ソロモンの偽証 <後篇・裁判> | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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予定調和な展開と、予想を裏切る人間ドラマ。


2015年4月11日公開
監督:成島出
出演:藤野涼子・板垣瑞生 他


【賛否両論チェック】
賛:“同級生の死”に端を発した事件を、大人に巻かれてうやむやにせず、臆することなく自分達の手で明らかにしていく主人公の強さに心打たれる。
否:謎解き要素はほとんどないので、ミステリー好きには消化不良かも。登場人物達の言動にも、なかなか共感しにくい。


ラブシーン・・・なし
グロシーン・・・殺害シーン・暴力シーンあり
アクションシーン・・・基本的にはなし
怖シーン・・・雰囲気は結構怖いかも



 宮部みゆきさん原作のミステリー、その映画化・後篇です。


 前年のクリスマスの朝、中学校の校庭で見つかった、2年生の柏木卓也の遺体。同級生の藤野涼子(藤野涼子)達が、
「自分達で裁判を開いて、真実を明らかにする。」
と動き出してからしばらく経ったある夜、テレビ局の茂木の下に、“涼子達の同級生”を名乗る女性から、
「裁判を取材して、やめさせてほしい。」
と電話がかかってきます。しかし女性がうっかり、「ウチの樹理」と口を滑らせたことから、電話の主はすぐに三宅樹理の母親(永作博美)だと判明してしまいます。実はこの樹理こそが、
「柏木卓也は、同級生の大出俊次達に殺された。」
という告発状を書いた張本人でした。裁判で検事を務めることになっている涼子は、茂木から電話の一件を聞くと、樹理の自宅を訪問。母親の制止を振り切り、
「裁判に証人として出廷してほしい。」
と想いを伝えるのでした。


 一方、大出の弁護人を努める神原和彦は、めげずに彼の自宅を訪問。幸いなことに、ヤクザまがいの父親は逮捕されており、無事に大出とは会うことが出来ますが、大出は裁判を開くことに反抗。神原にコーヒーを浴びせたり、人格を否定するような激しい言葉を吐き続けます。それでも神原は挫けることなく、大出の被告人としての出廷を説得し続けるのでした。


 そんな中、調査を続ける涼子達検察側に、柏木卓也の両親から新たな情報がもたらされます。それは、事件当夜の柏木家の電話の通話記録。それによると、柏木卓也が出たと思われる不明な着信が合わせて4件あるとのことで、涼子達が調べたところ、全て近隣の公衆電話からの着信でした。事件の謎が深まる中、ついに大出が出廷を了承。そして、母親の過保護さに嫌気が差していた樹理も、涼子を呼んで、
「裁判に出たい。」
と直訴。こうして役者は揃い、迎えた8月15日。5日間に渡る前代未聞の校内裁判が、ついに開かれるのでしたが・・・。


 前作までの流れは冒頭で説明してくれるので、最悪予備知識がなくても大丈夫そうです。前作に引き続き、事件そのものの謎というよりは、それにまつわる人間関係の「何故?何のために?」という部分の謎が、裁判を通して明らかになっていきます。大人や世間からの圧力に負けず、「無理だ」という言葉にも挫けずに、真実を追い求め続ける主人公達の姿に、中学生だからこそ持てる純粋な心を感じ取ることが出来ます。反面、登場人物達の行動の中には共感しにくい部分も多く、なかなか感動はしにくい作品かもしれません。


 ミステリーというよりは、どちらかというと人間ドラマをじっくりと観たい方に、是非オススメです。



【ワンチャン・ポイント】
※成島出監督・・・本作の監督さん。本作のような人間ドラマをスケールを問わず描かれている方で、最近では他にも吉永小百合さん主演の「ふしぎな岬の物語」や、佐藤浩市さん主演の「草原の椅子」、井上真央さん主演の「八日目の蝉」なんかが有名なところ。他にも堤真一さん主演の「孤高のメス」や、大沢たかおさん主演の「ミッドナイトイーグル」等も、成島監督作品なんですね。


オススメジャンル&オススメ度・・・<ハラハラしたい>


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