AKB紅白歌合戦で発表された混乱のため、かすんでしまった感じの、12/15の夜にNHKで放送された『わが心の大阪メロディー』...
しばらく時間がたって、ようやく皆さんも落ち着いてきたと思うので、振り返り記事的に書いていきたいと思います。
良かったですね~...
素敵な歌がたくさん聞けました。
AKBの『365日の紙飛行機』も良かったですが、番組が全体的にとても素晴らしかったですね。
『君の瞳は100万ボルト』はとてもなつかしかったですし、嘉門達夫さんの替え歌ソングは大学生のときに友人から教えてもらってハマったことがあります。
相変わらず、むっちゃ面白いなぁ...
さて、『365日の紙飛行機』は、AKBファンの世界を飛び出して一般人に大浸透中のようです。
ネット・ニュースでも...
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http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2015/12/12/kiji/K20151212011674170.html
秋元康氏の755への投稿でも...
↓↓↓
http://7gogo.jp/akimoto-yasushi/8848
http://7gogo.jp/akimoto-yasushi/8849
http://7gogo.jp/akimoto-yasushi/8853
一般化できた曲としては、『恋チュン』以来、2曲目だと言えます。
改めて歌詞やメロディーを噛みしめてみましたが、美空ひばりさんが歌ったあの名曲『川の流れのように』に似ていなくもない。
ゆったりとスローテンポな曲調で、両曲ともに、人生を、「川の流れ」や「風に翻弄される紙飛行機」に例えています。
『恋チュン』もまた、スローな曲で、不遇な人生を歌っています。
しかし、そこには演歌的な悲壮感や浪花節もなく、また失恋や失意の歌でもなく、淡々とマイペースで達観しつつ生きていくたくましさが歌われている...
私は、こういう歌詞が秋元康氏の得意技なのかな、と感じました。
と同時に、今の、というか、20世紀末からの日本社会の「成熟社会+どうにもならない感」とマッチしているようにも思いました。
グローバル化の流れによる日本文化の一部破壊...
なさけない政治家たち...
少子高齢化の進行や年金破たん...
いっこうに本格的な回復とはならない経済状況...
などなど...
かといって、どうにもならない貧困があるわけでもなし、難民が押し寄せたりするわけでもない...
さまざまな社会の不協和音を身近にし、また、政治にも、経済にも、あきらめ感を日々感じつつ生活を送っている大多数の日本人...
こういった世相に、『恋チュン』も『365日の紙飛行機』も『川の流れのように』も、いずれも合っているように思います。
『恋ちゅん』は、「人生捨てたもんじゃないよね。あっと驚く奇跡が起きる」と、”奇跡待ち”...
『365日の紙飛行機』は、人間を紙飛行機にたとえ、”風待ち”の姿勢をとれ、と教え...
『川の流れのように』は、まず大きな川の流れ(=運命や、時代)があって、その中でもがくのが人間なんだ、と教えているようです...
いずれも、「マジに努力すれば夢がかなう」などといった青臭いお子ちゃまのようなことは語っていないわけです。
”怠慢”はいけないけれど、”努力主義”だけで生きていけるほど現実は甘くないということを言っている...
時代や世相、あるいは自分を取り巻く周りの環境をうまく読みながら、サバイバルしていけよ、ということを伝えようとしている...
こういう要素が、この3曲がともに広く世の中一般に普及した原因のような気がします。
要するに、みんなの(=日本人大多数の)共感を呼んだんですね...
”努力”というものから距離を置いて冷やかに見る”達観主義”が、今は、”共感”を呼ぶんですね(世間一般的には、ですが)...
なぜなら、それが今の世相だからです...
これが理解できるあなたは、大人です...
(逆に、理解できなければ、子供かな?(笑))
”国民的”といわれるAKBは、これからは、この今の世相にあった路線を強く打ち出していけばいいかもしれません。
なぜなら、乃木坂46が興隆してしまった現在、同じことをAKBがやっても仕方がありません。
王道アイドル路線で勝負するのが乃木坂46ならば、
AKBはこういう「達観通俗路線」の曲でやっていけば、差別化もできるし、最近落ち目になってきた状況も打開できるかもしれない...
なにか、そんなふうに感じました...
了