アリスのままで | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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病気が奪ったものと与えたもの。心に響く家族の絆。


2015年6月27日公開
監督:リチャード・グラッツァー
ウォッシュ・ウェストモアランド
出演:ジュリアン・ムーア
アレック・ボールドウィン
クリステン・スチュワート 他


【賛否両論チェック】
賛:病気が人生の全てを奪っていく残酷さと、それに必死で立ち向かっていこうとする主人公の姿が痛々しい。家族の大切さに気づかされる。
否:物語そのものはかなり静かに進むので、興味がないと退屈かも。


ラブシーン・・・少しあり
グロシーン・・・基本的にはなし
アクションシーン・・・なし
怖シーン・・・なし



 若年性アルツハイマーを患ってしまった女性の葛藤を描きます。主演はジュリアン・ムーア。 


 主人公のアリス(ジュリアン・ムーア)は、大学で言語学を教える教授。50歳になった彼女は、大学病院に勤める夫と、既に独立した3人の子供達に恵まれ、忙しくも充実した日々を送っていました。最近では、講演で単語が出てこなくなったり、約束を忘れてしまったりすることが多くなっていましたが、単なる物忘れだとあまり気にしてはいませんでした。ところがある日、いつものようにキャンパスでジョギングをしていたところ、帰り道が分からなくなってしまうという事態に陥ってしまい、念のために家族には内緒で、神経科を受診するのでした。


 脳細胞に異状はなかったものの、下された診断は初期の「若年性アルツハイマー」。しかもアリスの認知症は遺伝性で、子供への遺伝率は50%。遺伝した場合の発症率は100%という、厳しい結果でした。悩んだ末に、アリスは夫のジョンに病気のことを打ち明け、3人の子供達にもそのことを告白します。折しも、長女のアナは不妊治療の最中で、複雑な心境を隠せません。長男のトムも医大卒業の大事な時期で、次女で女優志望のリディア(クリステン・スチュワート)は、ロサンゼルスで劇団員として奮闘する日々。そんな中で、子供達もそれぞれが、母の認知症という難しい問題への対応を迫られることになるのでした。


 その後、病状が進行してしまったアリスは、やむなく大学を辞め、海の見える自宅での療養を余儀なくされます。携帯電話のメモ機能を使い、必死に闘病生活を続けるアリスでしたが、それでも病魔は確実に彼女を蝕んでいきます。そしてとうとうアリスは、自宅のトイレの場所までも分からなくなってしまうのでした・・・。


 「私は苦しんでいるのではありません。闘っているのです。」
後半のスピーチで語られるこの言葉が、胸に刺さります。“記憶の欠乏”という、今までの人生を全て奪ってしまう病気の恐ろしさも勿論ですが、そんな病気と必死で向き合い、生きていこうともがく主人公の姿が、非常に切なく心に響きます。そして、最愛の家族が病魔に侵された時、その家族達が直面させられる苛酷な現実も、赤裸々に描かれていきます。


 人間誰しもに起こりうる病気について、深く考えるきっかけとなりそうな作品ですので、気になった方は是非ご覧になってみて下さい。



【ワンチャン・ポイント】
※クリステン・スチュワート・・・本作では、3兄弟の中でも我が道を行く次女・リディア役。言わずと知れた「トワイライト」シリーズのヒロイン役でお馴染みの方で、「スノーホワイト」の白雪姫役でも話題になりました。また、今年秋に公開される「アクトレス ~女たちの舞台~」では、大女優のマネージャー役で出演されるそうなので、そちらも期待大です。


オススメジャンル&オススメ度・・・<深く考えたい>


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