4月のブログは,不動産登記の登録免許税に関するネタが連続していますが,そもそも何故この時期に登録免許税の話が多いのかというと,平成30年は,評価替えの年だからです。

 

固定資産税は,1月1日現在の土地及び家屋の所有者に対して,毎年4月1日から始まる年度の税金を,その固定資産の価格に応じて課税するものです。

そして,固定資産の価格は,3年ごとに見直され,平成30年はその評価替えの年となります。そこで,平成30年3月31日までの税額と4月1日からの税額とに差額が生じたり,新たな免税措置がとられたり等,不動産登記の申請に影響を及ぼすため変更があったため,このブログでも4月は,不動産登記の登録免許税のネタが多くなりました。

 

今回は,不動産登記の登録免許税ネタの最後?新築建物の所有権保存の登録免許税について書きたいと思います。

 

 

登録免許税額は,原則として,次のように計算します。

登録免許税額※3= (課税標準額)※1×(税率)※2

 

※1:課税標準額

課税標準額は,固定資産課税台帳の価格がある場合は,その価格ですが,新築建物固定資産課税台帳の価格がない場合は,登記所が認定した価額です。

 

新築建物の場合,その建物には固定資産税台帳の価格がついていないため,各法務局が定める「新築建物課税標準価格認定基準表」を使って,登録免許税を計算する必要があります。平成30年が評価替えなので,この「新築建物課税標準価格認定基準表」も4月1日以降は改定されました。

 

 

 

東京法務局管内の基準表によると,平成30年4月1日以降の価格は,上記のとおり9万5000円/㎡です。なお,平成30年3月31日までの価格は,8万7000円/㎡だったので,建物の価格も上昇しました(土地については,こちら)。
 

 

※2:税率

税率は,原則として,1000分の4となります。

なお,個人が一定の期日までの間に住宅用家屋を新築し,又は一定の要件を満たす住宅用家屋を購入した場合には,市区町村長等が発行する証明書を添付することで,(新築又は購入から1年以内に所有権の保存の登記を受けるものに限り)その要件に応じ,1000分の1又は1000分の1.5の税率に軽減されます。

 

※3:登録税免許税額

※1の課税標準額に※2の税率を乗じて計算した額が登録免許税となります。

 

仮に,延べ床面積100㎡・減税対象外(税率1000分の4)の新築建物の保存登記の場合,課税価格は,100㎡×基準額9万5000円/㎡で計算。課税価格は,950万円となります。次に,登録免許税は,課税価格950万円×税率1000分の4で計算。登録免許税は,3万8000円となります。

 

所有権保存登記の手続きについても,お気軽にマザーシップ司法書士法人へご相談ください。【M】

 

土地の評価について

テーマ:

今年(平成30年)は、3年に一度の評価替えの年です。

 

東京では、板橋区某地は1㎡あたり267,540円から291,200円へ8.8%、世田谷区某地は1㎡あたり177,639円から222,372円と25.1%と上昇するなど、各地で評価が上がっています。

 

土地の評価は、総務大臣が定めた評価基準に基づき、市町村が決定することになっています(地方税法388条、410条)が、この評価は、固定資産税の基準になるだけでなく、不動産登記の登録免許税の算出根拠にもなっており、私たち司法書士も無関心ではいられません。

 

上記の板橋区某地、世田谷区某地の土地が仮に100㎡だったとして、それを売買で取得しようとすれば、登録免許税は、1,000分の20であるので、板橋区の土地では、昨年度まで535,000円だったのが、本年度は582,400円と47,400円、世田谷区の土地では、昨年まで355,200円だったのが、本年度は444,700円となり89,500円、と上昇しているので、事情により、年度をまたぎ登記させていただくお客様への説明に苦慮することも少なくありません。

 

ところで、これほど登記手数料や固定資産税に影響を与える土地評価に異議申立をできるのは、基準年である今年しかありません。しかも3か月以内(つまり告示である4月2日から3か月後の平日である9月6日まで)に審査の申出をする必要があります。

 

これまで、どんなに手を尽くしても売れなかった土地なのに、固定資産税の負担ばかりが大きいとお悩みであれば、今、「審査の申出」をしておかなければ、3年間は固定資産税の負担を減らす手続きはありません。審査申出をしたからといって評価が下がるとは言えませんが、地積が異なる、不整形地である、接道がない等の場合、認められる可能性もあります。審査の申出自体は権利ですので、検討されることをお薦めします。

念のため東京都の「固定資産課税台帳に登録された価格に関する審査の申出について」のリンクを紹介しますので参考にしてください。

【G】

 

登記のご相談はお気軽にマザーシップ司法書士法人

平成30年4月1日より,相続による土地の所有権の移転の登記について,登録免許税の免税措置が設けられました。

相続により土地を取得した方が相続登記をしないで死亡した場合の登録免許税の免税措置

 個人が相続(相続人に対する遺贈も含みます。)により土地の所有権を取得した場合において,当該個人が当該相続による当該土地の所有権の移転の登記を受ける前に死亡したときは,平成30年4月1日から平成33年(2021年)3月31日までの間に当該個人を当該土地の所有権の登記名義人とするために受ける登記については,登録免許税を課さないこととされました。

http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/page7_000017.html

(法務局HPより抜粋)

 

相続登記とは,不動産の所有者が亡くなった場合において,その不動産の登記名義を亡くなった方(被相続人)から相続人へ名義の変更を行なう手続です。

 

相続登記の申請の際には,不動産の価格(固定資産評価額)に対して,1000分の4(0.4%)の税率がかかります。

 

例えば,固定資産評価額2000万円の不動産の相続登記を申請しようとする場合には,2000万円×1000分の4(0.4%)=8万円を登録免許税として,国に納める必要があります。

 

不動産の所有者が亡くなった場合には,相続人へ名義変更の手続きを行わなければなりませんが,登記手続きは,手続の期限が決まっていないことや,登録免許税が負担となり,相続登記が未了のまま放置されるケースが多くあり,社会問題にもなっています。そこで,一定の要件を満たす場合に,相続登記の登録免許税が免除となる措置が設けられました。

 

では,免税を受けることができる要件は・・・

① 個人が相続(遺贈も含む)を受けること。

② 土地(建物は対象外)の所有権であること。

③ 相続による土地の所有権の移転の登記を受ける前に死亡した場合であること。

④ その死亡した個人を所有権の登記名義人とするための登記であること。

⑤ 平成30年(2018年)4月1日から平成33年(2021年)3月31日までの間に相続登記の申請すること。

⑥ 免税の根拠となる法令の条項「租税特別措置法第84条の2の3第1項により非課税」を相続登記の申請書に記載すること。

 

【イメージ図(法務局HPより抜粋)】

 

例1:固定資産評価額2000万円の土地の登記名義人であるA死亡→相続人B,BがA名義の土地の相続登記をする前にB死亡→相続人Cのケース

 

 この場合,Aから亡Bへ相続登記手続き(1次相続),亡BからCへの相続登記手続き(2次相続)が必要となり,登録免許税は,1次相続手続き8万円(2000万円×1000分の4),2次相続手続き8万円(2000万円×1000分の4)となります。ただし,今回の免税措置により,AからBへの相続登記(1次相続)の登録免許税が免税(0円)になります。したがって,例1の場合には,免税措置により相続人の負担が8万円軽減されることとなります。

 

例2:固定資産評価額2000万円の土地の登記名義人であるA死亡→相続人B,Bが生前にCへ売却,AからBへの相続登記及びBからCへの売買所有権移転登記をする前にB死亡のケース

 

Aの相続人である亡Bが生前にその土地を第三者のCに売却していた場合, A→亡Bへの相続登記(1次相続)を経て,売買による亡B→Cへの所有権の移転の登記が必要となり,登録免許税は,1次相続手続き8万円(2000万円×1000分の4),売買所有権移転手続き30万円(2000万円×1000分の15)となります。ただし,今回の免税措置により,AからBへの相続登記(1次相続)の登録免許税が免税(0円)になります。したがって,例2の場合には,免税措置により相続人の負担が8万円軽減されることとなります。

 

例3:固定資産評価額2000万円の土地の登記名義人であるA死亡→相続人B(持分2分の1)及びX(持分2分の1),B及びXがCへ売却,AからB及びXへの相続登記及びB及びXからCへの売買所有権移転登記をする前にB死亡のケース

 

 Aの相続人である亡B及びXが,その土地を第三者であるCに売却した場合には,A→亡B及びXへの相続登記(1次相続)を経て,売買による亡B及びX→Cへの所有権の移転の登記が必要となり,登録免許税は,1次相続手続き8万円(2000万円×1000分の4),売買所有権移転手続き30万円(2000万円×1000分の15)となります。ただし,今回の免税措置により,Aから亡B及びXへの相続登記(1次相続)の登録免許税が,死亡したBの持分のみ免税(0円)になります。したがって,例3の場合には,免税措置により相続人の負担が4万円(2000万円×1000分の4×2分の1)軽減されることとなります。

 

上記のとおり,免税措置により相続登記に関して免税の対象となる可能性があるかもしれませんので,相続登記手続きが未了の方は,ご気軽にマザーシップ司法書士法人にご相談ください。【M】

 

 

 

 

 

前回のつづきではなく、(G)から紹介のあった「異順位の共同相続人の間で相続分の譲渡がされた後に遺産分割協議が行われた場合における所有権の移転の登記の可否について(通知)」(平成30年3月16日発民二第137号)について述べたいと思います。

 

本事案の相続関係は次のとおりです。

A      B        ①A死亡(甲不動産所有)(第1次相続) 相続人BCD

   |     C        ②D死亡(第2次相続)  相続人EF

   |             E    ③BCが相続分をEFに譲渡

             |     F    ④EF間の遺産分割でEが甲不動産を単独相続

 

今回の先例で、遺産分割はAの相続開始の時に遡って効力を生じ、中間の相続(第1次相続)がDの単独相続であったことになるから、甲不動産についてAから最終の相続人であるEへの所有権移転登記(原因 年月日D相続 年月日相続)が直接できると初めて示されました。

 

しかし、遺産分割がなしえない場合、たとえばDの相続人がE1名だった場合は、従来の先例(平成4年3月18日付民三第1404号)通り、遡及効がないため直接AからEへの所有権移転登記はできず、物権変動に従って下記の登記手続が必要であると考えられます。

(1)AからBCDへの相続を原因とする所有権移転登記

(2)DからEへの相続を原因とする持分全部移転登記

(3)BCからEへの相続分の売買(又は相続分の贈与)を原因とする持分全部移転登記

 

反面、次のような場合でも、EとB2間で甲不動産をEが単独相続するという遺産分割協議が成立していれば、Aから直接Eへの所有権移転登記も可能と考えられます(B)。

 

         B1 ①A死亡(甲不動産所有)

   |  C  |   B2 ②D死亡  ③B死亡 相続人B1B2 

   |       E  ④B1・CがEFに相続分譲渡

        |    F  ⑤B2・E・F間の遺産分割でEが甲不動産を単独相続

 

 相続のご相談はマザーシップ司法書士法人へ。

 

私たちを長年苦しめていた(お客様にご迷惑をお掛けしていた)標記相続登記について、大きな運用変更する通達が発せられました。

詳細な説明を追ってさせていただくとして、取り急ぎ報告させていただきます。【G】

 

 

異順位の共同相続人の間で相続分の譲渡がされた後に遺産分割協議が行われた場合における所有権の移転の登記の可否について(お知らせ)

 

ご相談はマザーシップ司法書士法人へ