駆込み女と駆出し男 | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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難しくて悲しくて温かい。傷ついた人生達の再生物語。


2015年5月16日公開
監督:原田眞人
出演:大泉洋・戸田恵梨香・満島ひかり 他


【賛否両論チェック】
賛:それぞれの理由で傷ついて生きてきた女性達が、新しい人生を歩もうと踏み出していく姿が清々しい。饒舌で実直な主人公にも好印象。
否:文語体のセリフが多いので、何を言っているのかよく分からなかったり、そもそも聞き取れない部分も多い。後半の詰め込み感もあり、ラストはものすごく駆け足な印象。


ラブシーン・・・少しあり
グロシーン・・・殺害シーン・拷問シーンあり
アクションシーン・・・少しだけあり
怖シーン・・・雰囲気が怖いシーンがいくつかあり



 江戸時代の縁切り寺を舞台に、新米の離婚調停人の奮闘劇を描きます。主演は大泉洋さん。


 江戸の唐物問屋・堀切屋三郎衛門(堤真一)の妾・お吟(満島ひかり)。ある晩、夜更けに家を出たお吟は、駕籠を拾い、夜道を急ぐのでした。時を同じくして、七里ヶ浜の鍛冶屋・重蔵(武田真治)の妻で、仕事場の一切を切り盛りしている鉄練りのじょご(戸田恵梨香)もまた、重蔵の理不尽な仕打ちに耐えかね、夜更けに家を出るのでした。2人が目指したのは、鎌倉にある東慶寺。江戸時代、夫からは簡単に離縁が出来ましたが、妻の方からはそうはいきません。そんな時、女性達が駆け込んだのが、縁切り寺として徳川家康公からも認められていた東慶寺でした。道中、乱暴しようとした駕籠かきを追い払ったものの、お吟は足をくじいてしまいます。そこへ通りかかったじょごは、お吟を連れ、一路東慶寺を目指すのでした。


 ようやく境内が見えようかというその時、後ろからついてくる人影に気がついた2人。追っ手だと感じたじょごは、お吟の荷物を掴むと、境内へと走り出します。駆け込みは、荷物さえ境内に入れば成立します。呼び止めようとした追っ手を殴り倒すと、じょごは境内へ。見事駆け込みが成就した瞬間でした。ところが、追ってきたのは三郎衛門でもなければ重蔵でもなく、門前にある御用宿(離婚調停所)「柏屋」の甥・中村信次郎(大泉洋)でした。彼は医者見習いであり、物書きでもあり、叔母の三代目柏屋源兵衛(樹木希林)の離婚調停の仕事を手伝うため、東慶寺へとやってきたのでした。


 その後、お吟とじょごも源兵衛の事情聴取を受けることに。じょごの顔には酷い火傷の痕があったため、信次郎は、
「傷が治っていた方が、奉行所の心証がいいから。」
と、傷の治療をしようとしますが、“治療”という概念すらなかったじょごは、これに対し拒絶反応を示します。それでも、信次郎の粘り強いアプローチのお陰で、じょごは少しずつ心を開いていきます。駆け込んだ女性達は、東慶寺で2年間の修行を経れば、晴れて夫からの離縁状を手にすることが出来るため、やがてお吟とじょごも寺に入り、修行を始めます。しかしその直後、お吟が吐血。彼女が重い病であることを知ったじょごは、
「お吟さんがいなかったら、自分はあの夜に身を投げていたかもしれない。」
という想いから、信次郎から教わった薬草で、親身に彼女の世話をするようになります。同時にじょごと信次郎は、少しずつお互いに惹かれていくようになるのでした・・・。


 それぞれに事情があり、それぞれ苦しみや悲しみを背負って生きてきた女性達が、周りの人々の支えを借りながら、自分の人生とじっくりと向き合い、やがて新しい人生を踏み出していく様が、四季折々の美しい風景と共に描かれていきます。また、そんな女性達に絶妙な距離で寄り添い、手助けをしていく主人公の実直さにも、非常に好感が持てます。


 ただ、どうしてもセリフが難しくて、聞き取れなかったり意味が分からなかったりする部分が多いのもまた事実。分かる人が聴けば納得するであろう会話も、分からないとただただ退屈な印象を受けてしまうと思います。


 どちらかというと、大人同士でゆったりとご覧になる方がよろしいかと思います。



【ワンチャン・ポイント】
※原田眞人監督・・・本作の監督さん。本作は時代劇ですが、他にも「魍魎の匣(もうりょうのはこ)」「クライマーズ・ハイ」「わが母の記」というような、時代がかった作品が多い方。本作の出演者の方では、前者2作には堤真一さんが、後者には樹木希林さんが出ていらっしゃいます。最新作では、8月公開の「日本のいちばん長い日」の監督もなさっているそうなので、そちらも是非ご注目を。


オススメジャンル&オススメ度・・・<深く考えたい>D


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