教えて!ドクターQ&A (2017年8月28日 中日新聞)
Q)ときどきニュースで、有名人が40代で妊娠・出産した話を聞きます。40代でも妊娠できると希望を持ちますが、あまり一般的な症例ではありませんか? 何歳くらいまでは可能性があるのでしょうか。
A)40代の妊娠率は低いです。自然妊娠や人工授精程度の簡単な不妊治療での妊娠率は非常に低く、体外受精などの高度な治療でも15%程度の妊娠率です。しかし高度な治療でも45歳以上では妊娠することがほぼ不可能となります。若い卵子の提供を受ければ妊娠は可能ですが、国内での実施は認められていません。卵子が作られるのは胎児の間だけで、生まれてからは1個も作られません。ですから年齢とともに卵子の数は減り、卵子の老化によって妊娠も難しくなるのです。
女性の社会進出など様々な要因で、平均結婚年齢がついに30歳を越えました。この晩婚化が、少子化と不妊症の最大の原因と言えるでしょう。妊娠を希望される場合はなるべく若い間に治療を開始すること、そして40歳を過ぎた方は早めに体外受精などの治療を考えて頂きたいと思います。