ラスト・ナイツ | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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日本人好みの勧善懲悪作。ぜい肉の一切ない復讐劇。


2015年11月14日公開
監督:紀里谷和明
出演:クライヴ・オーウェン
モーガン・フリーマン 他


【賛否両論チェック】
賛:非業の死を遂げた主君の仇を討つべく、辛抱を重ねる主人公の姿が切なく、胸を締め付けられるよう。その分、いざ復讐の時が来て、蜂起した時の痛快さも非常に大きい。無駄なシーンがなく、飽きずに観られるのも嬉しい。
否:展開は分かりきっているので、目新しさはあまりない。グロシーンもあり。


ラブシーン・・・ほんの少しだけあり
グロシーン・・・殺害シーン多数あり
アクションシーン・・・メッチャあり
怖シーン・・・雰囲気は少し怖いかも



 紀里谷和明監督最新作です。あの「忠臣蔵」をモチーフに、舞台を中世に移し、主君の仇を討とうとする騎士達の姿を描きます。


 時代は中世。永い戦乱の世の中で、最強と謳われた猛者達がいました。それこそが、バルトーク卿(モーガン・フリーマン)の下、ライデン隊長(クライヴ・オーウェン)率いる騎士団でした。そんなバルトークが治める領地へ、皇帝から使者がやってきます。その内容は、
「都へ出向き、新しい法とその職責について検討せよ。」
というもの。しかしそんなことは既に形骸化しており、つまりは大臣であるギザ・モット(アクセル・ヘニー)に謁見し、賄賂を渡せとの要求でした。これに対し、上京することは了承したバルトークでしたが、古くからの騎士道精神を大切にする彼は、使者が帰ると、すぐに書状を投げ捨ててしまいます。そんなバルトークに対し、ライデンはその進退を心配するのでした。


 都への出発を翌日に控えた夜、バルトークはライデンを、代々の当主が眠る墓所へと連れていきます。実はライデンは騎士の生まれではなく、元々は貧しい孤児で、若い時分は酒に溺れ、すさんだ生活を送っていました。そんな彼を見込んだバルトークは、周囲の反対を押し切ってライデンを一族に迎え入れたのでした。それ以来、ライデンは長年に渡ってバルトークに仕え、2人の間には主従関係以上の絆がありました。男子の世継ぎがいないバルトークは、そんなライデンに対し、自身の刀を渡すと、
「バルトーク家を守っていってくれ。」
と託すのでした。


 その後、ライデン達と共に上京したバルトークは、早速ギザ・モットに謁見します。しかし、手土産は1枚の衣しかなく、箱の中にも賄賂はありません。軽く見られたと感じたギザ・モットは激怒し、バルトークを地下の宝物庫へと案内します。ギザ・モットとしては、金銀財宝を見せつけるつもりでしたが、逆にバルトークに、
「賄賂の要求をやめるように。」
と諭されることとなり、ギザ・モットはさらに激昂してしまいます。
「この世から、“バルトーク”の名前の付くものを全て灰にする。」
と怒り狂うギザ・モット。偶然持病の発作が起き、苦しみ始めたバルトークを、ギザ・モットは杖で激しく殴ります。バルトークは、とっさに近くにあった剣を向けてしまい、ギザ・モットは負傷。バルトークはすぐに取り押さえられてしまうのでした。


 バルトークは、皇帝自らが審理を行う裁判にかけられることになりますが、その裁判の場でも、あくまでも騎士道精神を貫こうとするバルトークは、
「私が犯した1番の罪は、今までチャンスがあったのに、ギザ・モットを殺さなかったことだ。」
と述べ、皇帝の怒りをも買ってしまいます。判決は当然のように死刑となりますが、ギザ・モットの入れ知恵もあり、なんとその方法は、
「ライデン隊長の剣による斬首。」
という残酷なものに。怒りに震え、
「自分も一緒に死なせてほしい。」
と懇願するライデンでしたが、そんな彼をバルトークは穏やかに諌め、
「このことを悔やんではならない。バルトーク家を守れ。」
と命じ、最も敬愛するライデンの手で処刑されてしまうのでした・・・。


 正しい考えを貫こうとしたがために、非業の死を遂げてしまった主君の仇を討つべく、立ち上がる主人公達。・・・という、コンセプトはまさに忠臣蔵そのもの。判官贔屓な日本人の好みには、とっても合いそうです(笑)。


 敵の目を欺くために、わざと落ちぶれて飲んだくれになったように見せかけ続け、世間からの冷ややかな視線にも耐え続けた主人公の哀しみや悔しさが、クライヴ・オーウェンの演技を通して痛切に伝わってきます。そしてその辛抱が結実し、遂に立ち上がった彼らが、敵の警備を鮮やかにくぐり抜け、それまでのうっ憤を晴らすかのように、命を賭して斬りかかっていく姿は、まさに痛快そのものです。


 また、思わず集中力が切れてしまうような蛇足的なシーンもなく、ストーリーが全くブレずに、コンパクトかつスッキリとまとまっているのも、とっても観やすくてイイと思います。


 グロいシーンも少しだけありますが、〝人の絆の強さ”を改めて見せつけられる、そんな感動作に仕上がっています。



【ワンチャン・ポイント】
※伊原剛志さん・・・本作では、ギザ・モットの側近でありながら、騎士道の精神も持ち合わせる男・伊藤役。映画作品では、「あぶない刑事リターンズ」でのテロリスト役や、「なくもんか」での父親役、「愛と誠」での敵役や、「超高速!参勤交代」での忍び役、「ストレイヤーズ・クロニクル」での研究者役等が有名なところ。他にも「硫黄島からの手紙」「十三人の刺客」「BRAVE HEARTS 海猿」「相棒Ⅲ」等にも出演されていて、日本映画にも欠かせない役者さんと言えそうです。


オススメジャンル&オススメ度・・・<ハラハラしたい>


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