題名・天の夕顔
著者・中河与一
発行・新潮文庫な6-1
昭和29年5月31日発行
昭和41年6月30日二十九刷改版
平成13年10月25日八十刷
うむむ…100円文庫恐るべし!!
まれにすごい作品に出会います、100円で(笑)
この作品は戦前に発表され大ベストセラーとなり、海外にも翻訳されて高い評価を得た純愛小説です。
若い主人公が愛した女性は年上の人妻…二人はお互い相手を強く想いながらも妻であり母であるが故に結ばれない。
何度かの別れと再会。
しかし心の結び付きのみでいつまでも貫くプラトニック…
主人公はついに孤独の人生を選択し、雪山にこもる。
真の孤独の中で膨らむのはやはり彼女への想い…
出逢いから20年もの歳月を経ても変わらぬ想い。
意を決して再会した彼女と交した「5年後に…」という待ちこがれた約束。
しかしそれは果たされなかった…永遠の別れが訪れたから。
ある意味非人間的とも言える純愛ですが、それを貫く心に私たちは憧れる。
それほど想える相手に人生の中で出逢えたら、それだけでも幸せなのかもしれない。
貴重な短い一生なのだから…