無頼漢 渇いた罪 | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

<ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

観たい映画に迷った時は、このムービーナビをご活用下さい。現在公開中の映画の中から、目的や好みに合わせた映画を探せます。

※「声に出して読みたい映画のセリフ in 2019」 「映画の通信簿 2019」Amazonにて発売中!!

感情移入はなかなかしにくい。歪曲した愛憎の行く末。


2015年10月3日公開
監督:オ・スンウク
出演:チョン・ドヨン
キム・ナムギル
パク・ソンウン 他


【賛否両論チェック】
賛:情愛を逆手にとって潜り込んでいく刑事と、愛に身を滅ぼしていく女の生き様が、悲劇的に描かれていく。
否:結局のところ、伝えたいことはよく分からないので、感情移入出来ないと退屈すること必至。ラブシーンも意外とあり。


ラブシーン・・・結構あり
グロシーン・・・殺害シーン等あり
アクションシーン・・・あり
怖シーン・・・急に驚かせるシーンがあり



 韓国映画。粗暴な刑事が、殺人事件の容疑者の恋人に近づいていく情愛サスペンスです。


 主人公のチョン・ジェゴン(チョン・ドヨン)は、ガラの悪い一匹狼の刑事。不法侵入や脅迫は日常茶飯事で、いつも単独で動くならず者でした。そんなチョンのいる町で、殺人事件が起こります。目撃情報等から、容疑者はすぐに浮上。町のゴロツキとして名を馳せていた、パク・ジュンギルでした。ジュンギルにはキム・ヘギョン(キム・ナムギル)という恋人がいたため、刑事達は早速彼女の監視を始めます。ジェゴンはというと、ジュンギルがかつて勤めていた「ジェイ投資会社」の役員・ミンに接触を図り、車と屋敷の門との間にミンを挟んで聞き出すという強引なやり方で、ジュンギルの行方を掴もうとするのでした。


 そんなジェゴンの下に、彼の元上司で、今は裏社会に身を置く〝ボス”がやってきます。ボスによると、「ジェイ投資会社」の専務が、ジュンギルの一件をひどく気にしているとのことで、彼はジェゴンに
「逮捕する時に、足に一発銃弾を撃ち込んで、二度と歩けないようにしてほしい。」
と依頼。その謝礼として、金をジェゴンの元妻の口座に振り込むと告げ、立ち去っていくのでした。その後、ジェゴンは単独でヘギョンの監視を始めますが、その最中、電話で元妻に確認をしたジェゴンは、謝礼の額が異常に少なかったことに、軽く見られたと激高。ミンの事務所にも文句を言いに行きますが、上手く丸め込まれてしまうのでした。その後しばらく経ったある日、遂にヘギョンの下に、ジュンギルが姿を現します。2人が寝静まった後、室内に侵入したジェゴンでしたが、ヘギョンに気を使い、ジュンギルに拳銃を突きつけ、窓から飛び降りるよう強制するのでした。しかし、ジュンギルもさるもの。すぐに駆けつけたジェゴンとの格闘の末、彼の拳銃を奪うと、悠々と姿をくらましてしまうのでした。


 一方のヘギョンは、街の小さなバー「マカオ」で、ママをしている女性でした。そこでジェゴンは、〝ジュンギルと刑務所で同房だったイ・ヨンジュン”と名乗り、彼女に近づきます。しかしヘギョンは、
「ジュンギルと兄弟に契りを交わした。」
というジェゴンの嘘を、すぐに見破ります。その後も、次から次へと出てくるジェゴンの嘘を、ヘギョンは全て見破ってしまうのでした。その後もヘギョンは、つきまとうジェゴンを軽くあしらい続けますが、一方でその能力を買ったヘギョンは、ジェゴンをクラブの新しい営業部長として迎え入れます。取り立ての仕事等を共にしていくうちに、やがて2人は親密な仲になっていくのでしたが・・・。


 身分を偽った刑事と容疑者の恋人という、決して相容れない2人の歪んだ恋路が、時にスリリングに、時に穏やかに描かれていきます。そして、そんな2人がその愛ゆえに身を滅ぼしていく様子も悲劇的で、印象に残ります。


 ただ、どうしても同じようなシーンがずっと続いていくので、感情移入出来ないとすごく退屈しそうです。伝えたいこともイマイチよく分からないので、その辺りは好き嫌いがはっきり出そうな作品でもあります。


 韓国ドラマのドロドロした感じが好きな方には、意外と向きそうな作品です(笑)。



【ワンチャン・ポイント】
※今回はお休みです。


オススメジャンル&オススメ度・・・<深く考えたい>


「映画の通信簿2014」発売しました!!
Amazon限定販売ですので、「映画の通信簿2014」で検索下さい♪