おかあさんの木 | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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涙なしでは観られない。ミクロな視点で描かれる戦争の悲惨さ。


2015年6月6日公開
監督:磯村一路
出演:鈴木京香・志田未来・三浦貴大 他


【賛否両論チェック】
賛:大切な息子達を全員戦地に送り出さなくてはならなかった母の悲痛な心の叫びに、涙が止まらない。戦争の悲惨さを切実に伝えている。
否:どうしても同じようなシーンが続くので、退屈になりがち。


ラブシーン・・・なし
グロシーン・・・殺害シーン多数あり
アクションシーン・・・戦闘シーンあり
怖シーン・・・急に襲撃されたりするシーンがあり



 教科書等にも採用された、児童文学小説の映画化です。主演は鈴木京香さん。


 物語は、現代から始まります。国の事業用地として開拓されることになった、山奥の村。そこに立つ7本の杉の木だけは私有地に生えていたため、所有者を説得するべく、県と国の担当者が、土地の所有者で今は老人福祉施設に入っている老婆・サユリの下を訪れます。しかし彼女は、
「あの木を伐ってはならん。あれは“おかあさんの木”だ。」
と告げます。そして、7本の木にまつわる壮絶な昔話を話し出すのでした。


 その話の始まりは、 1915年。農家の娘だったミツ(鈴木京香)は、郵便局員だった謙次郎から恋文を渡されたのがきっかけとなり、2人は祝言をあげることに。その後、ミツは7人の男の子を出産。6人目の息子は姉夫婦に養子にもらわれることになりましたが、兄弟は仲良く、元気に育っており、幸せな毎日を送っていました。


 しかし、そんな日々も長くは続きません。ある日のこと、謙次郎が突然の心臓発作で、帰らぬ人に。子供達は遺された母を皆で支え、何とかその悲しみを乗り越えていこうとしますが、そんな彼らに追い打ちをかけるかのように、戦争が始まってしまいます。一郎・二郎に赤紙が届けられ、次々に出兵することになり、ミツはその度に無事を願い、彼らの代わりにと庭に杉の木を植えるのでした。しかしそんな願いも虚しく、一郎の戦死が伝えられます。遺骨も戻らず、帰ってきたのは戦死を伝える1枚の紙切れのみ。その後、四郎と三郎も徴兵されていき、共に戦死。養子に行った真は自ら兵役を志願し、五郎と六郎も徴兵。とうとうミツは、1人残されてしまいます。それでも、子供達の無事を祈り続け、杉の木に話しかけながら、ミツは必死に家を守り続けるのでしたが・・・。


 “ザ・ハンカチなしには観られない映画”です(笑)。愛する子供を戦場になんて送りたくない。しかし、そんなことを口にすることも許されず、万歳三唱で送り出さなくてはならなかった主人公の苦しさに、観ていて涙が止まりません。どんなに手厚い保護を受けても、周りから賞賛されても、決して喜ぶことなく、
「手柄なんて立てなくていい。とにかく生きて帰ってきてくれ。」
と木に話しかけるその姿に、命の尊さについて改めて考えさせられます。


 同時に、そんな家族の切なる願いをことごとく引き裂く戦争の悲惨さも、如実に描かれていきます。
「戦争は、弱い者にまずしわ寄せが来る。」
という言葉に、全てが表れている気がします。


 出兵するシーンなど、どうしても同じようなシーンの繰り返しになりますが、それを差し引いてもなお、十二分に感動出来る作品に仕上がっています。



【ワンチャン・ポイント】
※市川知宏さん・・・本作では、年老いた五郎の妻に“おかあさんの木”の話を聴きに来る、国の職員役。イケメンの若手俳優さんで、川口春奈さんと福士蒼汰さん主演の「好きっていいなよ。」で、福士蒼太さんの中学時代の同級生役で出演されています。他にも「銀の匙 Silver Spoon」では、中島健人さん演じる主人公の同級生で、酪農家の息子役を演じていらっしゃいます。


オススメジャンル&オススメ度・・・<泣きたい>


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