チャイルド44 森に消えた子供たち | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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ミステリーよりは社会派向け。偽りの楽園で起きた悲劇。


2015年7月3日公開
監督:ダニエル・エスピノーサ
出演:トーム・ハーディ
ゲイリー・オールドマン
ノオミ・ラパス 他


【賛否両論チェック】
賛:殺人事件がタブー視されている社会にあって、その被害者達に感化され、己の危険を省みずに事件を解決しようと奔走する主人公に、心動かされる。
否:直接的な描写は少ないが、グロいシーンが多い。展開も殺人事件のミステリーよりは、体制への抵抗がメイン。


ラブシーン・・・あり
グロシーン・・・間接的だが結構あり
アクションシーン・・・あり
怖シーン・・・雰囲気が怖いシーンがあり



 スターリン政権下のソ連で、謎の児童連続猟奇殺人事件を追う捜査官を描きます。主演は「マッド・マックス 怒りのデス・ロード」のトム・ハーディ。


 物語の始まりは1933年のウクライナ。飢饉により、多数の子供達が親を亡くし、孤児院に預けられました。そんな中、1人の少年が施設を抜け出し、ソ連軍に拾われます。彼はそれまでの名前を捨て、「レオ」と名付けられ、ソ連軍の一員として活躍を始めるのでした。第二次世界大戦時は、同僚のアレクセイ・ワシーリーらと共に、ドイツ軍を相手に奮闘。ベルリンを制圧し、その名声は広く知れ渡ることとなったのでした。そして時は流れ、1953年のモスクワ。レオ(トム・ハーディ)は現在、秘密警察の捜査員として、スパイの捜査にあたっていました。ある時彼は、獣医をしているブロツキー(ジェイソン・クラーク)がスパイだという情報を入手し、その行方を追います。やがてブロツキーは、知人の農家でかくまわれているところを発見され、レオ達によって拘束されます。しかしその直後、かくまっていた家族の父と母を、ワシーリー(ジョエル・キナマン)が子供の目の前で射殺してしまいます。
「見せしめに・・・」
と説明するワシーリーに、レオは珍しく激怒。ワシーリーを殴り飛ばしてしまうのでした。


 その後、ブロツキーは尋問を受け、自白剤によって7名のスパイの名前を白状した後、処刑されます。一方その頃、レオの周辺でも事件が起こります。アレクセイの幼い息子が亡くなっているのが発見されたのでした。少年は1人で線路で遊んでいたらしく、当初は事故かと思われていましたが、臓器が摘出されていることや、眼に皮下出血が見られること、そして発見場所が線路から離れた森の中だったことから、どうやら殺害されたものと推定されました。しかし、当時のスターリン政権下では、
「楽園では殺人は起きない。」
とされており、当局は少年が殺害されたと認める訳にはいきません。そこでレオは急きょ呼び出され、上司であるカズミン少佐(ヴァンサン・カッセル)から、
「検視結果は『少年は事故死』。それをアレクセイの家族に告げ、丸く収めろ。」
と命じられるのでした。渋々アレクセイの家を訪れるレオでしたが、当然彼らは納得してくれません。


 任務と正義感の間で悩むレオに追い打ちをかけるかのように、カズミン少佐からは、
「ブロツキーが自白した7人のスパイのうち、こいつをお前に逮捕してもらう。」
と告げられます。それはなんと、妻のライーサ(ノオミ・ラパス)でした。学校の教師をしていて、最近妊娠も発覚した最愛の妻を、どうしても突き出すことが出来ないレオは、結局ライーサと共に、田舎町へ左遷させられてしまいます。しかしその後、その田舎町で同様の少年殺害事件が起きようとは、この時はまだ誰も予想だにしていませんでした・・・。


 「殺人事件は起こらない」という、現代の私達からすると荒唐無稽な理屈が平然とまかり通っていたことに、まず驚かされます。そしてそんな状況下にあって、自ら命の危険にさらされながらも、被害者や遺族のために真実を知ろうとする主人公とその妻の姿には、胸を打つものがあります。


 ただどちらかというと、猟奇殺人事件の犯人を探すミステリーというよりは、真実を隠蔽して体裁を取り繕おうとする当局に対し、主人公が真っ向から抗おうとする姿勢をメインに物語が展開されるので、ミステリー好きな方には、やや物足りない感があるかもしれません。


人間としての生き方さえも問いかけてくる、そんな社会派の作品です。



【ワンチャン・ポイント】
※ジョエル・キナマン・・・本作では、主人公を追い詰める元同僚・ワシーリー役。新進気鋭の若手俳優さんで、最近ではリメイクされた「ロボコップ」の主演や、リーアム・ニーソン主演の「ラン・オールナイト」で、事件に巻き込まれる主人公の息子役で出演されています。


※ジェイソン・クラーク・・・本作では、スパイとして処刑されてしまう獣医・ブロツキー役。「猿の惑星:新世紀(ライジング)」の主演でお馴染みの方ですが、最近では他にも「ターミネーター:新起動(ジェニシス)」で、人類の救世主となるジョン・コナー役を演じていらっしゃいます。その他、「ホワイトハウス・ダウン」や「華麗なるギャツビー」「ゼロ・ダーク・サーティ」「パブリック・エネミーズ」等々、実はかなり話題作に出演されているようです。


※ノオミ・ラパス・・・本作では、主人公を献身的に支える妻役。「ミレニアム」シリーズで、ドラゴン・タトゥーをした天才ハッカー役で有名になった方で、「シャーロック・ホームズ シャドウ・ゲーム」では謎めいた美女役を、「プロメテウス」では人類の起源を探る科学者役で主演されています。


オススメジャンル&オススメ度・・・<ハラハラしたい>


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