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題名・夜のない窓
著者・連城三紀彦
発行・文春文庫れ1-8
1993年6月10日第1刷
1996年3月10日第4刷


この一冊は怖いです!
いやホラー的怖さではなく、人間の心というのは怖いなあ…と。

特に男と女が結婚という契約を交した、あるいは交すためのさまざまな心情は、人間の心でも特に怖いのかもしれない…そんな発想をしてしまう一冊です。

結婚という縛られた契約上での男女は、嫉妬や怒りなどという分かりやすい感情より、もっと深く掘り下げた心の闇の中で、色々な駆け引きを繰り返していると言えるかもしれません。

もし結婚を考えているならば、一読をおすすめします。
結婚を考え直す…という意味ではなく、結婚とはどういうものか理解するために、という意味で。

私自身も含めて、幸せな結婚が理想だしそれは十分可能でしょう。
しかしそのためには色々な心を奥にしまい、鍵を掛ける事が必要なのではないか…と考えるのは、この本のせいかもしれません(笑)

「今夜だけ」「午後だけの島」「夜のない窓」「山雀」の4編収録。

最後の「山雀」でちょっとだけ救われます???