劇場霊 | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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〝女優”の持つ本当の恐ろしさ。直球だが緊迫感のあるホラー。


2015年11月21日公開
監督:中田秀夫
出演:島崎遥香・足立梨花・高田里穂 他


【賛否両論チェック】
賛:舞台上で交錯する女優達の愛憎劇が、人形の怨念と相まって、緊迫感たっぷりに描かれる。劇中劇と人形の生い立ちが重なる様子も印象的。
否:割と強引でご都合主義な展開が続くので、ツッコミ始めてしまうと全く楽しめない。


ラブシーン・・・基本的にはなし
グロシーン・・・殺害シーン多数あり
アクションシーン・・・基本的にはなし
怖シーン・・・急に驚かせるシーンがあり



 中田秀夫監督最新作。とある人形にまつわる戦慄のホラーです。主演はAKB48の島崎遥香さん。


 全ての始まりは、20年前にさかのぼります。とある人形作家・児島の家で、豪雨の夜に2人の娘が死んでいました。その傍らにたたずむ、1体の人形。駆けつけた児島(中村育二)は、
「どうしてこんなことを!?」
とうわ言のように叫びながら、工具を振り上げ、人形の体を破壊していき、とうとう首を切り落としてしまいます。その後、人形に灯油をかけ、火を点けようとしていたところへ、警察が到着。児島は逮捕されたのでした。


 そして時は流れ、現在。女優の卵である主人公・水樹沙羅(島崎遥香)は、ドラマの撮影に臨んでいました。とはいっても、彼女は殺された死体役。今の事務所に入って5年が経とうとしていましたが、なかなか日の目を見ずにいました。事務所の社長に、
「私は芝居がしたいんです!!」
と直談判をしても、逆にお説教をされる始末。そんな彼女は社長に勧められ、今度行われる舞台「鮮血の呼び声」のオーディションを受けることになります。オーディションには、同じ事務所の有望株・篠原葵(高田里穂)も参加しており、2人は無事に合格。沙羅は葵と共に、晴れて舞台の稽古に加わることになるのでした。主演は当然のように葵に決まりますが、ところが葵はセリフを覚えるのが大の苦手。ある時、セリフを忘れてしまった葵に、舞台上でそっと次のセリフを囁いた沙羅。これを見た演出家の錦野豪太(小市慢太郎)は、芝居を止め、
「今度トチったら、彼女に教えてもらいなさい。」
と、葵に嫌味を言うのでした。この日から、葵は沙羅に憎悪を抱くようになり、楽屋でも激しく当たり散らします。一方で沙羅は、そんな葵が錦野と親しげに車に乗り込むのを目撃。どうやら葵は、錦野と深い仲になっているようだと悟るのでした。


 時を同じくして、舞台用に作られた人形がありました。その頭部は、美術スタッフのエリコが、とある倉庫に置かれた膨大な人形の中から、見つけてきたものでした。しかしそのエリコは、次第に倉庫でぼんやりと人形を見つめることが多くなり、周りのスタッフは心配します。そんなある夜、1人残って作業をしていたエリコ。一段落し、いつの間にか寝てしまっていた彼女が、ふと物音に目を覚ますと、その背後にはあの人形の姿が。翌朝、エリコは遺体となって発見されるのでした。彼女の死因は“ろう死”。死体が腐敗しない特殊な環境でしか起こり得ないその状況に、刑事達は首をかしげるばかりでした。


 死者は出ましたが、舞台に情熱を燃やす錦野は、その後も強引に稽古を継続。葵の沙羅への嫌悪も、日に日に高まっていきます。そんなある時、葵は稽古の真っ最中、人形の瞳が動き、自分を睨んでいるのを見てしまいます。その日の稽古の直後、楽屋に1人でいた葵は、突如例の人形に襲われます。必死に逃げる葵でしたが、屋上へと追い詰められ、とうとう転落してしまい、意識不明の重体になってしまいます。やむなく錦野は、セリフを全て覚えていた沙羅に、主役を託します。しかしその日から、沙羅にも人形の奇妙な変化が、次第に感じられるようになっていくのでした・・・。


 強い怨念の籠った人形が、劇中劇よろしく女優達の魂を蝕んでいく様子が、スリリングなストーリーと共に描かれていきます。それに加えて、女優達の主演の座を巡る激しい愛憎が交錯していく様も如実に描かれていて、人間の持つ醜さや浅ましさが、垣間見られます。


 まあただ、どうしてもツッコミどころが多いのは、仕方のないところでもあります。あまり言うとネタバレになってしまいますが、
「大の大人が沢山いて、刑事もいるのに・・・?」
なんて思ってしまった日には、すっかり興ざめしてしまうかも知れません(笑)。


 何はともあれ、そこまでのグロい描写もありませんので、怖いもの見たさでご覧になってみるのも、アリかと思います。



【ワンチャン・ポイント】
※劇場のエントランスのシーン・・・本作の舞台となる劇場。そのエントランスの部分は、恐らく山田裕貴さん主演の、理不尽なゲームに巻き込まれる主人公達を描いた「ライヴ」で、集合場所として登場したホールと同じところかと。吹き抜けのオシャレな階段が印象的です。


※高田里穂さん・・・本作では、人気女優でありながら、主人公を妬み煙たがる葵役。「仮面ライダーオーズ」のヒロイン役で有名な方で、最近の映画では「俺物語!!」で、主人公が中学時代に片想いをしていた加賀美役で出演されています。2016年春には、峯岸みなみさん主演のサスペンス「女子高」にも出演されるそうなので、そちらも要注目です。


オススメジャンル&オススメ度・・・<ハラハラしたい>


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