王妃の館 | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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小説の不思議な世界観。詩的な愛の物語。


2015年4月25日公開
監督:橋本一
出演:水谷豊・田中麗奈・吹石一恵 他


【賛否両論チェック】
賛:“ダブルブッキング”という旅行会社の奇想天外な作戦と、それに翻弄される登場人物達が愉快。
否:内容も展開もかなり小説チックなので、苦手だと単調で眠くなりそう。


ラブシーン・・・基本的にはなし
グロシーン・・・なし
アクションシーン・・・なし
怖シーン・・・小説のネタが降りてくるシーンは少しだけ怖いかも



 浅田次郎さんの小説が実写映画化されました。主演は水谷豊さん。


 物語の舞台は、花の都・パリ。ホテル「シャトー・ドゥ・ラ・レーヌ」、通称“王妃の館”。ルイ14世が建てたとされるその由緒正しきホテルに到着した、1組のツアー客。添乗員の玲子(田中麗奈)に連れられやってきたのは、小説家の北白川右京(水谷豊)・OLの香(吹石一恵)・会社経営の金沢(緒方直人)とその恋人のミチル(安達祐実)の3組。それぞれ自室に荷物を置くと、早速観光ツアーに出かけていくのでした。


 ところが、玄関のドアが閉まるやいなや、ホテルの従業員達は大慌てで行動を開始。3組の部屋の私物の配置を写真に納めると、全て回収し、何もなかったかのように片付けます。そしてしばらくすると、今度は別の一行が到着し、同じように部屋に入っていきます。やってきたのは、警官の近藤(青木崇高)と二丁目のスター・クレヨン(中村倫也)の妙な相部屋の2人・訳ありげな一人旅の丹野(石橋蓮司)・そして右京を追ってきた出版社の香取と早見。実はこのツアーの添乗員・戸川(尾上寛之)と玲子は、同じ小さな旅行会社の人間。倒産寸前の会社を救うべく、社長である玲子は奇策中の奇策を計画。費用を半分にするために、2組のツアーを同じ部屋にブッキングします。玲子のツアーはいわば“表”。値段も高く、夜は部屋を使って宿泊し、日中は観光に出かけます。一方、戸川のツアーは“裏”。値段も抑えめで、日中だけ部屋を満喫してもらい、夜は何かと理由をつけて外出させたり、屋根裏部屋に泊まってもらったりするのでした。


 この、極めて危険で綱渡りなブッキングでしたが、最初のうちは案外順調に進んでいました。しかし次第に我を通し始め、てんでばらばらな行動を始めるツアー客達に、玲子と戸川は冷や冷やしっぱなし。中でも行動が読めない右京は、玲子の手を焼かせます。一方、パリの美しい情景に感化された右京は、執筆も進み始めます。“ルイ14世”を主人公にしたそのお話は、やがて右京自身も予想だにしなかった展開を見せるのでした・・・。


 “ダブルブッキング”という奇想天外な状況にあって、なんとかバレないように奮闘する玲子達の姿がとてもユーモラスです。また、登場人物達も皆一癖も二癖もある人物ばかりで、思わず笑ってしまいます。そんな中で、様々な“愛”に悩む人間達が、次第に自らの歩むべき道を見つけていく姿が印象的です。現実の世界観と、右京が描く小説の世界観が交錯していく様子も、とても詩的です。


 ただ、水谷豊さん主演で役名も「右京」なので、「相棒」の劇場版だと思っていらっしゃる方が結構多いようです。全く関係ありませんので、悪しからず(笑)。結構小説チックなお話なので、小説好きな方にオススメです。



【ワンチャン・ポイント】
※緒形直人さん・・・本作では、“表”のツアーに参加する会社社長・金沢役。言わずと知れた緒形拳さんの息子さんで、「サクラサク」での家族の再生を目指す父親役や、「SPACE BATTLESHIP ヤマト」での島大介役でお馴染みです。他にも最近では「武士の献立」や「遺体 明日への十日間」にもご出演なさっていらっしゃいます。


オススメジャンル&オススメ度・・・<笑いたい>


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