「縁辺」えんぺんとは端っこ、崖っぷち、最果てで、これ以上追いやられると、奈落の底に転落する、寒くて寂しくて悲しい場所のことだ。

 21世紀の労働のありようは、いつでも切り捨て、使い捨て可能な日雇い的に働かされ、職を失ったらあっという間にホームレスになる恐ろしいものだ。英語ではペリフェリーと言い、ペリフ化はすなわち縁辺化だ。

 あまりに酷い搾取の仕組みの中で、生存権すら保障されず、孤立させられ、分断され絶望の果てに死に至る。

 そんな社会の中で、働く者の権利を守る労働組合に誘い、弁護士や団交などして権利を勝ち取るために日夜奮闘している人々がいる。小さな点であっても、困っている人を救い、資本と政治家に物を言う逞しい彼女たちの取り組みを知り、胸が熱くなった。

 人間の条件としての労働のあり方を追求し、縁辺労働者が切り捨てられない社会を模索する彼女達。政治家に言うばかりでなく、自分達で助け合えるものはどんどん助け合い、市民運動を起こしていくことに活路を見出す。なかなか手を結べない状況だからこそ隣人を愛せる人になれると世の中もっとマシになるか。

若い女性たちがジェンダーばかりでなく社会的視野を広げて活躍しているのは実に胸がすく。主役はできなくても助けることはできる。一人一人が力を貸してなんとか盛り上げていきたいものだ。