
監督:エドワード・ズウィック
出演:トビー・マグワイア
リーブ・シュレイバー 他


【賛否両論チェック】
賛:孤高な戦いを続けるうちに、次第に精神が崩壊していく主人公の姿が印象的。そんな彼を支える協力者達の葛藤にも、深く考えさせられる。チェスをあまり知らなくても楽しめるよう、作られているのも嬉しい。
否:主人公の人柄は、かなり好き嫌いが分かれそう。どうしても同じようなシーンが続くので、退屈で眠くなるかも。


ラブシーン・・・少しあり
グロシーン・・・なし
アクションシーン・・・なし
怖シーン・・・雰囲気は少しだけ怖いかも



 冷戦下、チェスの世界大会でソ連の世界王者に挑んだ、若き天才の姿を描いた実話です。主演はトビー・マグワイア。


 物語の始まりは、1951年のニューヨーク。共産党員でユダヤ人のシングルマザーに育てられた少年、ボビー・フィッシャーは、常に当局の監視対象になっており、窮屈な毎日を送っていました。そんな彼の唯一の特技は、独学で覚えたチェスでした。あまりにもチェスに熱中しすぎるボビーに対し、母親と姉・ジョーンはチェスを諦めさせるために、街でチェスを教えているカーマインの下を訪れます。2人の対決は、当然のようにカーマインが勝ちますが、これで負けず嫌いのボビーの闘争心に火が点いてしまい、彼は今まで以上にチェスにのめり込んでいきます。そして、その才能に可能性を感じたカーマインも、ボビーを鍛えていくのでした。


 しかし母親は自堕落な毎日を送り続けており、家には母の恋人が入り浸っていました。人一倍感覚が鋭いボビーは、2人の喧騒がうるさくてチェスの勉強に集中出来ず、フラストレーションがたまるばかり。とうとうある日の夜、我慢が出来なくなった彼は、
「僕はチェスで成功する。その邪魔をするな。出ていってくれ!!」
と激怒してしまうのでした。その後ボビーは、家を出てチェス協会の建物で寝泊まりをするようになり、学校へも行かずにチェスに明け暮れるようになります。するとそこへ、ジョーンがやって来ると、
「お母さんは家を出て、カリフォルニアに行った。どうか家に戻って、ベッドで寝てほしい。」
と告げるのでした。


 こうして家族とも疎遠になってしまったボビーでしたが、その後も彼はメキメキと頭角を現していき、最年少で大会で優勝し、グランドマスターの称号も手に入れます。やがて成長したボビー(トビー・マグワイア)は、初めての世界大会に挑みますが、感性の鋭い彼は、ソ連の選手達が結託し、わざと引き分けてポイントを稼ぐことで、彼を勝たせないようにしていることに気がつきます。そんなソ連の姿勢に対し、主催者側も見てみぬふり。これに激怒したボビーは、集まっていたマスコミを前に、自身の棄権と引退を宣言し、表舞台から姿を消してしまうのでしたが・・・。


 その天才すぎる頭脳がゆえに、戦いの中で次第に精神を蝕まれていく主人公の苦悩や、そんな主人公に翻弄され続けながらも、その才能に賭け続ける協力者達の葛藤に、心を揺さぶられるようです。チェスの試合の1つ1つが異様な緊張感に包まれる中、主人公がふと見せる鬼気迫る表情に、圧倒されます。


 とはいえ主人公の人柄は、悪く言えば狂気に満ちた、ただのワガママとも取れます。その突拍子もない言動にも、観る側の好き嫌いはハッキリと分かれそうな気がします(笑)。


 勿論チェスを知っていれば楽しめるかとは思いますが、最悪よく知らなくても理解は出来るように作られている作品ですので、気になった方は是非チェックしてみて下さい。



【ワンチャン・ポイント】
※今回はお休みです。


オススメジャンル&オススメ度・・・<深く考えたい>D


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