シネマの天使 | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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映画好きには共感必至。一時代を築いた映画館の悲哀。


2015年11月7日公開
監督:時川英之
出演:藤原令子・本郷奏多 他


【賛否両論チェック】
賛:“映画館”の存在意義と、“映画”が観た人の人生までをも変えていく素晴らしさが、温かい人間ドラマと共に描かれていく。
否:展開そのものはかなり単調で、夢のシーン等、よく分からない描写もある。内容的にも、単館系映画館がなくなることへの批判ともとれなくもない。


ラブシーン・・・なし
グロシーン・・・なし
アクションシーン・・・なし
怖シーン・・・老人のシーンは結構怖いかも



 実際に閉館した単館系映画館を舞台に、閉館前後に撮影された作品です。主演は藤原令子さんと本郷奏多さん。


 物語の舞台は、8月31日で閉館が決まった広島の映画館・大黒座。そこで働く明日香(藤原令子)は、まだ働き始めて日も浅く、系列の他の映画館への転属が決まっていることもあり、閉館に対してもそれほど思うところはありませんでした。一方、そんな令子の幼馴染みで、近くの商店街の店でバーテンダーをしているアキラ(本郷奏多)は、幼い頃大黒座で観た映画に触発され、
「いつか自分の映画を作って、大黒座で上映してもらう。」
と夢を語っていたこともあり、大黒座がなくなることを残念がっていました。


 大黒座の閉館には、社員も複雑な心境を隠せません。支配人の藤本(石田えり)は、祖父の代から受け継いできた映画館をたたむことに心を痛め、小さい頃から大黒座に憧れを抱いて勤めるようになった竹井(末武太)は、最後まで閉館に反対していました。そして映写技師の大久保(阿藤快)は、
「丁度定年だから、映写室の暗がりから出て、世界旅行でもするよ。」
と、うそぶいているのでした。そんな大黒座でしたが、様々な事情から閉館は避けられず、刻一刻とその時は近づいていました。


 ある日のこと、大黒座の取材に来たテレビ局の新見(安井順平)達に、館内を案内していた明日香。休憩中に、122年の歴史を持つ大黒座の写真を観ていた新見は、奇妙なことに気がつきます。年代が異なるはずのどの写真にも、白い帽子を被った同じ老人が写り込んでいるのでした。怖がりな明日香に対し、新見は
「大黒座に棲みつく幽霊じゃない?」
と驚かせます。そしてその日の夜、恐る恐る場内を巡回していた明日香は、とうとうその怪しげな老人(ミッキー・カーチス)に遭遇してしまうのでした。しかし老人いわく、彼は“映画館に棲む天使”とのことでした・・・。


 自宅や携帯電話で簡単に映画が観られる現代にあって、“映画館”というものが人々に与える影響とその存在意義が、なくなる映画館に関わる人々を通して、切なくも温かく描かれていきます。やはり実際に閉館する映画館で撮影されただけあって、その説得力は計り知れないものがあります。エンディングにも要注目です。


 そして、再び映画監督を目指すことになるアキラを始め、映画が観た人の人生までをも変えてしまう力を持っていることを、改めて感じさせてくれます。


 ただ、ストーリーとしてはやや単調というか、映画好きではないとなかなか共感しにくい内容であることもまた事実。夢のシーンなんかは、正直よく分からなかったりします(笑)。


 どちらかといえば、幼い頃に映画をよく観た方なんかが観ると、懐かしくて感動出来そうな作品です。



【ワンチャン・ポイント】
※藤原令子さん・・・本作の主演です。まさに新進気鋭の女優さんで、「内村さまぁ~ず THE MOVIE エンジェル」でのヒロイン役や、幕末の彰義隊の悲劇を描いた「合葬」での芸者役なんかが有名なところです。


オススメジャンル&オススメ度・・・<深く考えたい>


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