相談があります
っていわれて
じゃあ、スタバにいきましょう
っていったんですね。
で、スタバはポテトチップスが売っていてわりとおいしいので、
ソルトとスイート、どっちがいいですかね、わたしはいつも悩むんですよ、
ってきいてみたんですが、
なんにもこたえず、うつむいたままで、ひとはこんなにもうつむけるのかってくらいにうつむいたままだったので、これは甘くない状況だな、ってことでスイートにしました。せめてポテトチップスくらいはスイートであれよ、という願いもこめて。
で、
相談はかんたんにいうと、
死にたい
っていうことだったんですが、
そのとき、わたしは、
30だったんで、
とりあえず30まではいきてみたら
いいんじゃないかな
ぼくもこれまでしにたいっていうのは
たくさんおもったんだけれども
30までいきてみたら
ちょっとはいいことが
まるで部屋にころがるくしゃくしゃにまるめたプリントみたいにはちらほらあったから
ってはなしたら、
ちょっとそのたとえ意味がわからないんですが、
といわれて、
いやまあとりあえず30までぼくははいつくばうようなつっぷすような感じでいきてもみたし、そんなふうにいきても、少しだけはいいこともあったから、無条件で30までいきてみたらどうでしょう、
っていったら、
やっと、うつむいていた顔をあげてくれて、
わかりました
っていってくれたんですが、
すぐつづけるように、
あの、わかったんですが、
あの、わたし、あした、
30になるんですけど
っていわれて、
わたしはわたしで
うしろにひっくりかえりそうになったっていうか、
あいた口がふさがらなかったというか、
わたしはじゃあ一日しか希望あたえられなかったんじゃん、ってことで、
たいしたこともないしりをはしょって、さすがに逃げようと思ったのだけれども、
いやわたしはわたしでもう31になるんだから、と、
それはやめて、
じゃあ、
たぶんそんなに遠くはないから
すくなくとも俺が
死ぬまでは生きてみてくれって
いっておきました。
それから、ふたりで、ポテトチップスたべたんですが、わりとおいしく、ふたりとも、よく、たべました。