風に立つライオン | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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地域や時代を越えて紡がれる、壮大な命の物語。


2015年3月14日公開
監督:三池崇史
出演:大沢たかお・石原さとみ・真木よう子 他


【賛否両論チェック】
賛:必死に生きようとする姿や、子供まで犠牲にする恐ろしさなど、人間の美しい部分と醜い部分がこれでもかと描写されていく。主人公の人柄にも感動。
否:切断手術など、苦手な人には不向きなシーンが多い。上映時間も長めなので、やや蛇足なシーンもあるか。


ラブシーン・・・なし
グロシーン・・・手術のシーンが結構あり
アクションシーン・・・基本的にはなし
怖シーン・・・ゲリラのシーンは少し怖いかも


 さだまさしさんの名曲「風に立つライオン」を基にした小説の映画化です。


 物語は、主人公にまつわる人々が、それぞれに過去を回想する形で進みます。 東日本大震災の24年前の1987年。ケニアのナクルにある熱帯医学研究所に、2人の新任医師がやってきます。1人目の青木(藤原聖人)から遅れること3日、
「寝坊して飛行機に乗り遅れた。」
という島田航一郎(大沢たかお)は、早速所長の村上(石橋蓮司)を呆れさせますが、彼はなかなかの腕とコミュニケーション能力で、すぐに信頼を得るようになっていくのでした。


 しばらくしたある日、ロキチョキオという村の赤十字病院から要請があり、航一郎と青木が1ヶ月派遣されることになります。病院は患者数の割に医師不足が深刻で、到着したばかりの2人も院長・ロビーへの挨拶もそこそこに、すぐに患者への対応に追われることに。ロキチョキオはスーダンとの国境に近く、赤十字病院には内戦による負傷者が次々と運ばれてきます。劣悪な環境の中、処置出来る治療法も限られており、ロビーに言わせると、
「ここでは傷口の洗浄と四肢の切断が主な仕事だ。」
とのこと。2人はその日だけで4人の患者に、“切断”という治療を余儀なくされ、改めてその現実を思い知らされるのでした。


 「ここは、俺達みたいな半端者が来るべき場所なのだろうか・・・?」
という自問自答の中、1ヶ月の任期を終え、ナクルに戻った航一郎と青木でしたが、その日から航一郎の顔は曇りがち。彼を元気つけようとマサイ国立公園に連れていった村上に、航一郎は再びロキチョキオへの赴任を申し出ます。その後、再び赤十字病院を訪れた航一郎は、同じようにやってきた看護師・ワカコ(石原さとみ)と出逢います。始めは杓子定規に医療行為を進めようとするワカコに対し、航一郎は
「ここは法律で人を救えるような場所じゃない!!」
と力説。そんな彼の熱意に感化されるかのように、病院内にも少しずつ変化が起き始めていくのでした・・・。


 普段日本人が実感することのない“内戦”という劣悪な環境にあって、それでも必死に生き延びようとする人々の姿や、親を殺してその子供を薬漬けにし兵士にするといった人間の恐ろしさに、これでもかと胸に迫ってくるものがあります。また、そんな現地の人々と真正面から向き合いながら、その明るい性格で人々の希望となっていく主人公の熱意にも、改めて感動させられます。そして、そんなナイロビの様子と対比するかのように描かれる、日本の離島の医療や被災地での様子など、私達にも身につまされる要素も含まれています。


 手術シーンなどが結構多いので、苦手な人には向かないかもしれませんが、目をそらしてはいけない世界の現状がそこに映し出されているのもまた事実。主題歌ともなっているさだまさしさんの曲と共に、深く考えさせれる名作と言える作品です。


【ワンチャン・ポイント】
※鈴木亮平さん・・・本作では、五島列島の小さな島で暮らす心優しい漁師さんの役。この方の代表作といえば、何といっても「HK/変態仮面」ですが(笑)、他にも「ガッチャマン」や「TOKYO TRIBE」での活躍が有名です。「ホットロード」にも出演されていますので、気になった方は要チェックです。


オススメジャンル&オススメ度・・・<深く考えたい>


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