ビッグ・アイズ | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

<ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

観たい映画に迷った時は、このムービーナビをご活用下さい。現在公開中の映画の中から、目的や好みに合わせた映画を探せます。

※「声に出して読みたい映画のセリフ in 2018」 4月8日発売♪

埋もれていた真実。人間の愚かさと、それを見つめる純粋な瞳。


2015年1月23日公開
監督:ティム・バートン
出演:エイミー・アダムス
クリストフ・ヴァルツ 他


【賛否両論チェック】
賛:嘘や見栄といった人間の醜さが垣間見られ、改めて考えさせられる。最初は立場的に弱かった主人公が、娘を守るために自立していく様子にも勇気をもらえる。
否:実話とはいえ、終わり方には賛否両論ありそう。宗教的に意見が分かれる展開もあり。


ラブシーン・・・キスシーンのみあり
グロシーン・・・なし
アクションシーン・・・なし
怖シーン・・・後半のウォルターは少し怖いかも


 かつてアメリカに実在した画家の描いた絵が、実は全てその妻によって描かれていたという、衝撃の実話です。


 物語の始まりは、1950年代のアメリカ。当時は男性優位の社会で、女性は仕事がなければ離婚しなかったような時代にあって、主人公のマーガレット(エイミー・アダムス)は横暴な夫に耐えかね、娘のジェーンを連れて家を飛び出します。その後のマーガレットは、カリフォルニアで家具の装飾の仕事をしながら、休日は市場で似顔絵を描く商売をしていました。彼女の似顔絵は、「眼は心の窓」という想いの下、瞳を非常に大きく描くのが特徴でした。


 そんなある日、マーガレットは近くで風景画を売っていた男・ウォルター(クリストフ・ヴァルツ)に声をかけられます。彼女の才能を褒め称えるウォルターと、マーガレットはすぐに深い仲になっていきます。そんなある日、マーガレットの下に、裁判所から1通の手紙が届きます。それは、
「『母子家庭は子供の教育環境に不適切だ』という元夫からの訴えにより、ジェーンを元夫に引き取らせる。」
という内容でした。取り乱すマーガレットに、ウォルターは、
「それなら結婚しよう。」
と、突然のプロポーズをします。かくして、マーガレットとウォルターは、晴れて夫婦となったのでした。


 自身の絵を売り込みたいウォルターは、知り合いの画廊に絵を持ち込みますが、あえなく断られてしまいます。一計を案じたウォルターは、今度は著名なミュージシャン・ドンヴァッティのライブハウスの壁を借り受け、そこに自身の風景画とマーガレットのイラストを展示することにします。しかし、貼られたのがトイレの通路だったことから、ウォルターは激怒。店内でドンヴァッティと大ゲンカになってしまいます。ところがこのケンカが話題となり、ウォルターの絵は一躍注目を集めるようになります。正確にいうと、注目を集めたのはマーガレットの大きい瞳のイラスト“ビッグ・アイズ”だったのですが、見栄っ張りなウォルターは、マーガレットのイラストを自分が描いたことにしてしまいます。最初こそ閉口していたマーガレットでしたが、そんな彼女の想いとは裏腹に、ビッグアイズは爆発的な人気になっていきます。そこから、“夫のゴーストペインター”という、マーガレットの奇妙な生き方が始まるのでしたが・・・。


 女性の立場がまだまだ弱い時代にあって、夫に依存するしかなかったマーガレットの複雑な想いと、やがて自分をしっかりと持って自立していく様子が、とてもたくましく描かれています。そして、そんな嘘や見栄で塗り固められた大人達の世界を、間近で黙って見てきた娘のジェーンの姿もまた、人間の哀しさを訴えかけるようで、心に刺さります。後半のウォルターの変貌ぶりは目に余るものがありますが、これもまた人間の醜さを垣間見られるような気もします。


 “本当の幸せとは・・・?”という問いかけを、絵画という具体的な表現方法を通して投げかける、そんな作品です。


【ワンチャン・ポイント】
※クリストフ・ヴァルツ・・・本作では、口達者で商売上手なものの、虚栄心の塊で嘘をつき続ける夫・ウォルター役。饒舌で掴みどころのない役はお手の物で、クエンティン・タランティーノ監督の西部劇「ジャンゴ 繋がれざる者」や、子供のケンカに親が出る「おとなのけんか」などが有名なところ。他にも「グリーン・ホーネット」や「イングロリアス・バスターズ」「三銃士 王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船」等にも出演されています。


オススメジャンル&オススメ度・・・<深く考えたい>


本サイトはこちら→ http://movienavi.net/