百日紅(さるすべり) ~Miss HOKUSAI~ | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

<ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

観たい映画に迷った時は、このムービーナビをご活用下さい。現在公開中の映画の中から、目的や好みに合わせた映画を探せます。

※「声に出して読みたい映画のセリフ in 2018」 4月8日発売♪

怪奇で艶やかな世界観。不思議な浮世ムービー!!


2015年5月9日公開
監督:原恵一
出演(声):杏・松重豊・濱田岳 他


【賛否両論チェック】
賛:恋や命の儚さを経験しながら、成長していく女絵師の姿が爽やかに描かれる。豪華なキャストも魅力。
否:結構怪談チックなシーンが多く、話も案外単調なので、苦手な人には向かないかも。


ラブシーン・・・少しあり
グロシーン・・・基本的にはなし
アクションシーン・・・なし
怖シーン・・・結構あり



 江戸時代の浮世絵師・葛飾北斎と、その娘を描いたアニメーションです。


 物語の始まりは、1813年夏の江戸。絵師のお栄(声:杏)は、父で絵師の北斎こと鉄蔵(声:松重豊)と、居候の善次郎(声:濱田岳)の3人暮らし。お栄には、目の見えない妹・お猶がいましたが、病気を怖がる鉄蔵のせいで、お猶は尼寺に預けられていました。ある日のこと、版元の萬字堂からの注文で、竜の絵を仕上げていた鉄蔵。ところが、いざ完成目前のところで、脇でキセルを吸っていたお栄の灰が竜に落ち、絵は駄目になってしまいます。絵を取りに来た萬字堂は真っ青になりますが、鉄蔵とお栄は、
「まだ締切まで1日ある。」
と、どこ吹く風。結局絵はお栄が書くことになります。夜を徹して竜の絵に取り組むお栄ですが、なかなか思うようには描けません。するとそこへ、酔っ払った善次郎が弟分の国直(声:高良健吾)を連れて帰宅。お栄の竜を見た国直は、
「竜の絵は、降りてくるのを待って一気に書き上げるものだ。」
とアドバイスをします。その後、酔って騒ぐ善次郎を、お栄は国直と鉄蔵共々追い出し、アドバイス通りにじっと降りてくるのを待つのでした。翌朝、居酒屋で酔いつぶれていた善次郎が目を覚まして帰宅すると、居間には見事な竜の絵が。どうやら竜が“降りてきた”のだと知った善次郎は、改めてお栄の腕前に感心するのでした。


 しばらく経ったある日、お栄はお猶を散歩に連れ出します。大橋で回りの音を感じ取るのが好きなお猶と、並んで橋の上に立っていると、そこへお栄が片想いをしている絵師・初五郎(声:筒井道隆)が通りかかります。お栄は平静を装いますが、その態度の変化をお猶は勘づきます。初五郎とはその場で別れ、その後2人は江戸の町を満喫するのでした。


 秋になり、吉原へ花魁を描きに行くというお栄。ところが、モデルが小夜衣(声:麻生久美子)という花魁だと聞いた善次郎は、何故か鉄蔵を連れ、お栄の後をついてきます。それもそのはず、実は小夜衣には、
「明け方、首が伸びるのを見た。」
という、奇妙な噂があるのでした。お栄が絵を描き終えた後、善次郎がその話を切り出すと、案の定小夜衣はすぐに立ち去ろうとしますが、ふと鉄蔵が呼び止めます。そして彼は、自身の体験談として、夜な夜な自らの両手が幽体離脱を繰り返したという、世にも奇妙な話を語り出すのでした・・・。


 男勝りの主人公・お栄が、江戸の四季や初めての恋心、そして命の儚さに触れながら、少しずつ絵師として成長していく様子が、浮世絵の風情と共に鮮やかに描き出されていきます。また、お話そのものは怪談のような、不思議な世界観と共に描かれます。その辺りも、この物語の荘厳さを引き立たせる、重要な要素といえると思います。


 出演キャストもかなり豪華なので、是非注目して声を聞いてみて下さい(笑)。



【ワンチャン・ポイント】
※筒井道隆さん・・・本作では、お栄が片想いをしている絵師・初五郎役。役者さんなので、出演作は勿論実写の物が多く、「BALLAD 名もなき恋の歌」「妖怪人間ベム」「魔女の宅急便」等、いずれもお父さん役でご出演。他にも「遺体 明日への十日間」や「映画 深夜食堂」にも出ていらっしゃいます。



オススメジャンル&オススメ度・・・<深く考えたい>


「映画の通信簿2014」発売しました!!
Amazon限定販売ですので、「映画の通信簿2014」で検索下さい♪