昨日の午前は、第34回日本催眠学会学術大会に於いて「緩和ケアのためのターミナルヒプノ」と題して事例発表をさせて頂きました。全33枚のスライドから抜粋した13枚と、発表した内容のコアな部分を選んでご紹介させて頂きます。

 

 

ターミナルヒプノとは、余命告知をされた方とそのご家族のために開発された催眠療法です。

 

 

「療法」にはご本人向けのものと、ご家族向けのものがあります。また「講座」にはご家族と施術者向けの基礎講座と、施術者向けの応用講座があります。

 

 

療法では、まずライフレビューカウンセリングを行い、その内容に応じてテーマを定め、主に5つの催眠技法のコンビネーションによりセラピーを行います。

 

 

この表の縦軸は被験者のスピリチュアリティの度合いを、横軸は各催眠技法を行うのに必要な催眠深度をあらわしています。被験者のスピリチュアリティと催眠受容性を確認して技法を選び実施してゆきます。

 

 

これからご紹介をするのは、末期ガンである女性の事例です。プライバシーに配慮してプロフィールに改変を加えています。59歳主婦TUさんの事例紹介です。約一ヶ月の間に全3回のターミナルヒプノを行いました。

 

まずライフレビューカウンセリングを行い、人生のポジティブな要素とネガティブな要素を確認しました。他界した父親は最も頼れる存在であったことがわかりました。その一方で、存命中の母親に対する葛藤があることがわかりました。理由は幼少期に、多忙だった母親から相手にされなかった、愛されなかったという記憶があったからです。またその一方で、夫とのコミュニケーションの問題は、がん告知後に改善していることもわかりました。また印象的なエピソードとして、30代でキリスト教の洗礼を受けたものの、輪廻転生は無いという教義の一点に疑問を感じて、まもなく信仰をやめたというものがありました。しかしここにきて「不安と暮らしながらも、神は愛であるということを感じようと努めている」という心のあり方を確認しました。

 

 

カウンセリングの内容を踏まえて施術テーマを三つ提案してご本人の承諾を得ました。

 

 

第一回目のセッションでは、催眠下で亡き父親のイメージが想起され、励まされるという体験をされました。また、父親からピンク色の癒しのエネルギーを注がれるというイメージを思い浮かべられたことから、

 

 

それを利用して、そのエネルギーにより癒されてゆくというイメージワークを十分に行いました。解催眠後、ホームワークとして、その癒しのイメージの再想起を毎日決まった時間に一定時間継続することを提案しました。

 

 

第二回目のセッションは催眠下で胎児期退行になりました。子宮のなかの胎児として母親の愛情を感じる体験をされたことから、

 

 

そのイメージを利用して、臍の緒から新鮮な栄養と酸素と愛が豊かに流れ込んでくる、というイメージワークを十分に行い、解催眠しました。

 

 

第三回目のセッションは前世療法を行いました。催眠下で、古い時代のヨーロッパで農家の女性だった過去世のイメージが想起され、その当時の罪をキリストに詫びる体験をされました。それに対するキリストの返答は「それは罪ではない、すべては許されている、すべてはよしである、すべてはいい」でした。

 

 

キリストの許しがヒーリングとなり、喜びに満ちていると語られました。解催眠後、自分に落ち度があって病気になったと思っていたが、罪悪感が払拭されたと語られました。

 

 

そしてこちらは、全三回の施術におけるSTAI心理検査スコアの推移です。状態不安とは測定時点での不安状態の強さを、特性不安とは不安になりやすい性格傾向を表しています。

 

  段階 特性不安 状況不安
非常に高い 55~ 51~
高い 45~54 42~50
普通 34~44 31~41
低い 24~33 22~30
非常に低い ~23 ~21

(STAI評価基準・女性)

 

状態不安の段階は施術前は64点と「非常に高い」段階にありましたが、最初のセッション後に39点の減少があり、その後は「普通」段階以下をキープし、全三回の施術後は21点という「非常に低い」段階を示しました。また 特性不安の段階は施術前は51点で「高い」段階にありましたが、初回セッション後に11点の減少が起こり、以降は「普通」段階以下を維持し、全三回の施術後は36点と「普通」の段階を示しました。これらは、ターミナルヒプノが不安の軽減に効果をもたらしことを示唆しています。

 

◆まとめ◆

死の予期悲嘆を抱えるご本人に対するターミナルヒプノを約一ヶ月のあいだに全三回実施しました。初回の施術前と三回目の施術後では、STAI心理検査の状態不安は64点の非常に高い段階から21点の非常に低い段階に推移し、特性不安は51点の高い段階から36点の普通の段階に推移しました。この結果は、心の緩和ケアのためにターミナルヒプノが有効であることを示唆しています。

ターミナルヒプノは現在のところ来所可能で3時間の施術に耐えられる方を対象としていますが、必要とされる現場で短い時間で行える技法を開発する必要があると考えます。

 

・・・・・

 

午後からは大会長講演を受けて60分の前世療法のデモンストレーションを担当させて頂き、シンポジウムではシンポジストとして登壇させて頂き、さまざまな体験に満ちた貴重な一日となりました。大会長に、傍にいてサポートして下さった友人たちに、諸先生方に心より感謝申し上げます。

 

読んで頂いてありがとうございます

珊瑚

 


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