さて、工場での初日を終え、夕食を終え寮に戻ると、点検がある。

点検と言っても所謂点呼。

ドリフでも見たことある、順番に1.2.3.4......と数え人数を確認するあれ。


市原刑務所では、就業日は起床後の朝点検、夕方帰寮後の点検、そして、夜の本点検がある。

尚、矯正指導日という日には昼にも点検がある。


帰寮するとすぐに「点検よーい」という寮内アナウンスがかかる。 


市原刑務所では、準開放寮と、開放寮、希望寮という寮制度になっている。

希望寮に近づくに連れ、緩和されていく部分が多くなる。

まず誰もが配役直後は準開放寮にいく。

寮制度といいつつも、もちろん細かなルールはある。


準開放寮では、開放寮に向けて練習をする場所ということになっている。

個人で部屋もあるが、廊下から丸見えで、四畳ほどのスペースを二人で分け合う。

これに関しては、「市原刑務所 寮」とかと検索すると画像が出てくるので、是非見てみてください。

低い衝立を挟んで横に相部屋?の人がいるが喋る事ができない。

ここで喋ると不正交談となり評価表減点の対象になってしまう。

尚、この評価表というものが一定期間に3枚貯まると特別練成班となり、単独室棟で1週間過ごし、再度準開放寮からやり直さなければいけなくなる。

まぁ、違反や目をつけられている、生活態度が悪すぎる等なければ、刑期の三分の一が経過すれば開放寮に上がれる。


周りを見ながら整列をしようとすると、寮委員から一番前に来てくださいと言われ、一番前に並ぶ。ちなみに、寮委員といえども、このように勝手に声がけするとこれも不正交談になるが、実際ここらへんは状況に応じて見逃されることが多い。


月一で寮選挙があり、選任された者は寮委員、班委員になる。

ちなみに、この委員をやると評価表のポイントになり、希望寮に行くのも近づく。


点呼が終わるとみんなの前で、工場、番号、名前、を言う。 

別れ、と解散の号令がかかると各自部屋に行き着替える。

来たばかりの私は荷解きを急いでしていると班委員がきた。

「班委員の〇〇です。交談許可取ってますので。17時30分から寮内のオリエンテーションをするので、洗面所付近に来てください」と言われる。

あと20分程しかない。

急がねば。

もちろん何かを出しっぱなしにして部屋を離れると整理整頓要領違反となりこれまた評価表の対象になる。

棚もあるが、自由に置ける訳でなくどの段には何を置ける等決まっているので、生活の心得という冊子の写真を見ながら急いで並べる。

まぁそこまで荷物も多くないので間に合った。

歯磨きを終え、洗濯物を出す。

こういう流れも新入教育期間にしっかり覚えておかなければ、初日からパニックになる。

そしてまわりの受刑者から「あいつだめだな。くそだよ」と聞こえるように言われる。


17時30分に洗面所に行くとオリエンテーションがはじまる。

準開放寮、開放寮とも2階建てになっており、その中でも北側と南側にわかれる。

つまり、準開放寮では4つのグループに分かれる。そして、その一つのグループには40部屋ある。

まぁ大体20名ほどしか居ないのだが。

一階は、炊場、衛生工場、第三工場、訓練工場

二階は、第一工場、第二工場、図書計算工場、洗濯工場、営繕工場、新入教育工場衛生係、単独室棟衛生係、

にわかれている。確かですが、、、


寮での余暇時間では、図書室や談話室で過ごすことも可能になっている。


しかし、初日は図書室等は使えず、3日目、4日目から談話室等も使えるようになってくる。


寮内のオリエンテーションでは主に共同場所の利用方法や、こまかな気遣いをしましょうというような説明を10分程聞き、軽く雑談をして終わった。

「なにしちゃったんですが?」「地元どこですか?」「第一工場良いなー」なんて話。 

みんな新人が来ると少しワクワクしている。


ちなみにこのオリエンテーションでは、覚えの悪い人がいると長くなる。

それと、班委員が無駄な説明長めな人に当たってしまうと、1時間程やっている時がある。

まぁこれも運ですが。。


初日は残り時間書き写しや、まわりの流れを覚える為に、バタバタしているが。


そんなこんなで、9時に消灯のチャイムがなる。


また明日は今までとは違う生活になるな、と思いながら床につく。