合葬 | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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戦うことの虚しさ。若者達の切なすぎる最期。


2015年9月26日公開
監督:小林達夫
出演:柳楽優弥・瀬戸康史・岡山天音 他


【賛否両論チェック】
賛:幕末の動乱期、ただ犬死にするしかなかった若者達の悲壮な姿に、命の尊さについて考えさせられる。
否:ストーリーは極めて単調なので、興味がないと眠くなりそう。あまりにあっけないラストにも賛否は必至か。


ラブシーン・・・あり
グロシーン・・・結構あり
アクションシーン・・・殺陣のシーンがあり
怖シーン・・・場面によっては少しあり



 幕末、江戸無血開城の後に上野に籠り、新政府軍と戦った彰義隊の悲劇を描きます。主演は柳楽優弥さん。


 物語の舞台は、徳川慶喜によって大政奉還がなされた直後の江戸。藩士達の間でも、その賛否が議論になっており、いざこざから1人の侍が殺害されてしまいます。その養子・吉森柾之助(瀬戸康史)は、母親から
「仇を討ちなさい。」
と、半ば強引に送り出されてしまいます。実は柾之助は、報禄金目当てで養子縁組をされた身。母親達も、端から柾之助が仇討ちなど出来るとは思ってもおらず、体よく厄介払いをされてしまったのでした。


 一方こちらは、同じく江戸の福原家。福原悌二郎(岡山天音)は、妹の砂世(門脇麦)と結婚するはずだった友人・秋津極(柳楽優弥)がやってきて、破談を申し込んできたため、これに激怒。帰ろうととする極を呼び止め、口論になってしまいます。その様子を、茶屋の中から見ていた柾之助。彼もまた2人の友人だったため、話に加わり、3人は茶屋の中で話し合うことに。実は極は、将軍の警護を担当していた「彰義隊」の一員でした。徳川慶喜が江戸城を去る際、お見送りをしていた極は、慶喜がうわ言のように、
「主、辱しめらるれば、臣、死す。」
と言っていたのを聞き、新政府への徹底抗戦を心に誓ったのでした。結局極は、彰義隊が陣取っている上野へと行ってしまうのでした。


 しかし、行く当てがなかった柾之助も、成り行きで極と行動を共にすることに。そして、そんな極を止めようと隊を訪ねてきた悌二郎も、隊の論客・森篤之進(オダギリジョー)から、
「君は弁が立つ。隊士達が暴走しないように、その弁舌で押し留めてほしい。」
と言われ、やむなく彰義隊に入ることになってしまいます。その夜、森は極達を連れ、飲みに出かけます。今後の自分達の身の振る舞いについて激論を戦わせる隊士達でしたが、そんな中、隣りの部屋にいた新政府軍の薩摩藩士が、悪口を聞きつけて因縁をふっかけてきます。森はすかさず、
「刀を抜いてはならん!!」
と隊士達を諭しますが、血気にはやる極達は、刀を抜いてしまいます。その後にらみ合いとなり、勢い余った彼らは、とうとう相手を斬り殺してしまうのでした・・・。


 大政奉還がなされ、時代が確実に移っていく中で、その大義もなおざりにされ、ただただその命を散らすことしか出来なかった青年達の悲劇が、率直に描き出されていきます。変に脚色されることのない、そのありのままの死に様に、命について改めて深く考えさせられます。


 しかしその反面、登場人物達があまりにもあっけなく亡くなってしまうので、映画としてはやや物足りなさも感じてしまいます。終わり方もかなり唐突で、戸惑います。


 時代劇としてハラハラドキドキを期待するよりは、“生きることの意味”や“死ぬことの意義”について考えたい、大人向けの重厚な作品です。



【ワンチャン・ポイント】
※門脇麦さん・・・本作では、柳楽優弥さん演じる極に想いを寄せる砂世役。新進気鋭の女優さんで、代表作はヨガと出逢い変わっていく主人公を演じた「シャンティ デイズ 365日、幸せな呼吸」や、窪田正孝さん演じるホストにハマり、道を踏み外していく女性を演じた「闇金ウシジマくん Part2」、中井貴一さん演じる元高校球児が、再び甲子園を目指す「アゲイン 28年目の甲子園」での、主人公と心が離れてしまった娘役等が有名なところ。これからもその活躍に期待です。


※藤原令子さん・・・本作では、極に入れ込む女郎・小里役。出番は少なめですが、しっかりとした存在感を醸し出していらっしゃいます。この方の有名作といえば、何といっても「内村さまぁ~ず THE MOVIE エンジェル」でのヒロイン役。そして新作では、11月公開の「シネマの天使」という、実在する単館映画館の閉館に際してのドラマを描いた作品でも、主演されています。こちらも是非ご注目下さい。


オススメジャンル&オススメ度・・・<深く考えたい>


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