鏡の中の笑顔たち | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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本当に大切なものとは。気づかせてくれる最高の出逢い。


2015年5月30日公開
監督:喜多一郎
出演:白石隼也・夏菜・中尾明慶 他


【賛否両論チェック】
賛:周りの気持ちを無視し続けてきた主人公が、人間らしさを取り戻していく過程が見事で、心温まる。大切なテーマが色々詰まっているので、情操教育にも向いている。
否:どうしても髪を切るシーンの繰り返しになるので、単調で退屈しやすいかも。


ラブシーン・・・基本的にはなし
グロシーン・・・なし
アクションシーン・・・なし
怖シーン・・・なし



 技術が全てだった天才美容師が、地元での訪問美容と出逢うヒューマンドラマです。主演は白石隼也さん。


 主人公の井上遼(白石隼也)は、北海道の美容学校を卒業。誰よりも遅くまで居残って努力を続けた甲斐もあり、その腕前はコンクールで優勝するほど。物語は、そんな遼が東京の美容院で働き始めたところから始まります。腕の良い遼は、人気モデルのリリコ(筧美和子)が専属に指名するほどで、他の美容院の美容師(JOY)からも、引き抜きの声がかかるほどでした。しかし、そんな評価に天狗になっていた遼は、美容院の掃除を一切手伝わない等、次第にその素行の悪さが影を落とすようになっていきます。そしてある時、事件が発生。リリコからの、
「恋人にしてあげてもイイ。」
という申し出を、遼は邪険に断ってしまい、リリコが激怒してしまいます。そのことが直接的なきっかけとなり、遼は美容院をクビになってしまうのでした。


 働くあてのない遼は、自分を引き抜こうとしていた美容師にも連絡を取りますが、先方の目当てはあくまでもリリコだったため、
「リリコがついてないお前を、引き抜く訳ないでしょ。」
と、冷たくあしらわれてしまう始末。そんな遼に追い打ちをかけるように、自宅のアパートの隣りの部屋から出火し、全焼してしまいます。ついに東京に居場所をなくした遼は、やむなく地元・北海道に帰ることにするのでした。


 実家に戻った遼でしたが、母(松下由樹)にはまだ本当のことは言えずにいました。そんな遼に、幼い頃からの先輩で、今は喫茶店のマスターをしている和也(中尾明慶)が、
「お前の美容学校時代の知人が、両親の面倒を見るために実家に帰っている。彼が休みの間、働いている美容院の手伝いを1週間だけしてみないか?」
と誘います。あまり乗り気ではない遼でしたが、
「どうせ暇だろ?」
と、半ば強引に決められてしまうのでした。翌日から、市内の美容院で働き始めた遼。そんな彼の下に、美容院に行けない高齢者を訪問する“訪問美容”の依頼が舞い込みます。しかし、端からやる気のない遼は、その依頼を無下に断ろうとし、店の美容師・まり(夏菜)と口論になってしまいます。その後も横柄な態度を取り続ける遼でしたが、店のオーナーに無理やり連れて行かれた病院で、白血病患者の女性のウィッグをカットしたのがきっかけとなり、次第に今まで思いもよらなかった感情が、湧きあがってくるのでした・・・。


 始めは技術を磨くばかりで、周りとのコミュニケーションなんて二の次だった主人公が、全てを失い、地元のお年寄りの髪を切っていくうちに、少しずつ人間らしさを取り戻していく姿が非常に清々しくてステキです。前半と後半で、主人公から受ける印象が180度違うのが、不思議でもあり、微笑ましくもあります。


 ラストはやや強引にまとめた感じはありますが、それでも感動は必至です。仕事との向き合い方や、家族との温かい絆、そして何度でもやり直してチャレンジすることの大切さ等、いろんなテーマが詰まった珠玉の作品です。是非劇場でご覧下さい。



【ワンチャン・ポイント】
※RAM WIRE・・・本作の主題歌「僕らの手には何もないけど、」を歌っていらっしゃるアーティストです。どこか心温まる歌詞と歌声に癒されます。映画の主題歌は他にも、『僕たちは世界を変えることができない。』の主題歌「歩み」や、『江ノ島プリズム』の主題歌「何度も」等、ステキな楽曲が沢山ありますので、是非チェックしてみて下さい。


※白石隼也さんと夏菜さん・・・本作の主人公とヒロインのお2人ですが、このお2人の組み合わせ、実は「GANTZ」でも観ることが出来ます。お2人共、GANTZに召喚されて戦う役どころですので、気になった方はそちらも是非。


オススメジャンル&オススメ度・・・<癒されたい>


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