チャッピー | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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感情移入するとヤバい。ロボットが辿る迫害と進化の歴史。


2015年5月23日公開
監督:ニール・ブロムカンプ
出演:デーヴ・パテル
ニンジャ
ヒュー・ジャックマン 他


【賛否両論チェック】
賛:“警察仕様のロボット”というだけで迫害され、少しずつ道を外れて成長していくチャッピーの姿に、人間としての在り方を深く考えさせられる。
否:お話そのものは荒唐無稽で、ツッコミどころも多々あり。終わり方にも賛否があるか。


ラブシーン・・・なし
グロシーン・・・殺害シーン多数あり
アクションシーン・・・多数あり
怖シーン・・・雰囲気は少しだけ怖いかも



 世界で初めて誕生した人工知能ロボットが巻き起こす騒動を描いた、社会派の作品です。


 物語の舞台は、 2016年の南アフリカ・ヨハネスブルグ。治安の悪化は著しく、1日に200件もの強盗や殺人が起きていました。そんな中、武器の製造会社・テトラバール社が、人工知能によるロボット警官隊“スカウト”を開発し、警察もこれを導入。犯罪は激減し、治安も一気に回復の兆しを見せ始めます。一方、スカウトを開発した研究者、ディオン・ウィルソンには、「自ら思考し、成長するロボットの開発」という秘めた野望があり、彼は自宅で密かに、ロボットの思考プログラムの開発に勤しんでいるのでした。


 時を同じくして、ヨハネスブルグのギャング、ニンジャ・ヨーランディ・アメリカの3人。街を牛耳るギャングのボス・ヒッポから頼まれたクスリの運搬に失敗してしまった彼らは、ヒッポから“1週間で2000万ランド”という大金を要求されてしまいます。ところがその直後、スカウトを乗せたヘリが取引現場を急襲。圧倒的な火力で、ギャング達を制圧していきます。ニンジャ達は命からがら逃走し、ヒッポも逃げ延びます。その混乱の中で、ヒッポのロケットランチャーによる攻撃をもろに受けたスカウト“22号”は、機能を停止してしまうのでした。


 ヒッポに要求された金を用意するため、現金輸送車の襲撃を計画するニンジャ達。スカウト対策を考えた彼らは、スカウトの開発者を捕らえ、その停止方法を吐かせることにするのでした。一方その日の夜、ディオンはついにスカウトの自我プログラムを完成させます。彼は早速翌朝、社長のミシェル(シガニー・ウィーバー)に、廃棄処分になった22号を使って実験させてもらえるよう直談判しますが、あっけなく却下されてしまいます。そこでディオンは、会社には黙ったまま、車でこっそり22号を持ち出します。ところがそこへ、彼をつけ狙っていたニンジャ達が立ちはだかると、22号共々彼を拉致してしまいます。ディオンは必死に命乞いをして、なんとか22号を修理し、プログラムを起動させることに成功。目覚めた22号はまるで赤ん坊のように怯えながらも、驚異的な早さで言葉を覚え、成長し始めます。ヨーランディは彼に“チャッピー”と名前をつけ、我が子のように可愛がるのでしたが・・・。


 何も分からないまま生み出された罪なきチャッピーが、“警官型ロボット”だという理由だけで暴力を浴びせられ、傷つけられる姿に、観ていて胸が締めつけられるものがあります。そうして迫害を受け続けた結果、チャッピーが生きるために少しずつギャングの道へ足を踏み入れていってしまう様子もまた、人間社会への警鐘を鳴らしています。そしてそんな彼に、母親代わりのヨーランディが読み聞かせる「黒い羊」のお話も、本作を鋭く象徴しているようで、人間の浅ましさを改めて考えさせられます。


 お話そのものは割と荒唐無稽なので、それ自体の賛否両論はあるかと思いますが、その根本にあるテーマは非常に深いものがあると思います。社会問題に関心がある方などには、是非オススメです。



【ワンチャン・ポイント】
※シャルト・コプリー・・・本作では、チャッピーの声を担当されています。本作の監督の作品には欠かせない方で、言わずと知れた「第9地区」の主役のほか、「エリジウム」でも敵のボス役でご出演。意外なところでは、「マレフィセント」の人間界の王役でも出ていらっしゃいます。


オススメジャンル&オススメ度・・・<深く考えたい>


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