全日本学生フォーミュラ大会 海外編 | 【モーターファン・イラストレーテッド 公式ブログ】

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学生フォーミュラ、先週の土曜(11日)に感動のフィナーレを迎え、
大阪大学が昨年の四位から躍進、見事総合優勝を飾りました。
今年はオイル周りに手を入れて、従来持っていた安定性に速さが加わったそう。
優勝したマシンの詳細については10月15日発売のVol.49と
公式ホームページに登場しますので、どんなマシンかじっくりご堪能ください。


二位、三位は昨年と同じ、上智大学と横浜国立大学。
昨年優勝した東京大学は今年からエンジンやレイアウトを含め

マシンを一新したため29位と苦戦でした。


大会を通じてどの大学も真剣にマシンを調整、修理していましたが
それよりも少し緩ーいムードで参加していたのは、
海外勢。


2010年は6校の海外勢が来ていました。
韓国のYeungnam University
中国のTongji University
タイからはKing Mongkut's University of Technology Thonburiと

Thai-Nichi Institute of Technology、Chulalongkom University
そして一番遠くはドイツのUniversity of Applied Science Munich


日本の大会に出る理由を韓国のチームに尋ねてみると
「日本の大会は本場アメリカよりも手軽に参加できるから」
なんだそうです。
確かに費用などを考えると日本のほうがぐっと経済的ですが、
なんだかアメリカの前座的存在のようでちょっと悔しくもあります。


タイの学生さんのノリは比較的日本のチームに近く、
常にメンバーがマシンを取り囲んで、あぁでもない、こうでもないと調整。
(その甲斐あってかThai-Nichは20位、King Mongkut'sは21位!)
空いている時間があると女の子ひとりでも熱心に各チームを回って勉強していました。


でも、アクセラレーション会場にてタイの学生さんのこんな一面も発見。
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赤いつなぎを脱いだ下には



見えますか?

拡大するとこうです。頑張れ。


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あぁ、そうなんだ…



ドイツのApplied Science Munichは世界中のSAEに片っ端から参加したいとのことで


イタリア、ハンガリー、アメリカ…今年だけで日本も含めて

7つの大会に参加しているそう。
彼らはもう大学生というよりひとつのレーシングチームなんじゃないか、

と思ってしまいました。
マシンもカーボンフルモノコックボディで、

フォーミュラの下位カテゴリーを走っていてもおかしくない美しさ。


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マシンかっこいいね、と話しかけてみると
あぁ。このマシン確かにかっこいいんだけど、重たいんだ…。

それが原因かどうかわかりませんが、

この日の夕方にドライブシャフトを折ってしまい、
学生フォーミュラ大会の駆け込み寺、

静岡理工科大にて一晩中修理したとか。


このチームのピットには常に大量のカップ焼きそば。
大会三日目にして食べ方を学ぶべく
あちこちのピットにティファールのケトルと

カップ焼きそばを両手に握りしめたドイツ人学生が出没。


もちろん、真面目に各国の学生さんが

日本の各大学のピットまでやってきて

技術交流している姿もたくさん見かけました。
(一番多かったのはさっきも書いたようにタイの学生さん)
日本の学生さんが皆カタコトの英語で

一生懸命自分たちのマシンについて説明をしている姿は
なんだか微笑ましかったです。


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会話は大概 Can you speak English?から始まる。


学生フォーミュラ大会はまさに盛者必衰の理を表わすかのように
昨年とは大きく異なる顔触れが上位にランクインしています。

F1でもエイドリアン・ニューエイのような

優秀なデザイナーの移籍先が突然強くなるように、
マシンがあってチームがあるんじゃなくて、

人あってのマシンとチームなんだなと感じます。


さて、来年は大阪大学二連覇なるのでしょうか!?
来年の9月も目が離せない戦いとなりそうです。