ギヴァー 記憶を注ぐ者 | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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当たり前の日々の大切さ。“感情”の持つ意味とは。


2015年9月5日公開
監督:フィリップ・ノイス
出演:ブレントン・スウェイツ
ジェフ・ブリッジス
メリル・ストリープ 他


【賛否両論チェック】
賛:日頃忘れがちな“感情”の重要性に気がつかされる。色彩の使い方も新鮮。
否:ストーリーそのものはツッコミどころが満載で、尻すぼまりな印象。割と説教染みた主張にも、好き嫌いは分かれるか。


ラブシーン・・・ほんの少しだけあり
グロシーン・・・基本的にはなし
アクションシーン・・・少しあり
怖シーン・・・基本的にはなし



 近未来の理想郷で、全人類の記憶を継ぐ役割を担うことになった少年の戦いを描きます。


 物語の舞台は近未来。荒廃を経験した人類は、差異のない理想郷“コミュニティー”を作り、投薬によって感情を制限することによって、争いのない平和な世界を築いていました。人々は過去の記憶を持たず、苦しみや痛みを知らない代わりに、音楽や色彩までも忘れ、決まりきった生き方を謳歌しているのでした。そこに暮らす幼馴染みの少年少女達、ジョナス(ブレントン・スウェイツ)・フィオナ・アッシャーの3人。彼らは生涯の仕事を決められる“任命の儀式”を翌日に控え、落ち着かない日々を過ごしていました。中でもジョナスは、幼い頃から他人と違った景色を見ることがあり、他人との違いを気にかけていました。


 そうして迎えた“任命の儀式”。150人の若者達に、それぞれ仕事が任命されていき、アッシャーはドローンのパイロットに任命されます。ところがここで、ちょっとした事件が起こります。次に呼ばれるはずだったジョナスが何故か飛ばされ、他の若者達の任命が進んでいってしまうのでした。動揺するジョナスをよそに、フィオナは新生児の養育係を任されます。やがて全ての任命が終わった後、コミュニティーの主席長老(メリル・ストリープ)から、
「ジョナスを“レシーヴァー”に任命する。」
との説明がなされるのでした。この世界では、人々は過去の記憶を持たないため、唯一過去の記憶を持ち、委員会に助言を行う“レシーヴァー”という存在がおり、ジョナスはその後継者に選ばれたのでした。


 早速ジョナスは、コミュニティーの外れに住む、現在のレシーヴァーの下を訪れます。自らを“ギヴァー(記憶を注ぐ者)”と名乗ったその老人(ジェフ・ブリッジス)は、ジョナスに様々な記憶を伝達します。それは、“雪”や“ソリ”といった簡単なものから、“色彩”や“音楽”、“夢”といった抽象的なものまで様々。やがて“愛”という感情を知ったジョナスは、自分がフィオナを愛していると気がつきます。しかし同時に彼は、“暴力”や“戦争”、“残酷さ”といった負の感情にも気づかされ、次第に混乱を極めていきます。そんな中、生まれてまもない自分の弟・ガブリエルを、“死”という概念を知らない父達が、“解放”という名の下に殺そうとしていることを知ったジョナスは、ギヴァーに頼み込み、ついに行動を起こすのでした・・・。


 設定は「ダイバージェント」や「ハンガー・ゲーム」等にも通じるところがありそうな、結構ありがちな感じですが、本作は色の使い方がステキです。色彩を知らないということで、最初は画面もモノクロなのが、イイ味を出しています(笑)。当たり前すぎて普段は気にもかけない、“感情”というものの大切さに、改めて気がつかされます。人間には感情があるから、怒り、憎しみ合ってしまいます。しかし同時に、感情があるからこそ、お互いを愛し、思いやることも出来る。そんな純粋なことを、本作の設定がストレートに投げかけてきます。
「感情を持てないなら、生きてる意味はないよ。」
というジョナスの言葉や、
「痛みのない人生に、本当の価値はない。」
というギヴァーの言葉が、身に染みます。


 お話そのものは結構難解というか、ツッコミどころは満載な感じで、終わり方もかなり尻すぼまりな感はありますが、人間性について深く考えさせられる、そんな作品です。



【ワンチャン・ポイント】
※ブレントン・スウェイツ・・・本作では、理想郷の真実に気づく〝レシーヴァー”役。「マレフィセント」の王子役で脚光を浴びた方で、最近では姉弟が呪われた鏡の真実に挑む「オキュラス 怨霊鏡」や、〝何か”に接触した主人公達の身体に異変が起きる「シグナル」等で主演を務めていらっしゃいます。


※テイラー・スウィフト・・・本作では、ジョナスの前任の〝レシーヴァー”・ローズマリー役。言わずと知れた、絶大な人気を誇る歌姫ですので、その存在感にも要注目です。


オススメジャンル&オススメ度・・・<深く考えたい>


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