五体満足で健康体にも関わらず、仕事やプライベートが上手くいかずに悩んでいる、自信が持てずに積極的に行動ができていない、そんな男性がいたら、大峯山洞川(どろがわ)温泉旅館組合が主催する「山伏修行一日入門」にこの夏、ぜひご参加ください。

 

 

なぜ男性に限定するかというと、この山伏修行を行う大峯山は現在も女人禁制の山だから。もちろん法的拘束力はありませんが、古来よりそして今も地元の人々、入山者はその山の掟を頑なに守っています。

 

理由は諸説あるようです。修行は煩悩を断ち切ることが目的なので、異性がいたのでは真の修行ができない。また、山には魑魅魍魎が住むと考えられていて子どもを産む女性は山に入れない。など、時代や地域、宗教の考え方による様々な理由でわが国では、古来より各地に女人結界がありました。

 

 

しかし現在は男女平等社会。その観点から以前は女人禁制だったが現在解放しているところは多く、女人禁制を守り続ける大峯山は希少です。現にユネスコの世界遺産に登録されている「紀伊山地の霊場と参詣道」には、修験道の修行の道である、この大峯奥駈道も含まれます。

 

「山伏修行一日入門」はこれまで180回近くも開催されてきたようで、令和元年の今年は、7月、8月、9月にそれぞれ1回ずつ、計3回開催されます。私は先日、令和最初の開催である789日の回に参加して来ました。

 

体験型ツアーのようなものだと、旅行気分で申し込んだのですが、ガチの修行でした。なので写真を撮る雰囲気も、余裕もなく、修行風景の写真はほとんどありません。しかしタイミングを見計らって、いくつか写真を撮りました。

 

時系列にこの一日修行を簡単に説明します。

78日の午後に天川村にある洞川温泉の観光案内所で受付を済ませ、指定の旅館にチェックイン。もちろん大部屋です。今回の参加者は19名。もちろん全員男性です。 20代後半から70歳くらいまでの様々な世代の体力に少々自信がある男たちです。その後、用意された白フンドシに着替え、近くにある龍泉寺で水行。この地は標高820mで大阪市より10℃くらい低く、水行場の水はまさに冷水。肩まで5分くらい浸かりお経を唱えました。そして精進料理の夕食。その後、午後7時過ぎに床に入って午前1時に起床。

 

参加者同士で雑談することもなく、これからマジ修行が始まるという緊張感が漂っていました。午前1時に起床後、山に入る用意して、旅館から3km先の女人結界門がある登山口まで車で連れって行ってもらい、登山ガイドを先頭に午後2時前から暗闇のなか登山がスタートします。

 

ペースは早く、そして無言。途中、小屋や茶屋で休憩しながら、明け方、命綱なしで十数メートルの鐘掛岩を鎖で這い上がる修行、断崖絶壁から逆さ吊りにされる修行「西ノ覗(にしののぞき)」を行いならが、明け方に山上ヶ岳(1719m)山頂付近にある大峯山寺に到着。お経を上げた後、下山する約12km、約9時間の“修行コース”です。

 

 

道中の修行は強制ではないのでパスすることもできるのですが、せっかくの機会なので挑戦しました。高所恐怖症の身には、正直かなりキツかったのです。しかし、キツイからこそ修行で、とても貴重な経験ができました。

 

この5年ほど私はいくつかの山をトレッキングしました。今回は距離、標高差とも最大のコースでしたが、疲労感はまったくと言っていいほどなく、終始清々しい気持ちでした。もちろん道中、息が切れたり、恐怖で卒倒しそうになったりしましたが、まるで大峯山の霊気が癒し続けてくれたかのように、すぐに心地良い気分になりました。ここは聖地だと思わせてくれる瞬間でもありました。

 

 

とにかく不思議な心境にさせてくれる「山伏修行一日入門」は、月並みな表現ですが、この苦行を体験すれば、今悩んでいることがいかにちっぽけで、自分の視野が狭かったかを実感させてくれます。考え方を前向きにさせてくれ、そしてやさしい気持ちにさせてくれます。修行にはそんな力があり、修行することの意味が少し理解できました。

 

令和元年の今年は、皇太子時代に大峯登山をされた天皇陛下の即位を祝して大峯山寺のご本尊で秘仏の蔵王権現像が9月の閉山までご開帳されています。この秘仏を見るだけでも登山する価値があります(この一日修行をしなくても、行場を避ける参拝者用の登山道があります)。

 

 

人生に悩んでいる男子は、8月と9月に開催される「山伏修行一日入門」にぜひ参加してみてください。そして大峯の大自然、想像を絶する世界観に触れてください。

 

ただ脚力と持久力が少々いるので、運動習慣がなく体がナマっている人は、体力をつけてから参加するのが賢明です。今年が無理なら来年に。

 

「山伏修行一日入門」に関しては、下記サイトにアクセスください。

http://www.dorogawaonsen.jp/topics/2450/