サンバ | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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厳しい現実の中にある、喜怒哀楽を見事に体現。


2014年12月26日公開
監督:エリック・トレダノ
オリヴィエ・ナカシュ
出演:オマール・シー
シャルロット・ゲンズブール 他


【賛否両論チェック】
賛:ただ移民の厳しい現実を語るだけではなく、その中で紡がれていく様々な感情を、見事に表現している。
否:終わり方には、少し消化不良感が残るかも。ラブシーンも少しあり。


ラブシーン・・・少しあり
グロシーン・・・なし
アクションシーン・・・基本的にはなし
怖シーン・・・なし


 ビザの期限切れで国外退去になってしまった黒人青年を描いた、フランス映画です。


 主人公・サンバは、結婚式場のキッチンで皿洗いをしている青年。ある夜、県庁にビザの更新申請に行ったサンバは、期限切れを理由に申請を却下されてしまい、入官に勾留されてしまいます。そんな彼を救うために、移民の支援団体からやってきたのは、研修生の女性・マニュと、うつ病で休職中に支援団体の手伝いをしている女性・アリスでした。薬の副作用からか、どこかボーッとしているアリスは、マニュに色々と指摘されながらも、サンバのために有利な証拠を集めるべく、彼が同居しているという伯父のところへと向かいます。サンバの伯父はレストランで料理人をしており、サンバにまつわる資料を沢山持っていましたが、生憎公式な書類は1つもありませんでした。


 一方のサンバは、勾留所で同じような境遇の男・ジョナスと出逢います。最愛の人を2年も置き去りにしているというジョナスは、耐えきれずにある夜脱走を図ろうとしますが、サンバは、
「馬鹿なことをするな!!」
と押し留めます。その甲斐あって、脱走を図った他のメンバーは全員捕まってしまいますが、ジョナスは難を逃れるのでした。しかし、サンバの裁判は上手く行かず、彼は国外退去命令を受けてしまいます。当然ながら出国する気はないサンバは、釈放後に伯父から、
「これからは今まで以上に、行動に気をつけろ。」
と忠告されます。


 そんな中、次第にお互い惹かれ合うようになっていく、サンバとアリス。ところが、
「自分の代わりに彼女を探してほしい。」
とジョナスに頼まれていたサンバは、パリ中を探し回った末に見つけたジョナスの女性と、一夜限りの関係を持ってしまいます。罪悪感に苛まれるサンバを救ったのは、他ならぬアリスでした。その後、サンバは日雇いの仕事を続けながら、アリスやマニュ、そして県庁で出逢った陽気な青年・ウィルソンをも巻き込んで、なんとか料理人になるべく、奔走するのでしたが・・・。


 まず、“移民”というだけで日陰に追いやられてしまう、悲しい現実が赤裸々に描かれます。しかしその中にあっても、例えば日常のふとしたジョークだったりとか、親しい間柄の何気ないケンカだったりとか、喜怒哀楽様々な感情を体感することが出来ます。サンバの真面目でユーモラスな性格も、観ていて思わず微笑んでしまいます(笑)。テーマはシリアスですが、決して悲しいだけではないのが魅力です。


 後半はやや失速感というか、終わり方は好みが分かれそうな気はしますが、笑って泣けるフランス映画を、是非劇場でご覧下さい。


【ワンチャン・ポイント】
※エリック・トレダノ&オリヴィエ・ナカシュ&オマール・シー・・・本作の監督と主演の組み合わせ。半身不随の大富豪と、彼を対等に扱う黒人青年のヘルパーとの友情を描き、日本でも大ヒットした「最強のふたり」のメンバーです。その、重いテーマをユーモラスに切り取る手腕は、本作でも遺憾なく発揮されていますね。


オススメジャンル&オススメ度・・・<深く考えたい>


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