サヨナラの代わりに | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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涙なしでは観られないラスト。境遇を超えた心の交流。


2015年11月7日公開
監督:ジョージ・C・ウルフ
出演:ヒラリー・スワンク
エミー・ロッサム 他


【賛否両論チェック】
賛:難病で引け目を感じてきた主人公と、自己破滅的だった女子大生との、立場を超えた心の交流が、微笑ましくもあり切なくもある。やがて迫りくる命の起源に葛藤する姿も、涙を誘う。
否:ケイトの性格やベックの言動等、人によっては快く思わない向きもありそう。ラブシーンも結構あり。


ラブシーン・・・あり
グロシーン・・・基本的にはなし
アクションシーン・・・なし
怖シーン・・・なし



  難病に苦しむ女性と、自分を見失った女子大生との、心の交流を描いた作品です。


 主人公のケイト(ヒラリー・スワンク)は、35歳の誕生日を迎えたばかり。愛する夫・エヴァン(ジョシュ・デュアメル)と、仕事や友人にも恵まれ、幸せな毎日を送っていました。ある日のこと、ケイトの自宅で開かれていた誕生日パーティーの席で、昔弾いていたピアノの演奏を披露することになったケイト。多少ミスをしながらも見事に弾き終えるケイトでしたが、その直後、彼女は右手を襲う震えに違和感を覚えるのでした。


 1年半後、難病のALS(筋萎縮性側索硬化症)と診断されていたケイトは、車椅子での生活になっていました。彼女のために、エヴァンは優秀な介護士を雇っていましたが、自分を患者としてしか見てくれないその介護士を、ケイトは勝手にクビにしてしまい、新しい介護士の面接まで決めてしまっているのでした。面接に遅れてやってきたのは、大学の求職サイトを見て応募してきたというベック(エミー・ロッサム)。大学ではやりたいことも見つからず、歌手という夢も挫折気味で、お酒と男で気を紛らすような、自堕落な生活を送っていたベック。当然ながら料理や介護の知識は皆無で、エヴァンは彼女を帰らせようとします。しかしケイトは、自分の病気の話に興味を持ち、話を聞こうとしてくれるベックに親近感を抱き、エヴァンの反対を押し切って、採用を決めるのでした。


 こうしてベックの新しい仕事が始まりますが、家事すらまともにやったことのないベックにとって、ケイトの介護はハプニングの連続。料理を作ればミキサーを爆発させてしまい、ケイトのトイレを手伝えば、一緒に転んでしまう始末。それでも怒らないケイトに対し、ベックはかえって不満を募らせてしまいます。そんな折、帰りの遅いエヴァンを不審に思ったケイトは、ベックに頼んで彼のタブレットを開きます。そこには、ケイトが見られないと思って油断していたのか、同僚の女性との浮気を裏づけるメールがありました。ショックを隠し切れないケイトは、ベックが帰った後で、こっそり家を抜け出そうとしますが、階段で転落し、トイレの粗相もしてしまいます。その頃、ベックはルームメイトとクラブで飲み明かしていましたが、ケイトから白紙のメールが来たことを心配し、ケイトの家へと舞い戻ります。そこで、動けなくなっていたケイトを介抱し、一緒にシャワーを浴びたベックは、彼女から
「夫が帰ってくる前に、家を出たい。」
と頼まれます。かくして、2人は家出を敢行。この頃から2人の間には、確かな友情が芽生えつつあるのでした・・・。


 片や、悪くなるばかりの難病に苦しみ、夫や周りに引け目を感じながら生き続けるケイト。片や、自分を見失って、流されるがままの人生を送っているベック。状況こそ全く正反対な2人が、お互いの辛さを知っていくうちに、少しずつ意気投合していく様子がとってもステキです。半身不随の大富豪と黒人ヘルパ―の姿を描いた「最強のふたり」よりも、女性らしい細やかさや感情の豊かさが印象に残ります。


 その一方で、逃れられないケイトの〝最期の瞬間”が現実味を帯びてきて、お互いを大切に思っているが故に、時として相手を傷つけ、遠ざけてしまう姿も、非常に切なく映ります。ラストのシーンなんかは、涙なしでは観られないくらいです。


 生きることの大変さと同時に、尊さをも感じさせてくれる、そんな作品です。 



【ワンチャン・ポイント】
※フランシス・フィッシャー・・・本作では、ケイトと疎遠になっていた母・グヴェン役。最近の映画では、「チョコレートドーナツ」での判事役や「ザ・ホスト 美しき侵略者」での主人公の母親役等があります。最新作ではヘレン・ミレン主演の「黄金のアデーレ 名画の帰還」にも出ていらっしゃるそうですね。


オススメジャンル&オススメ度・・・<泣きたい>


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