図書館戦争 THE LAST MISSION | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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平和な時代の悲劇。本当の〝自由”を守る戦いを描く、異色の〝戦争映画”。


2015年10月10日公開
監督:佐藤信介
出演:岡田准一・榮倉奈々・田中圭・福士蒼汰 他


【賛否両論チェック】
賛:自分達の存在意義に悩み苦しみながらも、本当の〝自由”を守るために戦い続ける主人公達が、切なくも勇ましくて、感動を誘う。前作よりもスケールアップされた、緊迫感のあるアクションシーンも圧巻。
否:ちょいちょい入る恋愛絡みのシーンが、どうしても違和感がある。予備知識もあった方がイイ。


ラブシーン・・・ほんの少しだけあり
グロシーン・・・殺害シーン多数あり
アクションシーン・・・メッチャあり
怖シーン・・・戦闘シーンは、小さい子には怖いかも



 人気小説の実写映画化・第2弾です。本を読む自由を守る「図書隊」の活躍を描きます。主演は岡田准一さん&榮倉奈々さん。


 物語の舞台は、表現の自由が規制された世界。「国民を野放しの言葉の暴力から守る」という大義名分の下で施行された「メディア良化法」によって、国による検閲が合法化され、規制対象とされた本は、〝メディア良化隊”によって没収・焼却されるようになっていました。この事態に真っ向から反旗を翻したのが、他ならぬ図書館でした。各地方自治体が管理する図書館は、「図書館法」に基づいて、自衛組織「図書隊」を設立。時に武力行使をも辞さない良化隊に対し、専守防衛を信条に徹底抗戦を続けていました。本作の主人公・堂上篤(岡田准一)は、その最前線で戦う特殊部隊〝ライブラリー・タスクフォース”の二等図書正として、日夜命懸けの任務に就いており、その部下の笠原郁(榮倉奈々)はそんな堂上に、密かに想いを寄せつづけているのでした。そんな折、文部科学省で「未来企画」という団体を主催している男・手塚慧(松坂桃李)が、不穏な動きを見せ始めます。


 ある夜、1人で残業をしていた笠原は、同僚の野村から、
「段ボール箱を運ぶ作業を手伝ってほしい。」
と頼まれます。軽い気持ちでこれを手伝った笠原でしたが、実はこれが罠でした。段ボール箱の中身は、図書隊を批判する書籍で、野村はそれらを焼いた後、マスコミに自らリークし、行方をくらましてしまいます。マスコミは、
「本を検閲から守るはずの図書隊が、自分達に都合の悪い本を焼いた。」
と大騒ぎ。当然ながら、笠原は共犯と疑われ、査問委員会にかけられてしまいます。必死に無実を訴える笠原でしたが、上司でもある堂上を批判され、思わず取り乱してしまうのでした。結果、査問委員会は継続することに。憤る笠原でしたが、そこへ手塚が接触を図ってきます。手塚は笠原に、図書隊と良化隊との争いを終わらせる方法として、バックに法務省がいる良化隊に対抗するために、図書隊を文科省の傘下に入れる協力を提案します。その条件は、「図書隊が武装解除をすること」。しかし笠原は、
「体制が整うまでの間に、多くの本が焼かれてしまう。」
とこれに反対。するとそこへ、笠原を探しに来た堂上が到着し、手塚とにらみ合いになるのでした。実は手塚慧は、ライブラリー・タスクフォースにいる手塚光(福士蒼汰)の実の兄。手塚は、笠原の一件で光を失望させ、図書隊から脱退するように画策していたのでした。しかし、結果は失敗。野村に供述を取り下げさせた手塚は、次の手を練り始めます。


 しばらく経ったある日、ライブラリー・タスクフォースに、新たな指令が下ります。それは、水戸市で開かれる芸術祭の警備。そこでは、良化委員会が規制対象としている書籍のほか、図書隊設立の原点ともなった書籍「図書館法規要覧」も展示されるとのことで、堂上達精鋭部隊に警備の任務が与えられたのでした。何事もなく終わるはずの容易な任務のはずでしたが、実はこの警備の裏には、手塚の恐ろしい計画が仕組まれているのでした・・・。


 この物語の世界は、一見私達の世界と変わらないものに見えます。図書隊と良化隊との戦いも、「発砲は図書館の敷地内に限る」と定められていたり、交戦の開始時間と終了時間が予め通達されていたり等、『戦争ごっこ』と揶揄する向きもあると思います。しかしその裏側では、一般市民の無関心をいいことに、着実に人々の〝自由”が蝕まれている、考えてみると恐ろしい世界です。そんな中で、本当の意味での〝自由”を必至で守り抜こうと戦い続ける図書隊員達の姿が、非常に切なく描かれていきます。劇中でも、笠原が
「自分達の存在は無意味なのか?」
と自問自答するシーンや、手塚が
「自由を命懸けで守る。馬鹿馬鹿しいと思いませんか?」
と問いかけるシーン、そして石坂浩二さん演じる仁科司令が、
「この世界は、まだ守るに値する。この身を懸けてでも。」
と訴えるシーンなんかが、とても印象に残ります。


 アクションシーンも、前作以上に壮絶なものになっていますので、自由を守る緊迫感が、ひしひしと伝わってきます。さすがは岡田准一と思ってしまう、圧巻の格闘シーンも必見です(笑)。


 唯一の難点といえば、やはり要所要所で出てくる、恋愛絡みのシーンでしょうか(笑)。勿論そういった要素も、見どころの1つといえば1つではありますが、緊迫した世界観の中では、どうしても違和感は否めません。


 とはいえ、大人から子供まで楽しめる作品であることは確かです。今の私達の〝自由”な日常に思いを馳せながら、是非ご覧になってみて下さい。


 余談ですが、本作でも図書隊の根拠となっている「図書館の自由に関する宣言」。実はこれ、本当にあるものなんですね。調べてみると、「図書館の自由が侵されるとき、われわれは団結して、あくまで自由を守る。」といった、まさに図書隊そのもののような、勇ましい文章が書かれています。興味のある方は、是非調べてみてはいかがでしょうか。



【ワンチャン・ポイント】
※松坂桃李さんのセリフ・・・本作中、松坂桃李さん演じる手塚慧が、榮倉奈々さん演じる笠原に、「君達では、世界を変えることは出来ない。」と言い放つシーンがあります。松坂さんとこのセリフといえば、やはり向井理さん主演の「僕たちは世界を変えることができない。」でしょう。ごく普通の大学生達が、カンボジアに学校を作るために奔走するという実話を描いた作品で、松坂さんは主人公と共に活動する大学生を好演していらっしゃいます。そちらも是非チェックしてみて下さい。


オススメジャンル&オススメ度・・・<ハラハラしたい>


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