先生と迷い猫 | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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主役は人。猫が繋いだ人々の優しさ。


2015年10月10日公開
監督:深川栄洋
出演:イッセー尾形・染谷将太・北乃きい 他


【賛否両論チェック】
賛:偏屈で頑固者だった主人公が、猫探しを通して、少しずつ人との絆を再構築していく様子に、心温められる。案外豪華なキャストにも驚かされる。
否:展開は極めて静かに進むので、感情移入出来ないと眠くなりそう。終わり方も結構唐突で、賛否両論があるか。


ラブシーン・・・なし
グロシーン・・・基本的にはなし
アクションシーン・・・基本的にはなし
怖シーン・・・なし



 頑固で偏屈な元校長先生が、亡き妻が可愛がっていた猫を探すために奔走します。主演はイッセー尾形さん。


 主人公の森衣(イッセー尾形)は、元校長先生。仕事を退職し、妻(もたいまさこ)にも先立たれた森衣は、近所でも偏屈で有名で、どちらかというと敬遠される人物でした。最近の彼の専らの悩みは、死んだ妻が可愛がっていた野良猫の“ミイ”が、毎日勝手に家に入ってくること。ミイはいつも決まった時間にやってきては、妻の仏壇の前の座布団に、ちょこんと座っているのでした。しかし、ミイを見ると妻のことを思い出してしまう森衣は、ミイをついつい邪険に扱ってしまうのでした。


 そんなミイでしたが、実は毎日顔を出しているのは、森衣家だけではありません。森衣の妻が通っていた美容院では、女主人の井上(岸本加世子)に“タマコ”と可愛がられ、クリーニング屋の松川(北乃きい)には“ソラ”としてエサをもらい、いじめられっ子の中学生・さぎりには、学校帰りのバス停で、“ちひろ”と呼ばれているのでした。


 一方の森衣はというと、最近はろくに会話をしてくれる相手もおらず、彼が昔撮った写真を見にやってくる、市役所の祥吾(染谷将太)だけが、唯一の話し相手でした。そんな塞ぎ込んだ毎日の中で、いつものようにやってくるミイに、とうとうしびれを切らした森衣は、出入り口を完全に塞ぎ、追い返してしまいます。するとその日を境に、ミイは街のどこにも、すっかり姿を現さなくなってしまうのでした。折しも世間では、段ボール箱に入れられた猫の死骸が見つかるという物騒な事件が起きており、森衣も先日、河原で傷つけられた猫を見つけ、動物病院へ運んだばかり。心なしか心配になる森衣でしたが、そんな彼は井上の美容院の前に、ミイにそっくりな“タマコ”を探すチラシが貼ってあるのを見つけるのでした・・・。


 それまでろくに他人と関わることもせず、ただただふんぞり返っているだけだった元校長先生が、“亡き妻の愛猫の失踪”という事態に面食らい、自然と猫探しを始めるまでの過程が、ぎこちなくも微笑ましく描かれていきます。そして、そんな猫探しがきっかけとなり、それまで疎遠だった街の人々とも、叱られながらも少しずつ関係を築いていく様子も、なんだかとても温かいです。


 その反面、展開はかなり淡々としているので、よほど猫が好きな方や、物語に感情移入出来る方でないと、かなり退屈してしまうと思います。


 どちらかというと、ゆったりと落ち着いた雰囲気の中で、自分の半生や大切なものを見つめ直したい時に、オススメな作品です。



【ワンチャン・ポイント】
※ペタンク・・・本作では、近所の老人達が集まって楽しんでいるシーンが登場します。フランス発の競技だそうで、金属製の玉を投げ合って、目標までの距離を競うというものです。最近の映画では、あの木村拓哉さん主演の「HERO」で、大使館の職員と仲良くなるために、主人公達がペタンクをするシーンが登場しています。


オススメジャンル&オススメ度・・・<深く考えたい>D


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