日本のいちばん長い日 | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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やや難しすぎるか。歴史を伝える勉強的映画。


2015年8月8日公開
監督:原田眞人
出演:役所広司・本木雅弘・松坂桃李 他


【賛否両論チェック】
賛:“終戦”という困難な決断を迫られる中、国を守るために奮闘する主人公達の苦悩や、己の信念のために次第に暴走していく青年将校の姿など、大局に立たされた人間の本質を思い知らされる。
否:史実だけに、話そのものはかなり難解で、セリフも難しい。緊迫感も伝わりにくく、知らない人や関心のない人には、非常に退屈。


ラブシーン・・・なし
グロシーン・・・自決シーンは少しグロい
アクションシーン・・・ほんの少しだけあり
怖シーン・・・急に大きな音が出るシーンがあり



 太平洋戦争終結の経緯を追った実話の作品、そのリメイクです。主演は役所広司さん。


 時は太平洋戦争末期。日本の敗戦は濃厚で、上層部の争点は、降伏か戦争継続かに絞られていました。そんな折、内閣総理大臣に任命された、鈴木貫太郎(山崎努)。始めは老齢を理由に固辞しようとしていた鈴木でしたが、昭和天皇(本木雅弘)のたっての希望とあり、やむなくこれを受けることにするのでした。


 その鈴木内閣で、陸軍大臣に任命されたのが、主人公・阿南惟幾(役所広司)でした。阿南は早速、戦争を終結させるために動き始めますが、陸軍の血気盛んな将校達は、あくまでも戦争継続を強硬に主張。阿南にも
「命にかえて、本土決戦をお願いします!!」
と頭を下げます。そんな軍部の暴発を押さえるべく、阿南は日々心を砕くのでした。


 その後、連行軍によるポツダム宣言が発布され、日本にもその受諾が迫られます。鈴木内閣はこれを黙殺しますが、やがて広島と長崎への原爆投下、そして中立だったはずのソ連の参戦と、事態は予断を許さなくなっていきます。事ここに到って、日本はついに降伏へと舵を切ります。昭和天皇自らが、自身の言葉で戦争終結を呼びかけることとなり、皇居内で秘密裡に録音の準備が進められます。一方、阿南が必死に押さえていた陸軍将校達でしたが、終戦の動きを知り、とうとう暴走を始めます。少佐の畑中(松坂桃李)を中心に、クーデターの計画が進められていくのでした・・・。


 個々の命が軽んじられる戦争の悲惨さと、そんな戦争を終わらせるという困難な決断を迫られた人間達の、それぞれの人間性の本質が伝わってくる、そんな作品です。 国を守るために命を懸けた者や、自らの信念に従って戦い続けようともがく者、そして周りに振り回されながらも、平和への思いを持ち続けた天皇。戦争という大局を描きながらも、1人1人の生き様にドラマがあり、深く考えさせられます。


 反面、太平洋戦争に関する予備知識がないと、訳が分からないままなんとなく終わってしまう感じで、退屈なことこの上ないと思います。また、セリフもやや難解で分かりづらく、聞き取れない会話も結構あります。


 良くも悪くも、歴史に関心がある勉強好きな方向けの作品といえそうです。



【ワンチャン・ポイント】
※放送局のシーン・・・物語の後半、蜂起した陸軍の一派が玉音放送のテープを狙い、放送局を襲撃する場面があります。そこでは戸田恵梨香さんや野間口徹さんといった、意外にも豪華な顔ぶれが登場しますので、是非その辺りをご注目下さい。


※連佛美沙子さん・・・本作では、役所広司さん演じる阿南の娘役。最近の映画では、井上真央さん主演のネット上の噂の怖さを描いた「白ゆき姫殺人事件」や、北村一輝さん主演で続編も公開される「猫侍」にご出演。清楚でありながらも個性的な役柄が魅力的です。これからもその活躍に期待です。


オススメジャンル&オススメ度・・・<深く考えたい>D


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