六本木の公認会計士いきぬき (息抜き編) -253ページ目

不景気の時代にこそ会計

3月決算の会社、昨年の第3Qからの業績の急下降が激しいですが、


明るい兆しが、ほんのかすかですが、見えている分野もあるようです。


それは、巣篭もり需要をつかんだ、


ゲーム市場であったり、


個人啓蒙の学習分野であったり、


B to Cの分野といえます。



しかし、大部分の分野で、もう、これから先は、


以前のような市場は戻らないと考えたほうがよいという意見も多数聞きます。



日本だけで展開している会社は、今後は人口が減り続けます。


所得の増加も見込めません。


ITのような、私たちの生活をかえる大きな変化もありそうにありません。


このような時代には、会社を縮小均衡させていく勇気が必要ではないでしょうか。



成長性の高い分野を無理に見つけて、


経営資源を集中させるよりも、


生産性の悪い、採算のわるい分野を損切りする。


過去の投資や、育て続けた人材も、サンクコスト(埋没原価)です。




会計士だから言うわけではないですが、


今の時期にカットすべきなのは、営業要員や開発要員です。


経理分野は、縮小すべき分野を合理的に説明できますから、もっとも重要です。



経理とは少し違いますが、会計士は、実は売上を作るのが苦手な分野である一方、


縮小すべきセグメント、人物や商品を数字ではじき出すのは得意です。



懸命な経営者ならば、いまは、たとえば企画・営業要員に経理を学ばせてみる。


経営者自信が会計を勉強する。


思い切って、大胆な提案ができる、外部の若い会計士に顧問をお願いしてみる。


いかがでしょう? 

2009年現在の株式公開(IPO)の現状

株式公開は、起業をした会社が社会に認められ、

創業家が始めて?億単位のまとまった資金を得る一つのゴールです。


ベンチャー企業の夢といえるでしょう。


そして、これが2009年の4月までの株式公開した会社の状況です。

(携帯で見られているかた、みにくかったらごめんなさい。)


2008ネン 2009年
  2006年 2007年 2008年 1~4月 1~4月
株式カブシキ公開コウカイ会社カイシャ 合計ゴウケイ 188社 121社 49社 22社 7社
         
市場シジョウベツ内訳ウチワケ        
JASDAQ 56 46 18 7 2
東証マザーズ 41 23 12 6 1
大証ヘラクレス 37 25 9 3 1
東証1部 13 6 2
東証2部 16 7 5 3 2
名証セントレックス 13 2 1 1  
福岡Qボード 4 2
札幌アンビシャス 4 5 1 1
NEO 3 1 1 1
その他 4 2

(ブルーオーシャン集計)




過去最低であった2008年(年間49社)でも、4月の時点では22社上場がありました。

ことしはたった7社です。


5月、6月は一社もないのではと言われています。


今後、これからのブルーオーシャンの予想と、足元の状況を伝え続けます。


内部統制(J-SOX)の失敗と株式公開(IPO)の激減

http://ameblo.jp/motoko11/theme-10012909519.html



ドラえもんが教える貸借対照表の読み方①

http://ameblo.jp/motoko11/entry-10264316145.html


営業利益と経常利益と純利益の意味、違い

利益の種類を直感で理解することは、財務分析の基本といえます。




損益計算書を見ると、売上総利益、営業利益、経常利益、当期純利益などと複数の利益があります。





いろんな話をするまえの前提として、今後の事前説明用にブログアップしておきます。





北銀河を代表する大企業である、株式会社フリーザを例にとって理解してもらいましょう。





フリーザ社の事業内容は、銀行から借りた資金を元に、先住者のいる惑星の所有権を安値で買い叩き、戦闘民族などに委託して先住者を追放し価値を高め、宇宙移民に高値で転売しています。








①売上総利益





今期はある惑星の所有権取得に1兆を支出し(仕入)、サイヤ人たちに1兆払って征服してもらい(製造)、星を探している移民に5兆で販売しました。





この場合、売上高が5兆、それに対応する売上原価(製品)が2兆(材料費1兆+人件費1兆)、





差引で3兆のプラスです。





この利益のことを売上総利益といいます。





売上原価は通常、売上高に直接対応して発生するコストです。管理会計で言う「変動費」に近いものといえるでしょう。売上原価を売上高で割ると、”原価率”といわれます。





売上総利益は”粗利益”とも言われます。


売上総利益率(Gross Profitから、GP率)は、(1-原価率)です。





②営業利益





次に、フリーザ社の本社がある惑星フリーザでは、星を持たない移民に対する広告(販売活動)、戦闘員たちの治療施設や本社管理部門(一般管理活動)があり、毎期2兆の支出があります。





このコストを販売費及び一般管理費(以下、販管費)といいフリーザ社では2兆です。





売上総利益3兆から販管費の2兆を差し引いた1兆を営業利益といいます。





販管費は、売上高に直接対応するものではありませんが、営業上不可欠なコストであり、管理会計で言う「固定費」に近いものといえるでしょう。





営利社団法人である会社は、営業活動から生じる売上総利益によって、販管費を回収しなければならないのです。したがって、営業利益は会計学では「投下資本の回収余剰」などと表現されることがあります。





営業利益はその名の通り、企業の本業から生じる正味の利益です。フリーザ社の営業利益はまさに「業績」といっても過言ではありません。





③経常利益





さて、フリーザ社は長年の営業活動で蓄えた現金を、そのまま寝かしておいても無駄なので、トヨタの株を買っています。意外と手堅い面ももっていたフリーザ社ですが、今期は金融ショックの影響で買値から5千億円の負けです。フリーザといえども金融不況には勝てませんでした。





一方、特別目的会社である「ギニュー特戦ファンド」に出資しており、こちらからの配当が8千億円ありました。





フリーザ社の損益計算書で、トヨタ株の損5千億円は営業外費用ギニューファンドの配当8千億円は営業外収益です。





この結果、1兆円(営業利益)+8千億(営業外利益)-5千億(営業外損失)=1兆3千億円が残ります。この利益は経常利益と呼ばれます。企業の「経常的収益力」を表しています。





営業外損益は、その名の通り営業活動以外から生じたもの、主に財テクの勝ち負けや、借入に対する利息や貸付金からの利息収入など金融の損益などが入ってきます。





経常利益は企業の財政状態まで加味した経営成績なのです。





④純利益





最後に、フリーザ社の本拠である惑星フリーザに隕石が落ちました。


その被害額は2兆円です。これは、フリーザ社の今期の特別損失です。





この結果、1兆3千(経常利益)-2兆(特別損失)=7千億円の赤字です、


当期純利益が△7千億円、すなわち当期純損失7千億円です。





決算発表後、この会社の純利益が7千円億円の赤字であると経済新聞で発表されました。





快進撃を続けてきたフリーザ社も創業以来の赤字決算です。





でも、ちょっとまってください。





赤字の主な理由は、アンラッキーな2兆の隕石衝突損失であり、こんなことはめったにおこるものではありません。





営業利益を見てもらえば、1兆円の黒字ですから、フリーザ社の事業は十分な価値を世に供給していました。





なお、損益計算書には法人税等を差し引く前の「税引前当期純利益」と、「当期純利益」がありますが、その通りの意味です。純資産を増加させる額は、当期純利益。








利害関係者の注目すべき利益は?





 フリーザ社の少し斜に構えた社員であるキュイ課長は、営業利益を見て、来期のボーナスは大丈夫と思ったので、ボーナス払いで39,800円のスカウターを新調しました。





 フリーザ社から短期借入金を申し込まれたマーベリック銀行は、経常利益を見て、来期に楽々返済可能と踏んで、安い金利で1千億円を貸しました。





 フリーザ社の大株主であるパパは、今回運悪く惑星が衝突して純利益が赤字なので、分け前である配当がもらえませんでした。でも来期は大丈夫と考えて、株は売りません。








 複数の名称の異なる利益の意味はお分かりでしょうか。





カリン様の仙豆ビジネスで分かる固定費、変動費、損益分岐点


http://ameblo.jp/motoko11/entry-10260036287.html