グ・スーヨン監督『巫女っちゃけん。』インタビュー | C2[シーツー]BLOG

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川本 朗(カワモト アキラ)▶名古屋発、シネマ・クロス・メディア
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▼映画ライター=尾鍋栄里子。C2[シーツー]、Kelly、朝日新聞ほかで執筆!  

 すっかりご無沙汰しとりましたが、2年数ヶ月の時を経て「オー!ナイス!」が復活いたしました! 2018年は映画好きの方はもちろん、あまり興味のない方にもオススメの「オー!ナイス!」な映画や人を紹介していきたいと思ってますので、よろしくどうぞ。

 

 さて記念すべき復活第1弾、2018年のトップバッターとして紹介したいのはグ・スーヨン監督。2月3日(土)公開の『巫女っちゃけん。』を引っさげて名古屋へやってきました。

 

 

コワモテ監督の優しさがあふれる映画『巫女っちゃけん。』

 

 グ監督といえば、エステサロンTBCの「脱いでもスゴいんです」をはじめ数々のCMを手掛け、『偶然にも最悪な少年』『プルコギ』などの映画も監督。半自伝的小説を映画化した『ハードロマンチッカー』の暴力描写があまりに鮮烈で、勝手に武闘派なイメージを抱いていたけれど(すいません!)、最新作は神社を舞台に巫女と子どもの交流を描いた『巫女っちゃけん。』。一体どんな心境の変化!? と思いきや、やっぱり単純な感動ドラマではありません。まず強烈なのが主人公しわすのキャラクター。巫女でありながら常識も礼儀もやる気もない、態度も口も悪い上に、ダメなことはすべて人のせい。このサイテー、サイアクなヒロインを、今をときめく美人女優姉妹の姉、広瀬アリスが演じているのだからビックリ。

 

 

「本人は『私もガサツなところが多いので、どっちかというと素です』って言ってましたけど、そんなことはない(笑)。本当に良い子ですよ。美人ですしね。ただ役としても明るい良い子が多かったから、こういう役をやってみたい、殻を破りたいと思ってもらえたみたいですね。ガサツな巫女なら他にもピッタリの人はいるけど、僕たちとしてはギリギリがさつな、ちょいズラしちょいズラしぐらいのところを狙っていたので、うまくハマッてくれました。賢くて勘もいいですし、撮影でも助けていただきました」

 

 

 広瀬アリスがあの端正な顔でガンを飛ばし、あぐらをかいたり、暴言を吐いたり、さらにMEGUMI演じるシングルマザーと取っ組み合いまで繰り広げる。自身のイメージを打ち破るはっちゃけた演技がなんとも痛快!

「足グセ悪くするところは全部アドリブですね。袴を履いていると少しぐらいでは行儀悪く見えないので、立て膝をついたり、あぐらかいたり思う存分やってもらいました。MEGUMIさんに対して言い放つ『クソババア!』もアドリブなんですよ(笑)」

 

 

 さらに強烈なのが、MEGUMI演じるシングルマザーと飯島直子演じるしわすの母。子どもよりも女としての自分を優先。決していい母親とは呼べないキャラクターながら、そこにはグ監督の想いが込められているのだとか。

「5歳の女の子とタクシーエムTV『グとハナはおともだち』(東京のタクシーで流れている番組)というのをやっていたので、保育園の企画の話なんかもあったんです。それで調べてみたら色々な問題があるんですよ。子どもの問題は解決するのが本当に難しい。今は誰かのせいにしたい、答えが欲しい世の中になっていると思うんです。でも絶対に答えなんてないですし、みんなが満足する解決法なんてありえない。貧困とか母子家庭とか父子家庭とか、そんな事情や環境のせいじゃないところで折り合いをつけないと穏やかにはなれないですよね。折り合いというのは思いやりのことなんじゃないかなって、この映画で感じてもらえたらいいなと。まあ、ひどい女の人ばっかり出てくるので、カミさんに女に恨みでもあるの?私に対して何かあるわけ?と言われましたけど(笑)。逆に感謝があって憧れがあるからこそ、ああはなって欲しくないなって。反面教師ですね」

 

 

 最悪な母と子どもの関係が描かれるなかで、心にじんわり沁み入るのがしわすの父で宮司でもある大鳥の深く優しい言葉。演じるリリー・フランキーの静かな語り口も魅力的。

「映画を観たリリーさんは『僕と監督がひた隠しにしてきた優しさが出ちゃいましたね』って言ってました(笑)。リリーさんは決して善い人ではないと思いますよ。飲んだくれだし、悪いこともいっぱいするし。でも宮司と一緒で懐が深いんですよね」

 

 

 さらに懐が深いのは、本作の舞台となった宮地嶽(みやじだけ)神社。嵐が出演した“JAL”のCM、光の道で有名な宮地嶽神社は、やんちゃな巫女と少年が暴れ回る本作の撮影にも快く協力してくれたのだそう。

「大丈夫でしょうか?ってこちらが恐縮していると、『だって映画ですよね?これが本物の巫女とは思わないよね』と言ってくださって。どこかのクライアントやテレビ局に聞かせてあげたいくらい(笑)。宮司さんも神社も心が広いんです。普通は絶対に入っちゃいけない場所も『いいよー』って(笑)。神社は事情や環境をフラットにしてくれる場所だからこそ、今回の映画の舞台にピッタリだと思ったんですが、すべてを受け入れるってそういうところなんだなって感じましたね」

 

 宮地嶽神社の厳かで穏やかな空気感と共に、観る人の心をふっと楽にしてくれる『巫女っちゃけん。』。自他共に認めるコワモテ、グ監督の隠しきれない優しさをぜひ映画で感じてみて。

 

INTERVIEW&TEXT=尾鍋栄里子

 

『巫女っちゃけん。』2018年2月3日(土)→イオンシネマ名古屋茶屋ほか

公式サイト  

 

(C)2017「巫女っちゃけん。」製作委員会

 

#エーガね

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