松樹千年の翠(しょうじゅせんねんのみどり)
この禅語を見ているだけで、心が洗われるかのようなすがすがしい気持ちになる。
「松の木は千年変わることなく緑を保っている」という意味であるが、いつも同じ緑色ではない。季節や年代によって、少しずつ変わっている。それが自然である。小さな変化かもしれないが、長い目で見れば、変わっていない。
人間の人生は平均80年である。
短命で終わる人もいれば、長寿を全うする人もいる。
その人の人生において、さまざまな変化があるが、長い人生で見れば、通過点に過ぎない。
振り返ると、自分の人生で、いろんなことがあった。
でも、松を見ると、いつも同じ姿である。冷静沈着である。なんとも、羨ましい。
人の一生は重い荷物を背負うて遠き道を行くが如し。
これは、徳川家康公の遺訓の始まりの文であるが、あせらず、こつこつと歩んでいきたい。
だって、人生は長いし、あせる必要はないから。
もちろん、松のように1000年も生きることはできないが、それでも、80年という長い人生だから。