トイレのピエタ | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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“生きている”という実感。芸術から問いかける異色作。


2015年6月6日公開
監督:松永大司
出演:野田洋次郎
杉咲花
リリー・フランキー 他


【賛否両論チェック】
賛:生きることも死ぬことも出来ずに悶々としていた主人公が、残された命を葛藤しながら歩んでいく様子が、切なくて歯がゆい。ラストの主人公のイラストにも圧倒される。
否:難しいシーンが多く、展開も単調なので、眠くなるかも。雰囲気そのものも、かなり好みが分かれそう。


ラブシーン・・・あり
グロシーン・・・おう吐や採血のシーンがあり
アクションシーン・・・基本的にはなし
怖シーン・・・基本的にはなし



 余命3ヶ月を宣告された主人公と、風変わりな女子高生との出逢いを描きます。主演はRADWIMPSの野田洋次郎さん。


 主人公・園田宏(野田洋次郎)は、東京でビル清掃のアルバイトをしている青年。以前は画家を目指して絵を描いていましたが、今はもう描かなくなっていました。そんなある日の清掃中、園田はかつての恋人・さつきと偶然再会します。さつきは絵の世界で成功しつつあり、今度個展を開くとのこと。そんな彼女に、園田は病院の付き添いを頼むのでした。
「ご家族の方を連れてきて下さい。」
と医師に言われていたためでしたが、さつきが何を話しかけても、園田はそっけない様子。そんな園田に業を煮やしたさつきは、怒って帰ってしまうのでした。


 病院のロビーで途方に暮れる園田でしたが、そこへ突然怒鳴り声が聞こえてきます。見ると、サラリーマンとぶつかった女子高生・真衣(杉咲花)が、
「制服が破れた!!」
と絡んでいるところでした。その直後、園田も女子高生に、
「何見てんだよ!?」
と絡まれますが、園田はこれ幸いとばかりに、サラリーマンに代わって千円札を渡すと、
「お前、今から俺の妹な。」
と、強引に付き添いを頼んでしまうのでした。


 ところが医師からの告知は「胃がんで余命3ヶ月」という予想外に深刻なもの。突然のことにショックを受ける園田でしたが、そんな彼に真衣は、
「どうせ死んじゃうならさ、今から一緒に死んじゃう?」
と持ちかけます。一旦は真衣をバイクに乗せる園田でしたが、途中で考え直し、
「根性なし!!」
と言われながらも、彼女を降ろすのでした。実は真衣は、家事を一切しない母親と、認知症の祖母を抱え、肉体的にも精神的にもかなり追い込まれているのでしたが、園田はそんなことは思いもよりません。それでも、共に世間からはみ出してしまった者同士、2人の間には次第に不思議な感情が生まれ始めるのでした・・・。


 健康な人にはなかなか分からない、“生きていることの喜び”が、余命わずかな園田の姿からひしひしと伝わってきます。そして、そんな園田を同じ目線から見つめ、対等な立場で物を言う真衣の飾らない人柄も、園田の哀愁をより一層引き立たせているような気がします。


 ただ、結構難解なシーンも多く、描写もかなり淡々と進むので、途中で飽きてしまうこともありそうです。


 芸術的な角度から“命”について見つめ直したい方に、是非オススメです。



【ワンチャン・ポイント】
※病院の清掃員役・・・本作の後半、病院のロビーを清掃しているスタッフに、園田が絡むシーンがありますが、その清掃員役が意外な超大物さんで、思わず驚いてしまいます(笑)。是非ご注目を。


※杉咲花さん・・・本作のヒロイン、女子高生の真衣役。「マダム・マーマレードの異常な謎」内の劇中映画での女子中学生役や、「イン・ザ・ヒーロー」での唐沢寿明さん演じるスーツアクターの娘さん役が有名なところですが、最近では佐藤浩市さん主演の「愛を積むひと」や中谷美紀さん主演の「繕い断つ人」にも出演されていますので、気になった方はチェックしてみて下さい。


オススメジャンル&オススメ度・・・<深く考えたい>D


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