グッド・ライ いちばん優しい嘘 | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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これが世界の現実。文化の違いを越え、育まれた友情。


2015年4月17日公開
監督:フィリップ・ファラルドー
出演:アーノルド・オーチェン
リース・ウィザースプーン 他


【賛否両論チェック】
賛:文化の違いを通して、戦争の悲惨さや当たり前の日常のありがたさを痛感させられる。タイトルの意味にも感動。
否:テーマが非常に重いので、気軽に観られる作品ではない。


ラブシーン・・・なし
グロシーン・・・殺害シーン多数あり
アクションシーン・・・基本的にはなし
怖シーン・・・内戦のシーンは結構怖いかも



 かつて実際に行われたという、アメリカによるスーダンの難民移住計画を基にした作品です。


 全ての始まりは、1987年のスーダン。現地の少年・マメールは南スーダンで家族と暮らしていましたが、内紛が悪化し、ある日北スーダンの兵士達によって村が襲撃されてしまいます。彼らの両親を始め村人はほぼ皆殺しにされ、彼らは命からがら逃げ延び、エチオピアを目指してひたすら歩き続けます。しかし、エチオピアとの国境も北の兵士によって封鎖されており、やむなく彼らはケニアを目指すことに。その途中、マメールは兵士に見つかってしまいますが、とっさに長男のタオが身代わりとなり、連れていかれてしまうのでした。その後、兄弟の1人を病気で失いながらも、なんとかケニアの難民キャンプにたどり着いたマメール達。それからの13年を、難民キャンプで過ごすことになるのでした。


 13年後の2001年、マメール達に転機が訪れます。アメリカ政府が進めていたスーダン難民の受け入れ計画が実現し、キャンプから選ばれた難民3600人が、アメリカ本国へ移送されることに。マメール達兄弟も、アメリカに移住出来ることになります。喜びいさんで飛行機に乗り込んだ彼らでしたが、途中で予想外のトラブルが発生。マメール達はカンザスシティに向かいますが、マメールの実の妹・アビタルだけはカンザスシティで受け入れ先がなく、ボストンに送られることになってしまいます。なんとか家族が離れ離れにならないよう懇願するマメールでしたが、望みは叶わず、アビタルとは分かれて暮らすことになってしまうのでした。


 彼らを出迎えたのは、職業紹介所のキャリー(リース・ウィザースプーン)。文化が違う彼らは、キャリーが未婚のキャリアウーマンと知り驚きます。そして悪気なく、
「素敵な旦那さんが見つかりますように。」
と祈るのでした。その後もキャリーは、マクドナルドどころか電話の存在も知らない彼らに翻弄されっぱなし。しかしやがてキャリーは、努力して新しい環境に慣れようと必死に生きるマメール達の姿に、感化されていきます。そして、どうにか彼らの力になろうと、奔走するのでしたが・・・。


 アメリカに来て文化の違いに驚くスーダンの青年達を通して、戦争が生む悲惨な現実や、普段当たり前に過ごしている毎日のありがたさを痛感させられます。スーダンでは食料もなく、生きるためにハイエナの残し物や自らの小水をも口にしてきたマメール達が、アメリカでは賞味期限が切れた商品をすぐに捨ててしまう現状を目の当たりにする描写なんかに、それがよく表れています。「文化の違いに驚く」といっても、決して明るく描かれているわけではなく、深く考えさせられる社会派の作品です。そして、スーダンの青年達役で出演されている方々が、みんな実際の難民だったりその2世だったりする事実にも、また驚かされます。この作品が一概にフィクションで片づけられない現実が、そこにあるんだと実感します。


 物語自体は単純なストーリーではありますが、「いちばん優しい嘘」の真実と切ないラストに、思わず胸が締めつけられる想いです。


 内容的に、全然気軽に観られる作品ではありませんので、是非心してご覧になってみて下さい。



【ワンチャン・ポイント】
※今回はお休みです。


オススメジャンル&オススメ度・・・<深く考えたい>


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