ぼくたちの家族 | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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綺麗事だけじゃない、これが〝家族”。


2014年5月24日公開
監督:石井裕也 出演:妻夫木聡・池松壮亮・原田美枝子・長塚京三 他


【賛否両論チェック】
賛:母親の病気が発端となり、様々な現実を突きつけられていく様子がリアル。それでも、どこかで相手のことを思いやれる家族の愛に、また感動。
否:展開はややご都合主義か。BGMなんかも少なめなので、興味がないと眠くなるかも。


ラブシーン・・・なし
グロシーン・・・なし
アクションシーン・・・なし
怖シーン・・・なし


 実話を基に、重病を患った母親を取り巻く、家族の再生の物語です。「サクラサク」よりも、金銭面での現実にスポットを当てた印象です。
 若菜家は、小さな会社の社長の父(長塚京三)と母(原田美枝子)の二人暮らし。子供達は家を出ており、結婚している長男・浩介(妻夫木聡)と、大学に行かない大学生の次男・俊平(池松壮亮)の二人がいました。ところが最近、母親の物忘れがひどくなり、頼まれたことを忘れたり、ボーっとして夕飯を作るのを忘れていたりするなど、父親はそんな彼女を心配していました。そんな折、浩介の妻・深雪(黒川芽以)が懐妊したとの連絡があり、両家の両親を交えて、食事をすることに。しかしその席で、母は深雪の名前を間違えたり、支離滅裂な言動をとり、取り乱してしまいます。いてもたってもいられなくなった父は、浩介と共に母を病院に検査に連れて行きます。そこで医師から告げられたのは、「脳腫瘍で余命1週間」という、まさかの宣告でした。
 突然のことで、動揺を隠せない父。浩介は、俊平も加えて男3人の家族会議を開きますが、俊平はいつもと変わらぬ軽い調子で、浩介は業を煮やします。ひとまずは3人交代で、入院した母の面倒を見ることになりますが、その後も母の病状は悪化し、ついには浩介の顔も忘れてしまいます。さらに彼らに重くのしかかるのは、医療費の問題でした。
 実家を整理していた俊平が、母がサラ金から多額の借金をしていたことを発見。おまけに、父は独立時の借金が数千万円あり、医療費の負担は絶望的。浩介はなんとか金銭面で協力をしようとしますが、妻の深雪は、
「産まれてくる子供には、お金の面で絶対に苦労をかけたくないの。そのために私達が必死で貯めてきたお金を、治療費に回すの!?」
と猛反対。俊平は父に自己破産を提案しますが、浩介が借金の保証人になっており、もし父が自己破産をしてしまうと、その返済は浩介に回ってきてしまうため、破産も出来ません。八方ふさがりの若菜家は、次第に殺伐としていってしまいます。そうしている間にも、宣告された1週間は、刻一刻と迫ってきているのでした・・・。
 こうした家族の再生の物語は結構ありますが、この作品では、決して綺麗事だけでは語れない「金銭」の問題も、真正面から描かれています。そんな中、一見ひょうひょうとしている俊平が、実は1番母のことを心配していたりとか、どこかでちゃんとつながっている家族の愛が、また感動を誘います。
 展開はややご都合主義的な感も否めませんが、現代の日本には避けて通れない問題がしっかりと描かれている作品ですので、家族を愛する全ての皆さんに、是非観ていただきたい映画です。


オススメジャンル&オススメ度・・・<感動したい>


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