天空の蜂 | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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「子供は、刺されて初めて蜂の恐ろしさを知る。」


2015年9月12日公開
監督:堤幸彦
出演:江口洋介・本木雅弘・仲間由紀恵 他


【賛否両論チェック】
賛:原発依存への問題提起は勿論のこと、嫌なことからは黙って目を背ける日本人へ、警鐘を鳴らしている内容なのが印象深い。父と息子の絆の修復にも感動。
否:登場人物の行動には、疑問が残る部分も多い。若干のラブシーンやグロシーンもあり。


ラブシーン・・・少しだけあり
グロシーン・・・殺害シーンあり
アクションシーン・・・あり
怖シーン・・・雑賀のシーンは少しだけ怖いかも



 奪われた最新鋭のヘリを使った原発テロに、ヘリの設計士が挑みます。主演は江口洋介さん。


 1995年8月8日。錦重工業の湯原(江口洋介)は、別居中の妻と小学生の息子・高彦を連れ、自身が設計に携わった自衛隊の最新鋭ヘリ・通称“ビッグB”の発表会場に到着。まだ時間が早いこともあって、控え室には3人と、同僚の設計士とその息子の5人しかいませんでした。いつも仕事優先で、家族ともすれ違ってばかりの湯原は、壁を蹴ってばかりの高彦に、いら立ちを隠せません。見かねた妻は、高彦と同僚の息子を連れ、飲み物を買いに行くのでした。


 それでも健気に、
「湯原の分の飲み物も買う。」
と言う高彦でしたが、先に子供達だけで控え室に戻ろうとした時、高彦は湯原の、
「俺の父親としての素質はゼロ。高彦は妻といた方が幸せだ。」
という言葉を聞いてしまいます。ショックを受けた高彦は、同僚の息子を連れ、2人だけでビッグBの発表会場へと忍び込むことにするのでした。会場にはまだ誰もおらず、2人は難なく機内に入り込みます。しかしここで、予想もしなかった事態が2人を襲います。謎の男・雑賀(綾野剛)の遠隔操縦により、ビッグBが突然動き出し、飛び立とうとし始めてしまうのでした。騒ぎに気がついた湯原も慌てて駆けつけ、なんとか同僚の息子は降ろすことに成功しますが、機体は高彦を乗せたまま、上空へと飛び立ってしまうのでした。


 遠隔操縦されたビッグBは、敦賀にある高速増殖炉「新陽」へと飛来し、その真上で静止します。時を同じくして、マスコミには“天空の蜂”と名乗る犯人からの犯行声明が送りつけられるのでした。その内容は、
「自衛隊の最新鋭ヘリ“ビッグB”を奪った。そのまま時が経てば燃料は切れ、稼働中の原子炉建物に墜落する。この事態を回避したければ、日本全国にある原子力発電所のタービン棟を全て破棄せよ。」というものでした。すぐに現場には、警察や消防等が押し寄せ、物々しい厳戒態勢が敷かれます。ビッグBの設計士である湯原らも新陽を訪れ、所長の中塚(國村隼)達原発の職員達の知恵を借りながら、対策が話し合われます。その最中、
「絶対安全じゃなかったのか?」
という警察サイドからの指摘に、真っ向から反論を始めたのは、新陽の設計士にして湯原の旧友でもある、三島(本木雅弘)でした・・・。


 「原発テロ」という、まさに今の日本を象徴するかのようなテーマの映画ですが、意外にも東野圭吾さんの原作が描かれたのは、1995年だとか。先見の明がありすぎですね(笑)。そして原発の問題に限らず、いじめや暴力等、見たくない物には目をつぶり、決して声を上げようとしない日本人に対する警鐘的な意味合いも、多分に含まれています。


 それからミクロな部分では、“技術者”として仕事に全てを捧げてきた父親が、離れてしまった子供との絆を、事件をきっかけに少しずつ取り戻していく様子が感動を誘います。ヘリと地上で、2人がモールス信号でやりとりをするシーンなんかが、非常に印象に残ります。


 少し小説チックで難しいお話ではありますが、様々なテーマや想いが込められた作品です。ハラハラしたい時は勿論、社会情勢について深く考えたいときにも、是非オススメです。



【ワンチャン・ポイント】
※永瀬匡さん・・・本作では、ビッグBに取り残された少年の救出を任される、航空自衛隊員役。「仮面ライダーウィザード」での仮面ライダービースト役で有名な方で、「好きっていいなよ。」での福士蒼汰さんの親友役や、「ズタボロ」での主人公の不良高校生役が印象的です。10月公開予定の千葉雄大さん主演の特撮コメディ「Mr.マックスマン」にも出演されるそうなので、そちらにも注目です。


オススメジャンル&オススメ度・・・<ハラハラしたい>


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